認知症など精神疾患に合併する身体疾患の治療について
重い認知症になっていなくても、細かい判断力が弱まると、日常生活では困ることが多くなる。
例えば、訪問販売などで悪質な業者に押し切られてしまうなどである。このレベルの人でも、買い物に行き、食料品を買うとか、料理をするなどの日常生活は無難にできていることも多い。
近年、オレオレ詐欺などで、うっかり騙されて大金を振り込んでしまう高齢者がいるが、認知症と診断できないレベルで、判断力や注意力が弱まっていることも大きい。
盗みなどの犯罪者でも、高齢者のなけなしの現金を盗むのは、下の下と言える。別に、高額所得者の金品を盗むのがマシとも言えないが、いわゆる世間一般の感覚である。
認知症で単身者の場合、内科、外科合併症の内容により、望ましい処遇が決まることを挙げたい。
例えば、軽い認知症で、糖尿病の合併症のためにインスリンの注射が必要な人は、病院ないし施設に入らないとコントロールができない。従って、認知症がそこまで重くなくても家庭では生活できないのである。
毎日必ず飲まなければならない薬がある認知症の人は、介護保険の訪問のサービスでなんとかなることも多いが、インスリンの注射は毎食のことであり、入所ないし入院してもらった方が遥かに周囲の人は楽である。
その理由は、そのような人たちは、食事、おやつの管理も難しいというのもある。
もともと糖尿病の治療をするかどうかは個人の自由であり、人によれば美味しいものも一切食べられないなら、生きている意味がないと思う人もいるかもしれない。精神が健康で正常な判断ができる人なら、それで良いというのが一般的な感覚である。それは癌の手術が任意であることも見てもわかる。
しかし、精神が正常とは言い難い状況だと、同じように簡単に判断できない。
このような際に、認知症では周囲の者にも理解が得られやすいが、精神病状態や著しく判断力が偏っているか、損なわれている状態の場合、周囲の援助が難しいことがある。
それは、エホバの証人輸血拒否事件を見てもわかる。これは1992年に起こっており、東大付属病院の医師が、本人の了解を得ず、輸血したことで訴えられたのである。この事件は最高裁まで争われ、インフォームド・コンセントを怠ったという理由で病院側が負けている。
精神病患者で身体疾患のため、手術さえすれば比較的容易に死を免れると言うケースがある。たとえば、絞扼性イレウスなどである。また、横紋筋融解症による透析などもそうである。
このような際に内科ないし外科的医療の必要性を説明しても家族が頑として応じない場合、医療者から見て、「この家族には未必の殺意がある」とみなされてもやむを得ない。
このようなことは滅多にないが、精神科医師は難しい状況に置かれることがあるのである。
参考
患者さんの家族は
全く帰る家がない人
例えば、訪問販売などで悪質な業者に押し切られてしまうなどである。このレベルの人でも、買い物に行き、食料品を買うとか、料理をするなどの日常生活は無難にできていることも多い。
近年、オレオレ詐欺などで、うっかり騙されて大金を振り込んでしまう高齢者がいるが、認知症と診断できないレベルで、判断力や注意力が弱まっていることも大きい。
盗みなどの犯罪者でも、高齢者のなけなしの現金を盗むのは、下の下と言える。別に、高額所得者の金品を盗むのがマシとも言えないが、いわゆる世間一般の感覚である。
認知症で単身者の場合、内科、外科合併症の内容により、望ましい処遇が決まることを挙げたい。
例えば、軽い認知症で、糖尿病の合併症のためにインスリンの注射が必要な人は、病院ないし施設に入らないとコントロールができない。従って、認知症がそこまで重くなくても家庭では生活できないのである。
毎日必ず飲まなければならない薬がある認知症の人は、介護保険の訪問のサービスでなんとかなることも多いが、インスリンの注射は毎食のことであり、入所ないし入院してもらった方が遥かに周囲の人は楽である。
その理由は、そのような人たちは、食事、おやつの管理も難しいというのもある。
もともと糖尿病の治療をするかどうかは個人の自由であり、人によれば美味しいものも一切食べられないなら、生きている意味がないと思う人もいるかもしれない。精神が健康で正常な判断ができる人なら、それで良いというのが一般的な感覚である。それは癌の手術が任意であることも見てもわかる。
しかし、精神が正常とは言い難い状況だと、同じように簡単に判断できない。
このような際に、認知症では周囲の者にも理解が得られやすいが、精神病状態や著しく判断力が偏っているか、損なわれている状態の場合、周囲の援助が難しいことがある。
それは、エホバの証人輸血拒否事件を見てもわかる。これは1992年に起こっており、東大付属病院の医師が、本人の了解を得ず、輸血したことで訴えられたのである。この事件は最高裁まで争われ、インフォームド・コンセントを怠ったという理由で病院側が負けている。
精神病患者で身体疾患のため、手術さえすれば比較的容易に死を免れると言うケースがある。たとえば、絞扼性イレウスなどである。また、横紋筋融解症による透析などもそうである。
このような際に内科ないし外科的医療の必要性を説明しても家族が頑として応じない場合、医療者から見て、「この家族には未必の殺意がある」とみなされてもやむを得ない。
このようなことは滅多にないが、精神科医師は難しい状況に置かれることがあるのである。
参考
患者さんの家族は
全く帰る家がない人