「『過ぎしロマンの香』(増倉五郎)に見る戦前のヨーロッパと ホテルのステッカー」(こちら)のタイトルで、ドイツとパリのホテルのステッカーを紹介した。本編ではスイスのホテルのステッカーを紹介する。

氏のエッセイにはスイスを旅した際の記述はないが、なかなか充実したコレクションだ。

 

観光業が国の重要産業であるスイスにはホテルの経営者を養成する学校が古くからある。そして伝統的なホテルの多くが今日まで営業を続けていることが、これらのステッカーを見ても分かる。

 

チューリッヒ

私事ながら筆者はかつて5年ほどチューリッヒに暮らした。よってここで紹介する3つの高級ホテルはよく知っているが、敷居が高くて一度も利用したことがなかった。

 

サヴォイホテル (Savoi Hotel)

街の中心地パラーデプラッツ(パラーデ広場)にある。

1838年に創業した歴史的なホテルで、約150年前にスイスを訪れた岩倉使節団が最初に宿泊した宿。現在はマンダリン・オリエンタル・サヴォイ 。

ホテル起業家ヨハネス・バウアーJohannes Baur氏が創業した伝説的なホテルで  Baur en Villeとステッカーにも書かれている。

 

ホテルシュバイツァーホーフ (Hotel Schweizerhof)

メインステーションの向かいに1877年に建てられたホテル。

ホテルの名前はステッカーの帽子の部分に入っている。

この赤い制服はホテルのシンボルで今も用いられ、ホテルのホームページには、このステッカーと同じデザインが載っている。

アレックス・ウォルター・ディゲルマン(Alex Walter Diggelmann)というスイスのグラフィックアーティストによって描かれたもので、芸術的価値も高いようだ。

 

ボー・オー・ラック (Baur au Lac)

フランス語の湖(Lac)が示す通り、チューリッヒ湖に面する。

1844年の創業。

オーストリア皇女エリーザベト(シシィ)は2人の王子とお付き60人を連れて夏の間ずっと、ここで過ごしていたほどで多くの貴族に好まれた。マルク・シャガールやジョアン・ミロ、ヘンリー・ムーアほかの芸術家にも愛された。

ステッカーはチューリッヒ湖の青い湖面にヨットが浮かんでいる。

 

ルツェルン

 

ホテル野生人 (Wilden Mann)

ホテルの始まりは1517年。

”野生人”は中世の伝説上の人物で、像は街の至る所にある。

ホテルにはソフィア・ローレン、ヘルベルト・フォン・カラヤン他多数の著名人が滞在している。

ホテルのステッカーもその”野生人”を表し、左手の下の青と白はルツェルン州の紋章。

 

こちらもホテル野生人。右中央はカペル橋の水の塔

 

ホテルシュテルン、フリューエレン (Hotel Stern, Flüelen)

現在はHostellerie Sternenとしてツーリスト向けのホテルとなっている。

増倉夫妻もここではかなりひなびたホテルに泊まったか。

 

インターラーケン

増倉夫妻はルツェルンからルツェルン湖(Vierwaldstättersee)湖畔のフリューエレンを経由して、ユングフラウの麓のインターラーケンに着いたようだ。

 

ホテル ドゥ ルーロップ  (Hotel de L'Europe)

ホテルの特定がうまく出来ない。

 

ボーリヴァージュ(Beau-Rivage) 美しい湖畔の意味。

1874年オープンのホテルで、現在もGrand Beau-Rivageとして健在。

 

デュ・ラック・カールトン Du Lac & Carlton

1898年開業のホテル。

現在はCarlton-Europe Vintage Adults Hotelとして営業。「アダルト」という言葉が入るのが日本人には面白い!?

 

ジュネーブ

 

ツーリングホテルバランス  (Touring Hotel Balance)

古い立派なホテルの絵葉書などをネット上で見ることが出来るが、ホテルはもうない様。夕焼けのレマン湖?

 

ホテルリッチモンド(リシュモン) (Hotel Richemond)

1875年開業で現在も続く。背景には大噴水が写るが、1886年の完成。

 

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