主治医、チェンジ!! | kyupinの日記 気が向けば更新

主治医、チェンジ!!

日記の過去ログから。(一部書き加え)

121投稿者:kyupin  投稿日:2002年02月21日(木) 23時58分11秒
今回、初診の往診を受けた理由だが、知り合いのクリニックの依頼ということと、患者さんが女性ということがある。もし男性だったら怪我をする可能性も高いので断っていたと思う。

それと相談に来られた家族がとても困っていたというのもあった。しかし、気がすすまなかったのは言うまでもない。というのは、どういう形になるにせよ、こちらが恨まれる可能性がとても高いから。玄関は絶対彼女は開けないので、まず鍵を壊して防犯チェーンを叩き切らないと中に入れない。(まるで強盗みたいだ。)

以前、彼女はこのパターンで餓死しそうになったことがあるらしい。病状的に猶予がない。入ってから(ここが長期的には大切)面接する。いろいろ話を聞いてあげて入院を勧める。自分で入院してくれればそれが一番良い。もし拒絶が強く、とりつく島が無いようであれば、多少乱暴なことをしないといけなくなる。

122投稿者:kyupin  投稿日:2002年02月21日(木) 23時59分33秒
無理に押さえて注射をするにしても、イソミタールが発売中止になっており、急速に眠らせる良い方法がない。統合失調症の人の場合、ここでの出来事をずっと覚えていることが多い。

ここで、彼女から見てみよう。知らない人たちが自分の「悪い」家族と一緒に鍵を壊して家の中に侵入してきた。自分は大丈夫だから帰ってくれと言うのにいうことを聞いてくれない。ついに押さえつけられて、注射を打たれた。強制的に病院に連行され個室に入れられた。と、このくらいにはなってまうやないか・・(次長、課長風に)

123投稿者:kyupin  投稿日:2002年02月22日(金) 00時19分58秒
僕は無事帰還した。しかしずいぶん時間がかかった。鍵を壊してチェーンを叩き切るのは予想通り。その後、説得に時間をかけたのでなんとか乱暴なことはしなくて済んだ。しかし、兄弟と僕に対し非常に腹を立てていた。彼女は病院から10分以内の場所に住んでいたんだが、僕たちが朝9時半に病院を出発して、無事、病院に着いたのは、午後3時であった。


この日、その場所には病院職員は僕だけで出かけた。あとは彼女の兄弟だけである。職員を連れて行かなかった理由だが、彼女の兄弟と一緒に行ったことと、万一、うちの職員が怪我をすると困ると言うことがある。(この方がむしろ辛い)

この女性患者だけど、その後長期に入院し、今はグループホームに入所している。アパートに単身で生活させると、どんな風になるのか予想もつかないため、グループホームに入所させておかないと仕方がない。

何回か入退院を繰り返していたが、今は表面的にはかなり落ち着いており、ここ2年くらいは入院しなくても良くなった。しかし中の人は全然バラバラなのである。彼女は今も妄想の中に住んでいる。

彼女は、初対面の時のことが影響していることもあり、今も僕を恨んでいる。恨んでいるというより、妄想の中に僕も取り込まれている。時々緊張病性の興奮を呈していたのであるが、ある時、どうしても再入院をしなくてはならない状況に至った。僕が入院を告げたところ、

「主治医、チェンジ!!」

を希望したのだ。今は副院長が診ている。彼女の場合、かなりの幻覚妄想があるが、それでもグループホームで生活できているのがすごいところ。処方は今もリスパダール液主体だが、これは僕が治療していた当時とあまり変っていない。

この最初の日記のような危惧通りになったのである。

参考
初診の往診