畑が似合う男 1 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

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この、畑に溶け込み、違和感なく天に向かって光を放ち、モデル並みのポーズをとっているのは野人の会社の元社員だ。

数年前まで自治体の依頼で宿泊施設の経営を引き受け、3年ごとの更新契約だったが赤字を支えきれず断念、返上、今は他の会社が経営を引き継いでいる。

彼らには本当に申し訳ない思いでいっぱいだ。

この男はそのままホテルで働いているが、癒し系の顔と性格を見込んで自然散策ガイドとして色んな事を教えた。

バランスを崩し、直径2m足らずの浅い沼池に彼が落ちたことがある。

ところが彼は対岸に飛び移るわけでもなく、足から沼に入るわけでもなく、かと言って水に手をついたわけでもなかった。

理解に苦しむだろうが・・アタマから・・落ちたのだ。

スローモーションを見ているように弧を描いて、頭のテッペンから泥沼に・・

そして・・「ズボ!」っと・・突き刺さった。

頭と顔が泥水に埋まったまま、手足をバタバタさせていたのだが、なかなか出来ることではない。

その素晴らしい珍技に見入っていたのだが、そのまま放って置けば窒息して死んでしまいそうで引っこ抜くしかない。

眼鏡は行方不明、頭から泥は何の抵抗もなく滑り落ちたのは良いが、ニコニコ顔の鼻から、たら~りと泥が流れ出た、耳からも・・

それを唖然として目撃していたホテルの仲居さんは大声をあげて涙を流した。

何の涙かは・・想像がつくだろう。

彼は野人と同じく必要以上に話を面白くする才能があるようだ。

彼は言った。

「こんな場合は下手に動くよりも・・」と物理論を細かく・・

野人は笑って言った。

「わかった・・・もう・・いい」

頭から弧を描いて着地、手足をバタつかせて講釈をたれた男はこれで二人目だった。



続く・・


2008年5月 脳味噌の重さ

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