鐘突き堂とシュロの木 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

シュロの実

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シュロの樹皮
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シュロの幼木
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鐘楼  わびさびの根棒
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山でシュロの実を見かけた。シュロは日本の山には珍しく椰子の木のような形をしている。南の島に憧れていた子供の頃はこの実を見かけると血が騒ぎよく登った。「ちびくろ散歩」の絵本だったか・・ヒョウが二匹でヤシの回りを互いの尻尾を追いかけてグルグル回っているうちに溶けてしまい、ドーナツ状の美味しいバターになった・・・と言う本を読むたびによだれが止まらなかった記憶がある。子分二人にこの木の回りを旋回させたが、バターにはならなかった。やはりヒョウでなければ駄目だ。

シュロの実はヤシではなく黄色いカズノコのような塊だったが、どうするわけでもなく宝物のように持ち帰っていた。おそらく、遠い記憶に南の島で腰ミノ一丁でヤシに登って実を採ったことがあったのだろう。シュロの樹皮にはモジャモジャの荒毛が撒きついていて、昔は「ろ過材」などにも使われていたようだが、何か他のものにも使えそうだし考えてみるか。

シュロの木は鐘突き堂に使われている。硬い木だと鐘を傷めるようで、柔らかい繊維質のシュロの木が適しているようだ。鐘の音も「ガ~~ン!」よりも「ごおお~~~ん・・」と魂にもタマタマにも響くような「わびさび」の世界のほうが風流で良いが・・わびさびは魂だけで十分。

鐘突き堂は昔二重の建物だったようだがいつの間にか今のようになった。供養もあるだろうが、時を告げるという目的からすれば時計のない時代は、まあ高いほうが響き渡って良かっただろう。低音のほうが波長が長く遠くまで聞こえる。それに・・「ガ~ン!」と耳元で毎日のように高音の衝撃波を受ければ、担当の若手坊主も脳ミソがブレてイヤになるというのが本音かもしれない。それに・・音を吸収する毛もない。

シュロの木の語源も「鐘楼」から生まれたようだ。お寺の裏庭にもよく植えられている。