しかしある程度尊厳ある人間らしい生活をしようと思えば、圧倒的な加速学習の積み重ねは不可欠です。そしてそれは衣食住が満ち足りたかつての「楽園」に住んでいる我々の最後の禁断の実です。
我々は不況で厳しい生活を強いられてると考えますが、ついさきほど王様が死んだとされる隣の国からすれば日本という国は楽園でしかありません。
もちろんその禁断の実を食べると「楽園」からは追放されます。それは無知と心地よい洗脳の楽園からの追放です。映画マトリックスにおける覚醒と同じです。ついでに「カントールの楽園」(ヒルベルト)からも追放されましょう。
我々はどうしても下から積み上げるという考え方に慣れさせすぎています。これは最悪です。
下から上がるのではなく、上から降りてくるしか、学びはありえないと思って下さい。
レンガを積み上げているとレンガ自身のアルゴリズムによって、立派なお城が組み上がる・・・はずもありません。構造主義は間違っていたのです。まず設計図が必要であり、青写真が必要なのです。我々の馴染み深い言葉で言えばゴールです。ゴールの臨場感が重要です。
ゴールとは定義上未来であり、定義上抽象度が高い情報です。それを体感することで我々は学び始めます。
学校のお勉強が退屈なのは全体像を見せないからです。
だから賢い子は教科書をもらうと即日全部読み終わります。教科書など小学生であっても午後の時間で読み終わることが可能です。そうすると教科書という情報空間のゲシュタルトができます。できれば数年先の教科書まで見れば最高です。教科書を読み終わった子どもには大百科とか辞典を豊富に渡しておけば勝手に読破していきます。ゲームがゴミに思えるほど、知的興奮というのは計り知れません。
大学受験の勉強のときに進学校では高校1年生でも入試問題を先に見せるのと同じです。見せるというか解かせます。それも国立大学レベルの問題を解かせます。意外と高校1年生でも解けます。そんなに難しいことを大学入試では問わないからです。ちなみに、中途半端な私立大学だと問題がおかしなことがあります。IQの低い問題は高校生の脳を混乱させます。
ゴールを見ておけば、いま自分がどこにいるか分かります。ゴールは地図になるのです。なぜこれを覚えなければいけないのかが、リアルに分かります。教師から「大事から覚えろ」と言われても、第一にその「大事」に臨場感がないと重要性がわかない、第二にその教師に対する信頼がないことがある、第三に2つをクリアしても無意識なり脳は納得しないので、結局have toになり、IQが下がる、という結果になります。
逆に入試問題なり、教科書を全部読んでおけば、全体像ができ、ゴールが見え、重要性関数ができるので、退屈な勉強が楽しい塗り絵のようになるのです(なるとすればですが)。
僕自身は長年子どもの教育に携わってきた経験から言えば(と言っても前職なので10年ほど前になりますが)、子どもの学力低下の理由は(低下しているとすればですが、していないと思いますが)教材なりカリキュラムが易しすぎることにあると思います。
もっと高度な内容を大量に詰め込むと子どもは勝手に学習モードに入ります。つまらないことをダラダラと薄めて話すから、子どもは退屈するのです。テレビやテレビゲームに対する猛烈な集中力を見れば、彼らの潜在能力は分かると思います。100年、200年と変わらない教育システムを使っていることが問題なのです。
とは言え、じゃあシュタイナーなり、モンテッソーリが良いのかと言えば、それも不明です。ただ従来の教育システムよりはましかもしれないという可能性があるだけでしょう。シュタイナー教育が輩出したのはミヒャエル・エンデ、モンテッソーリはGoogle創業者の二人でしょうか(他のアマゾン創業者もWikipedeiaの創業者も、そしてドラッカーまでがそうです)。もちろん従来の教育からも優秀な人間はたくさん出ています。
ただバレエも基本が大事と(もちろん大事ですが)言われすぎて、つい下から積み上げる癖が僕らにはあります。一歩一歩積み上げてもゴールが無ければ何もありません。
間違ったところにハシゴをかければ、どれほど素早く登っても間違ったところにいち早く到達するだけです。まずはゴールを、まずは全体像を正確に見ましょう。
3つのコツとは、ゲシュタルト、ゴール、臨場感です。
【書籍紹介】
シュタイナー教育を受けたピータードラッカーの本で紹介するとしたらこの本でしょう。
我々は古典を難しい顔をして読まねばと思いますが、手が付けば何でもOKです。漫画でも小説でもテレビ番組でも良いと思います。気楽に読めて、ゲシュタルトが頭にできるのであればスタートとしてはOKです。この本はiPhoneアプリにもなっています。そちらでもすぐに読めます。
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら/岩崎 夏海

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シュタイナーは完全にオカルトですが、面白いことも事実です。シュタイナーで紹介した本はこの次に紹介します。シュタイナー教育に関しては、臨場感をもって味わえるのは以下の本です。
シュタイナーの理論はともかくどのような教育をしているかは堪能できます。
僕自身はこの教育を受けなくて良かったと思っています。
ミュンヘンの小学生―娘が学んだシュタイナー学校 (中公新書 (416))/子安 美知子

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続編です。
ミュンヘンの中学生―シュタイナー学校の教室から/子安 美知子

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シュタイナーで面白いと僕が思うのはこの一冊。
現代哲学の存在論と情報空間、情報場ということをしっかり認識し、臨場感を持った上で、シュタイナーの世界を翻訳しながら読むと良い本。そうでないとシュタイナーワールドに取り込まれてしまいます。
ヒーラーなり、マスターへの段階的な成長の方法が書かれています。1つの事例として面白いかと。
いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか (ちくま学芸文庫)/ルドルフ シュタイナー

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数多くのGoogle本をゴミ箱行きにしてしまったのがこのインサイダー本です。非常に赤裸々に書かれています。アップルも真っ青な(言い過ぎでしょうか)秘密主義のGoogleがここまで赤裸々に書かせたのはすごいと思います。
なぜここで紹介しているかと言えば、モンテッソーリ教育の成果がふんだんに書かれているからです。二人の創業者の変人っぷりは(Crazy onesに通じますね)、モンテッソーリによるものが大きいようです。
ちなみに、投資家から「大人のCEO」を決めるように言われた二人が最初に選んだのはこの人(シュミットではありません)。
グーグル ネット覇者の真実 追われる立場から追う立場へ/スティーブン・レヴィ

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投資家から「大人のCEO」を選ぶように言われて、ブリンとペイジが選んだのはこの人。
スティーブ・ジョブズ。
面白すぎますブリンとペイジ。しかし彼らが脳内コンピュータで計算した結果はジョブズでした(pp.121-122)。
ジョブズについては様々な評伝が出ていますが、一冊を選べと言われれば迷うこと無くこちらの一冊。
Steve Jobs/Walter Isaacson

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英語がきついときはこの2冊。
実際にこの自伝はきわめてフェアに書かれていて、これまでの伝説の多くが覆されると思います。
スティーブ・ジョブズ I・IIセット/ウォルター・アイザクソン

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最初に紹介したマトリックスについてです。マトリックス世界から出た世界もマトリックス世界というのが現代の我々のリアリティです。
マトリックス 特別版 [DVD]/キアヌ・リーブス,ローレンス・フィッシュバーン,キャリー=アン・モス

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「何人もカントールの楽園から我々を追放できない」と言ったのはヒルベルトでしたが、カントールの対角線論法を使ってゲーデルが追放させています。そのあたりを楽しく学ぶのは(繰り返し紹介して恐縮ですが)こちらの本。噛めば噛むほど味わい深い本です。かつて苫米地先生が紹介した書籍の内の一冊です。
無限論の教室 (講談社現代新書)/野矢 茂樹

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最後に学力低下についてはこちら。
学力低下は錯覚である/神永 正博

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