ジスキネジアとゾルピデム
過去に転院してきた患者さんにジスキネジアに対してゾルピデムが処方されていたことが何回かあった。今日はジスキネジアに対してゾルピデムは治療的なのか?と言う話。
ゾルピデム(マイスリー)は今では旧来の眠剤であるが、かつて世界で最も処方件数が多かった。ゾルピデムはω1特異的間接GABA-A受容体アゴニストで、この作用が大脳基底核や視床皮質回路に影響し、異常な運動出力を抑制するようなのである。(推測の域)
この作用により抗精神病薬による遅発性ジスキネジア、パーキンソン病によるジスキネジア、脳の損傷後の不随意運動に有効だったと言う報告がある。(症例報告レベルであるが)
ただしジスキネジアに対するゾルピデムの欠点は、服用後30分から1時間で効いたとしても、数時間で効果がなくなるなど持続性に問題があること。また個人差も大きく、効果を実感する人とそうではない人がいる。また逆に悪化させることもあるらしい。
また、最も大きな問題点は、ゾルピデムは眠剤であることであろう。(眠いこと)
逆説的だが、ゾルピデムは眠剤であるために適応外処方しやすいことはあると思う。
現在、抗精神病薬による遅発性ジスキネジアにはジスバルが処方される。以下は過去ログである。
そもそもゾルピデムがジスキネジア、あるいはジストニアに有効だったと言う報告はジスバル発売前のことである。
ジスバルの方がゾルピデムよりジスキネジアに圧倒的に効くので、もはやゾルピデムは化石のような適応外処方と言って良い。
その処方が今もなお残っているのであろう。だからこそ患者さんにその目的で処方されていたのである。(実際、患者さんがそう言っている)
少なくともベンゾジアゼピン系眠剤はジスキネジアやジストニアに対し多少は緩和する方向に作用するイメージはある。つまり本人の違和感というかギクシャク感を緩和する。周囲から見てわからないレベルである。
過去ログにはこのことに言及した記事もある。
つまりだが、このような患者さんにはベンゾジアゼピン系の眠剤からデエビゴなどの新規眠剤に変更する際、一応の注意を要すると言ったところである。
