ロダンとは近代彫刻の父のあのロダンです。
「考える人」のロダンです。

*ご承知のとおり、「考える人」とはロダンの命名ではなく、鋳造者の命名。
でも小林秀雄の「考えるヒント」が編集者がつけたものであるのと同様、そのタイトルの命名こそが命であり、「考えるヒント」も「考える人」もそのシンプルとダイレクトさがヒットの源泉ではないかと思います。本来は「詩人」もしくは「ダンテ」です。でもいまほどのインパクトが無いかもしれません。
*ちなみに反転すると、、、(冗談ですw)

*ただ、、言葉は力を持ちます。自分が発した言葉、自分の呪詛が自分を苦しめます。子供の火遊びのつもりで、いつでも燃え上がった情念の炎を消せるつもりなのでしょうが、燃え広がりすぎると消せなくなります。それは自分を苦しめ、自分の大切な人を苦しめ、そしてあちら側の真っ暗な世界がぽっかり口を開けて待つことになります。子供の火遊びが放火にならないように、それも自分の魂の住処である心と身体に対するひどい放火にならないように祈っています。
*官能的です。
ロダンの作品が好きな人にとっては(多くの人が魅了されていると思いますが)、垂涎(すいぜん)の映画な気がします。美術館で画集で観てきた作品達の創作の過程に、フィクションとは言え、立ち会えるのですから。
僕はダナイデス(Danaid)が好きで、小さなレプリカを書棚に置いていました。
石から生まれ出づるような作品です。

*ダナイデスはロダンの愛弟子のカミーユがモデルとされます。
未完の大作である地獄門(考える人がTopにいる作品ですね)の創作過程も、バルザックの創作過程もリアルタイムで追えるような臨場感があります。
(腕を落とした作品を観た人が「未完成に見える」と言うと、ロダンは「木は完成するか?」と問います)
映画としての評価は分かりませんが、ロダンのファンならとても楽しい映画だと思います。
その映画の中でロダンがセザンヌを励ますシーンがあります。

*あのセザンヌですw
*近代絵画の父のセザンヌです。
*この映画には若きリルケも出てきて、その軽さに感動します(いや、映画なのですが、、)。
(リルケについては大昔に話題にしました。若き詩人への手紙の紹介ですね)
全く評価されないセザンヌが腐っているところで、老賢者のようなロダンが声をかけます。
「他人の意見など聞かず、創り続けなさい」と。
「私も40歳までは無視された」(ロダンは何度挑戦してもアカデミーにも受からず、評価もされず、デビューは35歳で、生涯酷評されました)。
そして「美は作業の中に宿る」と言います。
ロダンの周囲にはのちの偉大なアーティストが群がっています。
そしてお互いに不遇をかこつつつも、励まし合っています。
ロダンがセザンヌを導く様に、アインシュタインが若きハイゼンベルクを励まし、アイデアを提供する様を思い出しました。振り返れば奴(プラトン)がいるw、、、、アインシュタイン、お前もか、、 2016-05-19

*ロダンの弟子にして愛人であったとされるカミーユ・クローデル。出会ったのはロダン42歳、カミーユ19歳。関係は15年に及びます。優柔不断なロダンは内縁の妻ローズとの三角関係に悩み、そしてそれが映画となっています。
*彼女を有名にしたのは弟ポールの孫娘でした。彼女に言わせると、カミーユはロダンを愛したとは思わないそうです。その作品を愛した、と。(参照NHKドキュメンタリー)
以前、紹介したパガニーニもそうですが、ロダンもいつもフォーカスしているのは作品です。
女性を抱いているときすらも。
彼は極度の近眼で(それで兵役を免除されています)、観る以上に触ったそうです。
映画の中で、女性の裸体の非常に官能的な作品を楽しみながら、「愛撫とキスで作られたようだ」とつぶやくシーンがあります。弟子であり、愛人であったカミーユと共に。
そして「これはギリシャ人にしか作れない」とも言います。
女性を愛撫しキスする中で、彼の彫刻のデッサンは着々と頭にストックされたのではないかと勘ぐりたくなります。それほどまでに作品にフォーカスされていたのではと思わされます。
ちょっと脱線すると、あまり適当なたとえではないかもしれませんが、、、、たとえば映画「アマデウス」においても、恋人のコンスタンツェとじゃれ合っているときに、演奏された音楽を聞いた瞬間にこれは自分の音楽だ気付いてとあわてて指揮に戻るシーンがあります。恋愛よりもいつも芸術が優先されます。パガニーニもモーツアルトもロダンも(たぶん)。
意識はある瞬間には一つのことにしか集中できないわけで(無意識は別です)、その場合どれだけの深さで、どれだけの時間、集中したかが重要になります。
「集中」というと、違うニュアンスが入ってくるので、Focus of attentionのほうがしっくりきます。
どこを見ているか、ということです。
美は作業の過程の中であらわれてくるのであり、気功も加速学習もヒーリングもすべて同じだと思います。
Mozartが晩年(死の三年前)にこう手紙に書いているそうです。

「ヨーロッパ中の宮廷を周遊していた小さな男の子だった頃から、特別な才能の持ち主だと、同じことを言われ続けています。目隠しをされて演奏させられたこともありますし、ありとあらゆる試験をやらされました。こうしたことは、長い時間かけて練習すれば、簡単にできるようになります。ぼくが幸運に恵まれていることは認めますが、作曲はまるっきり別の問題です。長年にわたって、僕ほど作曲に長い時間と膨大な思考を注いできた人は他には一人もいません。有名な巨匠の作品はすべて念入りに研究しました。作曲家であるということは精力的な思考と何時間にも及ぶ努力を意味するのです。」
「長年にわたって、僕ほど作曲に長い時間と膨大な思考を注いできた人は他には一人もいません」
このセリフはピカソを思わせます。
僕ほどデッサンをした人はいない、と彼は言います。
「作曲家であるということは精力的な思考と何時間にも及ぶ努力を意味するのです」
同様に言ってよければ、ヒーラーであるということは、精力的な思考と何時間にも及ぶ努力を意味するのです。人の命や人生を預かる以上は、その覚悟と実践が必要でしょう。
【著作紹介】
ふらっと入った紀伊国屋書店でジャケ買いしてしまいました(『桐島、湯切りやめるってよ』は収録作品の一つ)
ネットで話題になっていたのは見ていたのですが、面白すぎます!!
一気に読破する面白さです。
もう、なんというか天才だなーと思いながら、読みました。
声帯模写ならぬ、文体模写。
それぞれの文豪というか作家さんの作品を読んでいた時期の記憶がよみがえりました。
こういう遊びを本気でやると、本当に力がつくだろうなーと勝手に思いました。
(それをパウロは「イエス・キリストを着なさい」(ロマ書)と言いました)。
もし文豪たちがカップ焼きそばの 作り方を書いたら 青のりMAX/宝島社

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とは言え、これってそれぞれの文豪の文章を知らないと何も面白くないのでは、、、とも思いました。この本が累計15万部というのは悪くないことです。
ヒーリングの世界もそうですし、美学の世界もそうですが、知れば知るほど、様々な領域が有機的につながってきて、楽しさが幾何級数的に増えてきます。
メンターの受講生とも少し話題になったのですが、音楽から美術、美術から建築、建築から文化や宗教、哲学などの時代に応じた変遷を見ていくと、すべてが有機的につながり、バラバラに見えた縦糸と横糸が編み込まれて壮大なタペストリーが広がります。
楽しいです!
というわけで、美学に関してはまとめ記事がありますので、そこから飛んでください!!
本日開催!美学集中講座!音楽編のまとめ記事&今後の予定と展望など! 2015-08-09
ちなみにロゴスやエコーについては、こちらを。
気功技術「Echo(エコー)」とは音と光が響き渡る大聖堂のごとく 2016-03-10
ちなみに生まれて3日でalphaGoを倒したalphaGoZeroの話もしたかったのですが、別な機会に。
すごいですし、楽しいですね。
ポイントは「AI、もう人間いらないってよ」ということです。
alphaGoは人間のデータ(記譜)を最初に食わせました、Zeroは人間のデータを一切使わずに進化しました。
One more thing!
受講生からギリシャ神話について良い文献はありますか?と聞いていただいたので、こちらをおすすめします!
最初に読む本としては最高です!
ギリシア神話を知っていますか (新潮文庫)/新潮社

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その上で我田引水ながら、「まといのば」の過去記事もおすすめします。
いまよりのち、お前たちは暗闇の中にあれ!もう誰の姿も見てはならぬ。 2014-01-02
抽象観念を恐れることはない、最初はすべてを理解しようとしないで、小説を読むように進みなさい 2013-12-07
もちろん寺子屋「はじめてのギリシャ神話」もおすすめです!!