また、山へ水を汲みに行った。小雨は降っていたが気にすることもない。帰りの山道に小さな滝が流れ落ちていたので休憩、高さは5mくらいあった。眺めていたら気持ち良さそうで何故か急に頭を洗いたくなった。洗うべきか洗わざるべきか考えた。実は「頭洗わない実験」の最中だったのだ。これでもう二週間になる。風呂には入るのだがお湯もかけないようにしていた。皮脂と微生物が正常なら1ヶ月でも臭くなるはずがないと考え実施中なのだ。確かに2週間経ったが臭くも痒くもならない。女子社員に最初から何度か嗅いでもらって確認したが最初と変わらず汗臭くはない。当然フケも出ず快適だったのだ。もうこれ以上やっても変わらないだろうし、いささか飽きてきた。つまり1週間も洗わない人はいないだろうが、シャンプーを使わず頭皮の機能が正常ならその程度洗わなくても何ともないと言うことだ。実験はやめだ。車でタオルを探したのだが肝心な時に見当たらない。やっと見つけたのはタオル地のハンカチだ。まあこれでも仕方ないかと滝壺へ降りた。長靴で滝壺に入り、中腰で水をすくうと冷たくて手がしびれる。3月とはいえ山の水温はまだ2月なのだ。頭もさぞかし冷えて冴え渡るだろうと両手ですくってバシャバシャかけてみた。ところがこれがまたまったく冷たくない。「ありゃ・・りゃ?」と思ったが、すぐに「こりゃいいや~」と頭を水面にズボっと突っ込んでガバガバ洗いまくった。さすがに今の時期、滝壺に頭突っ込んで洗う奴はいないだろう。まんべんなく洗い終わると爽快だった。犬みたいに「ブルンブルン~!」と振って水滴を落とし、ハンカチ王子で拭くと意外とこれで事が足りる。思ったよりも濡れないし十分だったのだ。30分後に帰りの車中で髪に触れてみるとほぼ乾きかけていた。もう半年近く散髪していないから首が隠れるほど髪は伸びているが水滴がない。これからはこれに限る。綺麗な川や滝を見つけたら年中頭が洗えるのだ。塩素も入ってないし、山水はすこぶる気持ちが良い。人の頭皮も頭髪も間違いなく防水仕様で、水にも冷たさにも耐えられるようになっている。古代人も冬はこうやっていたのかも知れない。何もお湯など必要ない。最高の気分だ。今日は良い実験が出来た。

