リスパダールコンスタとネオペリドール&フルデカシン
ある高齢の統合失調症の患者さんの病状が悪化し、食事は摂らない、風呂には入らない、服薬はしない、注射も受けさせない状況に至った。(緊張病症候群)
この患者さんは経験的にコントミンを筋注すれば良くなるのは良くなるのであるが、かなり時間がかかる上に、日々、筋注するのに戦争になる。これは看護師さんが大変なだけである。食事を摂らないので、点滴をしたいがそれだけでも大変な仕事であった。
しかも・・彼は80歳を超えているのである(しかもかなり体力がある)。とはいえ、彼にはさすがにECTはかけられない。
日本の慢性期の統合失調症の患者さんで、しかも外で生活できないほどの病状の人たちは入院しているため、かなり規則正しい生活をしている。そのためか、結構長生きされることも稀ではない。
しかし、海外はそうではない。海外の統合失調症の患者さんは相対的に入院している人は少なく、地域で暮らしているか、グループホームで生活しているか、ホームレス同然の人たちなどさまざまな形態がみられる、つまり自由に生きているのである。
そのため海外の統合失調症の人々は、一般の人々よりかなり平均寿命が短いと言う(15歳くらい短い)。
それはそうだと思う。基本的な生活が困難なことこそ、統合失調症の主症状だからである。重い場合、誰かの援助を必要とする。
日本はいろいろ批判もあろうが、ある程度の病状以上の統合失調症の患者さんは病院で生活していることが多いため、海外の人たちよりたぶん平均寿命は長いのである。僕の患者さんでは90歳超えも稀ではない。
その理由は、酒は飲まない、暴飲暴食はしない(食事のカロリーも計算されている)、定期的に血液検査を受ける、何か身体に異常があるとすぐに他科受診して検査を受けるなど、ある程度、健康状態を管理されているからである。
最初の話に戻るが、毎日注射をするのは大変なので、リスパダールコンスタを筋注することにした。拒薬があるため、薬はこれだけである。
リスパダールコンスタ 25mg (2週間ごと)
リスパダールコンスタは効果が出るまで3週間から4週間くらいかかるが、初期効果を目撃することは比較的多い(過去ログ参照)。
その他、効果が出るまではなんとか押さえつけて、日々コントミンを筋注。これは大変な仕事である。(激しく、しかも力強く暴れるため)。
そういう風にしているうちに、次第に落ち着き、食事を摂るようになった。次第にリスパダールコンスタの効果も追いついてきて、風呂にも入るようになり服薬も応じるようになったが、完全に病状改善まではいかなかった。全般、拒絶的なのである。
リスパダールコンスタは25mgでさえ、23000円以上する。しかも月に2回もしなくてはならない。1ヶ月にこれだけで5万円近くかかる。これでかなり改善するなら良いが、不十分な状態だと医療費が高すぎて不満である。
リスパダールコンスタは優れた薬ではあるが、高すぎます!
これ以上コンスタの量を増やした場合、例えば毎回50mgだと月8万円程度かかる。この患者さんの場合、8万円かけても十分に良くなるような気がしない。彼にはコンスタだけでなく、気分安定化薬も必要のように思われるからである。
結局、リスパダールコンスタを諦め、ネオペリドールとフルデカシンの2つを混筋注することにした。
ネオペリドール 50mg
フルデカシン 25mg
(毎月1回)
この組み合わせは、フルデカシンに麻酔様作用があるため、ネオペリドールによる疼痛が緩和するメリットがある。
これは1ヶ月効果が持続するため、月に1回しか筋注しなくて良いのもよろしい。また薬価も3300円程度と安価である。他に内服として、
テグレトール 400mg
デパケンR 600mg
を併用。これで更に精神症状が改善している。
看護師さんの話では、リスパダールコンスタ(およびテグレトール、デパケンR)の時期より、断然良いと言う。また副作用もあの年齢にもかかわらずほとんどない。(全然ないといえるほど)。また、拒絶がほとんどないため、看護がしやすくなったという。
今回の記事は、リスパダールコンスタ、エビリファイ液、イーケプラなど高価な薬を妄信するのは良いが、古い薬のメリットも考慮したほうが良いといったものである。
費用対効果を考えないと国が倒れる。
また、日本の精神科ベッド数の多さについてもその内容や詳細が語られないで、一方的に悪といった風潮がある。こういうことは書く人が少ないと思うので、敢えてアップしている。だから、施設収容的な精神医療を肯定する意図はない。
だいたい・・うちの病院の患者さんで、共同住居やアパートに退院したあと、やはり退院は良くなかったと言う人は皆無なのである。(ただし退院前は退院を拒否する人は意外にいる)
参考
死にゆく精神病院
家族
精神保健あれこれ
主治医、チェンジ!!
この患者さんは経験的にコントミンを筋注すれば良くなるのは良くなるのであるが、かなり時間がかかる上に、日々、筋注するのに戦争になる。これは看護師さんが大変なだけである。食事を摂らないので、点滴をしたいがそれだけでも大変な仕事であった。
しかも・・彼は80歳を超えているのである(しかもかなり体力がある)。とはいえ、彼にはさすがにECTはかけられない。
日本の慢性期の統合失調症の患者さんで、しかも外で生活できないほどの病状の人たちは入院しているため、かなり規則正しい生活をしている。そのためか、結構長生きされることも稀ではない。
しかし、海外はそうではない。海外の統合失調症の患者さんは相対的に入院している人は少なく、地域で暮らしているか、グループホームで生活しているか、ホームレス同然の人たちなどさまざまな形態がみられる、つまり自由に生きているのである。
そのため海外の統合失調症の人々は、一般の人々よりかなり平均寿命が短いと言う(15歳くらい短い)。
それはそうだと思う。基本的な生活が困難なことこそ、統合失調症の主症状だからである。重い場合、誰かの援助を必要とする。
日本はいろいろ批判もあろうが、ある程度の病状以上の統合失調症の患者さんは病院で生活していることが多いため、海外の人たちよりたぶん平均寿命は長いのである。僕の患者さんでは90歳超えも稀ではない。
その理由は、酒は飲まない、暴飲暴食はしない(食事のカロリーも計算されている)、定期的に血液検査を受ける、何か身体に異常があるとすぐに他科受診して検査を受けるなど、ある程度、健康状態を管理されているからである。
最初の話に戻るが、毎日注射をするのは大変なので、リスパダールコンスタを筋注することにした。拒薬があるため、薬はこれだけである。
リスパダールコンスタ 25mg (2週間ごと)
リスパダールコンスタは効果が出るまで3週間から4週間くらいかかるが、初期効果を目撃することは比較的多い(過去ログ参照)。
その他、効果が出るまではなんとか押さえつけて、日々コントミンを筋注。これは大変な仕事である。(激しく、しかも力強く暴れるため)。
そういう風にしているうちに、次第に落ち着き、食事を摂るようになった。次第にリスパダールコンスタの効果も追いついてきて、風呂にも入るようになり服薬も応じるようになったが、完全に病状改善まではいかなかった。全般、拒絶的なのである。
リスパダールコンスタは25mgでさえ、23000円以上する。しかも月に2回もしなくてはならない。1ヶ月にこれだけで5万円近くかかる。これでかなり改善するなら良いが、不十分な状態だと医療費が高すぎて不満である。
リスパダールコンスタは優れた薬ではあるが、高すぎます!
これ以上コンスタの量を増やした場合、例えば毎回50mgだと月8万円程度かかる。この患者さんの場合、8万円かけても十分に良くなるような気がしない。彼にはコンスタだけでなく、気分安定化薬も必要のように思われるからである。
結局、リスパダールコンスタを諦め、ネオペリドールとフルデカシンの2つを混筋注することにした。
ネオペリドール 50mg
フルデカシン 25mg
(毎月1回)
この組み合わせは、フルデカシンに麻酔様作用があるため、ネオペリドールによる疼痛が緩和するメリットがある。
これは1ヶ月効果が持続するため、月に1回しか筋注しなくて良いのもよろしい。また薬価も3300円程度と安価である。他に内服として、
テグレトール 400mg
デパケンR 600mg
を併用。これで更に精神症状が改善している。
看護師さんの話では、リスパダールコンスタ(およびテグレトール、デパケンR)の時期より、断然良いと言う。また副作用もあの年齢にもかかわらずほとんどない。(全然ないといえるほど)。また、拒絶がほとんどないため、看護がしやすくなったという。
今回の記事は、リスパダールコンスタ、エビリファイ液、イーケプラなど高価な薬を妄信するのは良いが、古い薬のメリットも考慮したほうが良いといったものである。
費用対効果を考えないと国が倒れる。
また、日本の精神科ベッド数の多さについてもその内容や詳細が語られないで、一方的に悪といった風潮がある。こういうことは書く人が少ないと思うので、敢えてアップしている。だから、施設収容的な精神医療を肯定する意図はない。
だいたい・・うちの病院の患者さんで、共同住居やアパートに退院したあと、やはり退院は良くなかったと言う人は皆無なのである。(ただし退院前は退院を拒否する人は意外にいる)
参考
死にゆく精神病院
家族
精神保健あれこれ
主治医、チェンジ!!