インフルエンザ感染から4日目。
ここまで来ると既に。芙美花の熱は落ち着き、部屋着で家の中を。
「動いていないとやっぱり、しっくりこないや。」
耀司、テーブルでコーヒーブレイク中にそんな芙美花を見ながら、
「まぁなぁ~~。…って言うか、おま、今年からは受験勉強。」
そんな父に、こちらもコーヒーを作りながらの芙美花。
「うん。」
ニコニコと。
そんな笑顔の芙美花を見ての耀司。
「うん…???…随分と嬉しそうに。」
「だ~~って~~。毎日、睦美さん、来るんだも~~ん。はは。」
「まっ。確かにな~~~。」
「…ってか、おとうさん。たまには睦美さん、どっかに連れて、本当にデート~~。毎日、家の中でじゃ、つまんないでしょう~~。」
そこまで言って芙美花、キョトンと顔を傾げて、
「あ、そっか。おかあさんとのデートで行ったとこだっけ。」
耀司、コクリと。
「あぁ。睦美さんからの提案でね。その方が自然だって。まっ。そうすりゃ~~。途中で行きたいところなんて、いろいろと出て来ると思うからって。」
「な~~るほどね~~。」
すると、芙美花のスマホにラインの受信音。
「おっと、詩乃。…うん…???…あは。曲聞いた~~~。凄~~い。うんうんうん。これどうしたの…???…初めて聞くけど~~、かぁ~~。」
耀司、そんな芙美花を見て、
「うん…???」
芙美花、ニンマリしながら、
「へへへへ~~。君の街へと。詩乃に動画、送っちゃった~~。…てか、景織子と千愛にも。」
いきなり耀司、
「うそ。」
「ほんと。」
耀司、コーヒーを飲みながら、僅かに顔を傾げて、
「まぁ。うん。…でも。…何れにしても、多くの人に、聞いてもらいたいしね。」
芙美花、ニコニコと、
「うん。」
そして、芙美花、
「でもさ~~。」
「うん…???」
耀司。
「この曲、聞いてるとさ~~。なんか、聞くたびに、涙が出るんだけど。物凄い、温かくって、もの凄い、優しい。…でもって、胸にキュンと来る。でぇ~~。物凄い、大事にしたいって感じになれる。ん、だけど。」
耀司、そんな芙美花に、
「はは。うん。…確かにね~~。おとうさんは、この曲聞いて、とにかく新鮮。…って、思ったね~~。」
「新鮮。」
芙美花。
「あぁ。」
耀司。
「何か、新しい芽が芽生えるって感じで。」
「ふ~~ん~~。」
芙美花、スマホの画面に指で。
耀司、
「さて。そろそろやるか~~。」
芙美花、
「あん。うん。あ。お昼、私、作るから。睦美さんにもそう言ってあるから。夕食と、明日の朝食の作り置きだけお願いって。」
耀司、
「おぅ。」
汐梨が高井戸家に来れなくなっている1週間。
逆に睦美、耀司との結婚の決意をして以来、嬉しそうに高井戸家に毎日。
玄関を開けると、待ち構えているバセット。そしてスキンシップ。いつも通りに睦美に甘えるバセット。
そんなバセットを愛らしく抱き締める睦美。
「ん~~~。バセット~~。あはははは。可愛い~~。」
ただ、極力、芙美花の出入りは、トイレ。そして風呂は耀司が入った後。
そして、キッチンにも可能な限り控えるように。
そして…、芙美花の部屋に入るときはとにかく、感染対策。マスクとグローブは必須。
芙美花もそれを徹底している。
実に。インフルエンザに罹患している家庭に何故他人が出入り出来る…???
…と、いう事になるからである。いつも、朝と午後には見掛ける芙美花の姿がない。
それに、高井戸家に出入りする若い女性。つまりは近所の目がある。
しかも、いつものバセットの散歩に芙美花の姿がない。
結局、耀司、近所のおばさんから尋ねられて、
「いや~~。芙美花、今、インフルで。1週間、学校、休みなんすよ~~。…で、僕がバセットの散歩に。」
「あらまぁ~~。芙美花ちゃん、インフル。いやいやいや。お大事に~~。今、流行ってるらしいものね~~。うんうんうん。高井戸さんも気を付けて~~。」
と、なるが、実に、このやり取りだけでも、おばちゃん界隈では、
なにやら、想像が…、膨らむので、ある。
そして…。
遂に、インフルエンザ罹患より1週間。高井戸家、木守家同様に、待機期間終了。
既に、汐梨が、翌日から高井戸家に出入り解禁となる日に睦美にライン。
…と、言うより、結婚の決意が決まった日から、睦美は既に汐梨にはラインと電話で。
それからである、耀司とのラインと電話より、
汐梨とのラインと電話の方が格段に時間は長くなっていた。
睦美、インターホンから汐梨の声。
「あは。」
そして、相変わらずのバセットとのスキンシップでリビングに。
汐梨、キッチンから睦美に。
「は~~い。睦美さ~~ん。」
睦美もそんな汐梨の体を受け止めて、
「汐梨さ~~ん。」
汐梨、抱き締めながらも、
「おめでとう~~。」
睦美、その声に、
「あは。ありがとうございま~~す。」
汐梨、ニコニコと、
「うんうんうん。」

ママでいい…。 vol,324. 「この曲、聞いてるとさ~~。なんか、聞くたびに、涙が出るんだけど。」
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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。