8cmキビナゴの刺身 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

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キビナゴを知っている人はあまり多くない。キビナゴはニシン科の小魚でせいぜい10センチくらいにしかならない。わかりやすく言うならウルメイワシの稚魚のような感じだ、鹿児島や熊本、四国などでは昔から重宝され刺身もよく食べられている。東シナ海にいたころはキビナゴの冷凍を釣りのえさとしてよく使っていた。10キロケースを冷凍庫に山積みしていた。どうしてもエサとしてのイメージが強かったが、鹿児島、天文館の居酒屋ではキビナゴの刺身や飛び魚のすり身をよく食べていた。つまり鮮度の良いものは旨いのだ。イワシと違ってその身は脂がなくて透き通っている。しかし甘味が強くてやめられない。他にも色んな料理に使われるが、から揚げにしてもそう旨いとは思わない。イワシやカタクチイワシのほうが美味しい。イワシ類の刺身も旨いが、このキビナゴの肉質はサヨリを甘くしたような感じだ、この辺では滅多に見ないが、たまたま尾鷲漁港にあがったピンピンのキビナゴが何年ぶりかで手に入った。小さいので通常は指で開くのだが、指で身が潰れると柔らかくて水っぽくなって味も落ちる。今回は面倒でも小出刃で丁寧に3枚におろした。平均8cmだから技術がいる。ちなみに、この皿の直径は16cmだ。野人がメダカに毛の生えたようなこいつをさばくところが想像出来るだろう。

その味は、言うまでもなく絶品だった。プリプリした歯ざわりも甘さも味も申し分なし。本ワサビをすりおろして、醤油をかけてそうめんみたいにずるずる・・と、一気に食っちまった。