聴けよ汝ら! 現世は遊びなり、戯れごとなり、虚飾なり(コーラン57:20) | 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ

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「はじめに言葉ありき」というヨハネの福音書
の有名な冒頭があります。

これを英語で読むと(King James Version)

1 In the beginning was the Word, and the Word was with God, and the Word was God.
(初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。)

冒頭の「はじめに言葉ありき」だけを抜き出しましょう。

In the beginning was the Word,

was the Wordは倒置ですね。




ロゼッタ・ストーン方式に分解すれば、

はじめに the beginning
あった  was
言    The Word

です。

英語と日本語でそれほどニュアンスが変わりません。強いて言えば、WordのWが大文字(Capital)で神なりイエスを表しているくらいです。



*ロゼッタ・ストーンは同じ勅令をヒエログリフを含めた3つの言葉で書き並べてありました。そのおかげで謎であったヒエログリフが解読されました。


ところがラテン語となると、ニュアンスが変わってきます。

in principio erat Verbum et Verbum erat apud Deum et Deus erat Verbum.



冒頭の「はじめに言葉ありき」だけを並べてみます(Vは[w]と読みます)

in principio erat Verbum(イン プリンキピオー エラット ウェルブン)

In the beginning was the Word

そうすると、

the beginning ⇔ principio(プリンキピオ)

the Word ⇔ Verbum(ウェルブン)

であることに気付きます。eratはBe動詞であり、wasと対応します。

principioだとPrincipleなどを連想させます。原理という感じです。

近代科学を産んだ名著であるニュートンの主著がプリンキピア・マテマティカです。
『自然哲学の数学的諸原理』ですね。マテマティカがMathmatics(数学)ですので、プリンキピア・マテマティカで数学的諸原理と訳されます。


*近代科学を産んだニュートンの「プリンキピア・マテマティカ(自然哲学の数学的諸原理)」。


これをより原典に近くギリシャ語で観ると、

Ἐν ἀρχῇ ἦν ὁ Λόγος, καὶ ὁ Λόγος ἦν πρὸς τὸν Θεόν, καὶ Θεὸς ἦν ὁ Λόγος.

となります。

これを同様に「はじめに言葉ありき」だけを抜くと、

Ἐν ἀρχῇ ἦν ὁ Λόγος
(エン アルケー エン ホー ロゴス)


Principio(プリンキピオ)がἀρχῇ(アルケー)に化けています(いや、もともとがそうなんですが)。


アルケーと言えば、ギリシャ哲学においては最重要の言葉の一つです。

万物の根源とか、根本的原理を指しますが、我々の物理学で言えば、クォークであり、超弦(Super strings)です。
仏教で言えば「空」ですね。

ですので、伝言ゲームによって、アルケーがプリンキピオになり、プリンキピオがBeggingになり、Beggingが「はじめに」になってしまったのです。


アルケー(万物の原理) →プリンキピオ(原理) → 原初(Begging) → はじめに


です。

ちょっと意味が落ちすぎていますね。伝言ゲームってそんなものです。


逆に遡るといろいろと面白いです。


唐突にギリシャ語からは大変ですが、日本語で理解してから、飛び石のように英語、ラテン語、ギリシャ語とホップ・ステップ・ジャンプすると、ギリシャ語がちょっと見えてきます。

で、本稿のポイントは伝言ゲームは劣化するということではなく、いろいろ混ぜて学ぶと楽しいし、加速学習できるよね、ということです。


たとえば「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」と「万物流転」は無常をあらわします。
無常とは常ならずということです。万物は流転して同じ状態は二度と無いのです。
数学の複雑性や組み合わせ爆発を考えると、熱力学のエントロピーというのが純粋に数学からみちびかれることが分かります。無常も万物流転も同様です。

生命科学の代謝は、ヘラクレイトスの「あなたは、同じ川に2度入ることはできない」を思わせます。
我々は自分の身体をつい不変的な存在と思いがちですが、微視的に見れば、流れる川と同じようにその構成要素はどんどん変わっていきます。いま身体を構成していた炭素は気付いたら、呼気として吐き出されています。飲んだコーヒーは湖にこぼしたミルクのように全身に広がっていきます。



*コーヒーにミルクを入れると、ミルクはゆっくりとコーヒーに溶けていき、エントロピーは拡大します。
覆水盆に返らずで、コーヒーに落としたミルクはもはや取り出せません(それを取り出せると主張するのがマクスウェルの魔でした)。
では、そのミルクコーヒーをブラックホールに落としたら、増えたエントロピーは再びゼロになるのか?(ブラックホールは絶対零度の完全秩序です)
という問題意識がブラックホールの熱力学につながります(そしてこの一休さんの頓知のような問題意識は恐るべき結論に達します、、、ブラックホールは黒くなく、ブラックホールは温度を持ち、ブラックホールは蒸発する、、、、)。



「同じ川に二度入ることはできない」も同様です。先程と同じ川に入っているように思えても、脚に触れる冷たい水は先程の水と同じではありえません。川だけではなく、自分の身体も川の水分子のようにどんどん流れて、どんどん代わっていっています。川も身体も全く別の組み合わせなのです。
それが無常ということです。

ムハンマドが(もしくはアッラーが)「聴けよ汝ら! 現世は遊びなり、戯れごとなり、虚飾なり」というとき、それは無常について語っています。

これに続けて仏典を並べても、同じ一つの言葉かのようです。

キリスト教を学びながら、ユダヤ教を学び、ユダヤ教を学びながら、イスラームを学び、アブラハムの宗教を学びながら、グノーシスを学び、グノーシスからゾロアスターを覗くと不思議と重なり面白い光景が見えてきます。

邪道かもしれませんが、邪(よこしま)は楽しいのです。


自分のWant toに従って、つまみ食いしながら、気楽にふわっと学び続けましょう。

オンラインメンターのメンバーの多くが「IQを上げたい」「教養を身に着けたい」「リベラルアーツを身に着けたい」と言います。

でもお勉強よりも強いのは、遊ぶように学ぶことです。好奇心が最大の原動力になります。
好奇心の赴くままに幼子のごとく見るもの聴くものに純粋は喜びを持つことです。



知識が増え、教養が増え、いままで見えなかった世界が見えることは喜びです。

知識が増えて、理論が充実することで、自分の内的世界が広がっていきます。世界が広がるのです。見えてくるものが変わってきます(寺子屋「ラテン語」でもやりましたが、ラテン語をちょっとでも学ぶと、古い古い死語と思われたラテン語が生き生きと現代に生きていることに気付かされます。昨日までの世界と異なる光景が目の前に広がります)。


楽しく学びましょう!!
楽しんで学べば、その過程も楽しく、その禁断の果実も美味しいものです!





【書籍紹介】
イスラームについてはいつかきちんと寺子屋で開講したいと思っています。

その前にABC予想についても是非!!


a + b = c
を満たす、互いに素な自然数の組 (a, b, c) に対し、積 abc の互いに異なる素因数の積を d と表す。このとき、任意の ε > 0 に対して、

c > d^1+ε
を満たす組 (a, b, c) は高々有限個しか存在しないであろうか?



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とは言え、クルアーンはまずは声であるべきです。
いやチベット密教も、キリスト教も、仏教も同じです。
まずは唱えられる声があり、それから意味が立ち上がります。




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