肩コリアンダーの光と影 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

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野人農園のコリアンダーが生えていた場所から、またあいつらがうじゃうじゃ生えて来た。花が咲き、種になっても放って置いたからだ。冬だと言うのにたくましい。寒いせいか背丈は大きくならず、セリ科のハーブらしく、田んぼのセリのように隙間なくびっしり覆い尽くしている。たまにちぎってそのまま食っているが、独特の臭気があって風情がある。しゃがんでチマチマちぎるので肩が凝ってしまう。だから肩こりアンダーだ。野人はタイ料理が大好物で、タイカレーやトムヤンクンには必要な香草だ。ドクダミそっくりの香りがするのは、ドクダミやオールスパイスと成分が同じだからだ。乾燥すれば「ドクダミ茶」と同じように臭気は消える。好き嫌いが激しい香草だが、英名コリアンダーの語源は、カメムシを意味し、和名も「カメムシソウ」だ。タイでは「パクチー」、ベトナムでは「ザウムイ」、ポルトガルでは「コエンドロ」、中南米では「シラントロ」としてよく利用されている。パクチーのないタイ料理は味気なく、タイで初めて食べた時は「こりゃドクダミだ」と思い「オエ~!」と吐き出したが、慣れたら病み付きになる味だ。パセリなどのセリ科の植物は摘んで半日くらいならはアクも少なく生で食べやすい。パクチーが大嫌いな植物の先生も、このパクチーは生のまま食べられると感心していた。

葉と違って果実はまた極端に異なる。成分も違うがレモンに似た特有の芳香があり、ヨーロッパやインドでは実をすり潰してカレーなどに使い、ミルクティーにも入れるようだ。

臭くなったり芳香を放ったり忙しい。本当に肩の凝る香草だ。