新型コロナウィルスの感染拡大のための外出自粛で、テレビやビデオを見る機会が増えました。
偶数日は外食記事でなく、備忘録であることをご了承ください。
昭和の歌謡曲のタイトルにまつわるエピソードを紹介。
湯川れい子さんの代表作の1つ
アンルイスの『六本木心中』には、六本木という単語は一度も出てこない。
バブル崩壊の時代に「心中」「腹切」エロティシズムを感じさせた。
今は注釈まで提示してあげないと、消費してもらえないのに時代なのに、当時は疑問を与えることで成功していた。
1. 音楽プロデューサーに聞く
アーチストの岡崎体育さんが気になるタイトル
山口百恵さんの『プレイバックパート2』
「パート1を聞いてないのに、パート2からか? 昔のことだけど斬新」
音楽プロデューサー・酒井政利さん
ファンからの問い合わせを狙った
「プレイバック」は4パターン存在した。
アルバムにパート1を入れ、アルバムとの相乗効果を狙った。
茶の間には伝わっていないスタジオ用語だった。
若者の間では会話に出てきていた。
過ぎたことを思い出したり笑ったりする。
酒井さんにとって、題名はテーマを表現、簡潔に言い得たタイトルが理想。
作家には前もって、「こういうタイトルで行きたい」と話している。
郷ひろみの3大謎タイトル
『2億4000万の瞳』
目は1億2000万×2、まさに国民の歌
『お嫁サンバ』
ダジャレ的要素、「お嫁さん」に引っ掛けている。
調子の良さで「サンバ」、カラオケブームを見越していた。
『よろしく哀愁』
デビュー以来郷ひろみは、見るからに陽気なアイドル。
何曲も続くと、超マンネリになるから、ちょっと陰を落としたいため、「哀愁」という単語を使った。
彼の哀愁というのはたわいない哀愁。
「哀愁」に似合わない言葉を重ねて、軽く見せたかった。
変わり過ぎていてもおかしいから、程よい心地よさを狙った。
宮崎美子さんは『私の心はハンバーグ』というレコードを出したこともある。
2. ピンクレディーを生んだ作家
ヒャダインにインタビュー
『勝手にしやがれ』など、作詞家・阿久悠さんの世界観はずっとワンダーランド。
阿久悠を最も知る男として、作曲家・都倉俊一さん
理屈なし、インスピレーション、打ち合わせなし。
お互いのインスピレーションを信じていた。
落語で言う「お題拝借」
阿久悠からの曲名が「お題」
このタイトル意味ないけど面白い、とか。
『渚のシンドバッド』は、忘れられない思い出
「そろそろ夏だね。メルヘンの世界を、やりたいんだけど」と持ち掛けられ、ニュアンスで決めちゃった。
子供のキャッチボールのようだった。
都倉さんから阿久悠さんに「なんで」とは聞かなかった。
『ペッパー警部』そこに理屈はなく、「我々がトレンドを作る」と、時代を感じて生きていないとヒット曲は作れない。
阿久悠さんには、作詞家憲法という独自の15条があった。
「第15条 歌は時代とのキャッチボール。時代の中の隠れた飢餓に命中することが、ヒットではなかろうか」
2人には、こんなエピソードがあった。
山本リンダさんの『どうにもとまらない』は、最初は『恋のカーニバル』というタイトルだった。
スタジオミュージシャンが帰る時、みんな「どうにもとまらない」というサビを口ずさみながら帰って行った。
その夜、あわてて阿久悠さんに電話した。
作詞家としてタイトル変更には難色を示したが、最終的には変更を認めてくれた。
変更したことで、山本リンダさん最大のヒット曲となった。
阿久悠さん自身も「この曲の運命は全く違うものになっていただろう」と後に著書でつづっている。
高度経済成長で、日本の経済はどうにもとまらない状態だった。
タイトルの大切さが身にしみた曲だった。
湯川れい子さんのコメント
阿久さんは一字一句変えない
スポンサーとか上の人たちは、歌詞を変えたがるが、書き直してヒットした試しがない。
時代と握手しないとヒットにならない。
3. 作詞家・松本隆さん
ヤバイTシャツ屋さんにインタビュー。
昭和の曲では、近藤真彦『スニーカーぶる〜す』
作詞家・松本隆は、2000曲以上の作品を提供している。
詞を作る前は星雲みたいにモヤっとしている。
タイトルを考えながらテーマを考える。
タイトルが決まると、ピントが合っていって、最後に詞になる。
『スニーカーぶる~す』
男の子にとって一番身近なのが靴であり、そこで大地と接している。
蹴ったり、歩いたり、動きが靴で出ている。
だからスニーカー、青春の象徴。
青春にもブルースがある。
高校の時にもブルーになる時、そういう意味でのブルース。
ひらがな表記っていうのは、誰が元祖かわからない。
かなり早い時点で、英語のひらがな表記を採用した「はっぴいえんど」というグループにいた。
80年代になると世間的にはダサいが、ダサいのが結構好かれた。
ダサいものも、光の当て方でカッコよく見える。
カッコよさとダサさ、ダサい自分と生身の自分。
肉体だったり魂だったり、一歩間違えたら切れて血が出ちゃう、そこまで行きたい。
波線については、ジャーニーさんかディレクターの小杉理宇造さんが変えた。
どっちでもいいと思った。
僕にとってタイトルはレッテル。
瓶に貼ってある紙で、皆んなが分かりやすければいい。
タイトルは、自分のためのものじゃない。
自分のためにあるのは詞。
瓶の中に入れたら最後、一字一句変えさせない。
湯川さんの分析
『ルビーの指輪』『赤いスイートピー』にしても、色が見える
情景と色と匂いがあるのが、最高の作品でもありタイトルである。
タイトルにおける色とは?
色がないと作ってしまう、映画色とか、春色とか。
何年か経って・・・『赤いスイートピー』って、そんな色はない
どちらかというと心象風景だから。あろうがなかろうが、どうでもいい。
当時はインターネットがなくて、大らかな時代だった。
ミッツ・マングローブの感想
薬師丸ひろ子『あなたを・もっと・知りたくて』
1985年はダイヤルからプッシュホンに変わりつつある時代
あえて点を入れることでデジタル感を出した。
男をいじけさせる歌詞もとても素晴らしいが、女性に不幸を背負わせて、甘酸っぱい結末に持っていくのも秀逸。
『木綿のハンカチーフ』に松本隆が込めた思い
カッコよくいくと、コットン。わりと、ダサく木綿。
木綿でハンカチとは、一番安くて大事なもモノ。
ハンカチーフと、一時代前の単語を使った。
全てのカッコよさ、ファッションぽさを全部はぎ取った生身の人間
都会へ旅立った彼が、時とともに変わっていき、やがて帰れないと言った彼が
「最後のわがままを言います。ねえ涙拭く木綿のハンカチーフ下さい」
相手は都会でカッコよく変わっていく、女の子は故郷に残って変わらない、その対比をしたいので、わざと『木綿のハンカチーフ』とした。
コットンのハンカチーフだと、相手に寄ってしまう。
レッテルだと言っていても、すごいこだわり。
松本先生の詞を好きな人は、詞の中の女心だったりに共感する人がたくさん
心は見えないから、大事なのは言葉と言葉の間の見えないところに、心が入っているか、入っていないか。
行間を読む、日本語の一番いいところ。
曲名で一番大切なことは?
生身の人間であり、作り物ではない。
できるだけ本物に近いリアルな少年像・少女像を描いてきた。
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曲のタイトルが先で、後から一般でも使われるようになった言葉
『なごり雪』
この歌を作ったかぐや姫の伊勢正三さんが名残の雪の「の」をとって作った言葉。春に向かって最後に降る雪のこと。
『秋桜』
昭和52年に山口百恵が歌った「秋桜」という曲。作詞作曲はさだまさし。「秋桜」を「コスモス」と読ませ、後から一般に定着した。
前回の「日本人のおなまえっ」記事はこちら(2020年4月16日)
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http://ameblo.mom/miyacar/entry-12589952157.html
では、明日。