「しっかし…、いい天気だね~~。ははは。…それに、しっかりと…。暑いし。」
優維香。
「でも…、まっ。時折吹く風が…、良いんだけどね~~。暑い中での冷やし中華。うんうんうん。最高~~。かかかか。」
布巾を持ちながらキッチンに。
「後は、エアコンの効いているリビングで、寝るだけか~~。ってか~~。」
食器を拭いている伊寿美。優維香に。
優維香、コクリと、
「イェス。」
「伊寿美ちゃんは、これから…。」
佐津香、ニタニタと笑いながら、
「しっかり…、旦那様と~~。将来の~~。」
その声に伊寿美、
「ん~~~。まぁね~~。なんだ、かんだ…。ありまして…。」
「…って言うかさ~~。将来の旦那様…って、凄いよね。3人姉妹の、その下の…。末っ子…って…。…で、もって、完璧に、お婿さん。婿養子。」
優維香。
「私だって、びっくりしたくらいだもん。うそ~~~って。上に3人のお姉さんがいるのよ。有り得ないでしょ、普通。」
佐津香、何かしら可笑しそうに…。
優維香も、舌を出して、
「確かに。…しかも…、物すんごい控えめ。…でもあり、物すんごい家庭的。まっ。確かに。イケメン…、的な感じじゃないんだけど~~。私も、彼って、好印象、あるわね~~。」
椅子に座って、両手人差し指と親指で布巾の両端を摘まみながらもヒラヒラと。
そしてテーブルに奇麗に正方形にして、それを…。
佐津香、
「へっ…???…そうなの…???」
佐津香も伊寿美を見て…。
食器を拭きながら伊寿美、
「ふん。まっ。」
佐津香を見て、
「私…、個人的にも…。」
そう言いながら照れるような、変顔のような…、
「私って…、あんま…。イケメンって…、ダメなのよね。」
佐津香、目をパチクリとさせて、
「あら。」
「うん。何て…言うかぁ~~。」
優維香、布巾を奇麗に畳んで、また広げて、
「素の自分ではいられない。…そうでございます。」
佐津香、後ろのその声に、
「あらまぁ~~。うそ…???…そうなの…???」
口を尖らせながら…。
伊寿美、下唇をビロンと。そして顔をチョコンと上に、
「そお。」
その声に佐津香、何かしら気の毒なような顔をして、
「えへ~~~???…うそうそ。そんな風に見えないんですけど~~。伊寿美ちゃん、こんなに可愛いのに~~。芸能界にスカウトされてもいいくらいに。」
間髪入れずに伊寿美、
「な~~に言ってるの~~おばさ~~ん。」
いきなり佐津香、
「へっ…???」
「それを言うんなら~~、優維香だって~~。…って言うか、優維香の方が私より~~。」
「はい…???」
いきなり優維香、
「それ言うんだったら、伊寿美、自分で可愛いって言ってるようなもんじゃ~~ん。かかかかか。」
「高校時代なんて、私より、優維香の方が男子にモテて。」
「へっ…???…そうだったの…???」
そこまで言って、佐津香、ニンマリとさせて、
「うっそ~~。優維が~~。」
そして右手で招き猫、
「うそばっか~~。母親の私には何も。」
「おかあさん。自分の親に、そういう事、言う…???…普通~~。」
また布巾をヒラヒラと。
「…ってか、優維香だって、そんな風に言ったら、自分を可愛いって言ってるようなもんじゃ~~ん。」
伊寿美。
佐津香、
「あら。」
そして佐津香、口を噤んで、目を右上に。
「まっ。…と、言う事は~~。ふたり、共に可愛いって事で。親としては、嬉しい限り。」
「まっ。でも…、伊寿美にしては、彼氏は背の高い方が、断然好きって言ってるしね~~。」
佐津香、
「あら。そうなの…???」
伊寿美、頷いて、
「うん。」
「でぇ~~。彼氏。将来の婿殿の岳燈(がくと)君。同い年だよね~伊寿美~~。」
その声に伊寿美、
「うん。はい、おしま~~い。」
佐津香、
「サ~~ンキュ~~。」
「でぇ~~。」
優維香、
「身長~175センチ~~。まっ。私らよりは、背は高い。」
佐津香、
「へぇ~~。…ってか、伊寿美ちゃんって、身長…???」
「あ、うん。私は160ちょっと。」
「…と、言う事は、15センチは高いと…。」
優維香、
「そぅそぅそぅ。」
「へぇ~~。一度会ってみた~~い、おばさ~~ん。」
優維香、ニッコリと、
「うん。もしかして、おかあさんも気に入りそうな感じ。全然自分を飾ったりしない人だから…。まっ。保険の外交員が自分を飾ったら仕事、なんないか…。ねっ。伊寿美~~。」
「まね~~~。」
伊寿美、ニコニコと。
佐津香、
「そっか~~。伊寿美ちゃんは、しっかりと。将来の旦那様。…まっ。周りを楽しくさせてくれる人ならおばさんも嬉しい。」
優維香、
「うんうんうん。おかあさん、それ~~~。なんだか、いるだけで周りがポワ~~ンとするタイプ~~。かかかかか。ねぇ~~伊寿美~~。」
伊寿美、その話に照れながらも。
「まっ。そういうトコが…、いいんだけど…。」
佐津香、
「おっと~~。お惚気~~。はははは。」

好きになれない。 vol,002. 「将来の旦那様」
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