ジプレキサ10mgでハイテンションになる人
ジプレキサは、気分安定化作用があると言われているが、大きな双極性の波を抑えるにはやや力不足という記載が過去ログにある。これはセロクエルにも同じことが言える。これは経験的に何度も痛い目にあっているからである。
躁状態は統合失調症であれ、リーマスの血中濃度を適正にする方法が最も確率が高い治療法である。血中濃度に余裕があるなら、1000mg使っていたとしても1200mg程度に増量する。
この方法が一見、うまくいっていないように見えるのは、時間がかかるからである。
実は、このブログにはしばしば精神科医の方からもメールを頂いているが、このリーマスの血中濃度のエントリは、実際に患者さんが寛解し、非常に参考になったと言われるものの1つである。
最近では、ラミクタールやトピナで劇的に良くなったというメールも時々貰っている(精神科医の話。患者さんからも頂いているが)。
患者さんからの感謝のメールは、意外にアンプリットやアモキサンに関するものが多い。
統合失調症の人でジプレキサが概ね良いが、10mgくらい投与して、ややハイテンションになる人がいる。一応、幻覚妄想は抑えられているが、とにかくよく喋る。このような人である。
種々の事情があり、リーマスが投与しにくいことがある。そういう時にどのような対処をするかを考えたい。
ジプレキサを20mgに増やして抑える方法は、まず10mgの時より良くなるという保証がない。もちろん1つの方法ではあるが、いくつかの問題があると思われる。
1つは常時20mg処方していると、何か精神症状の変動があった際、ジプレキサはもはや増やせないので、他の薬を使わなければならなくなること。こういう経緯で多剤大量になるのである。
日本人であれば、一時的に20mg使うのはまだ良いが、通常の時期は12.5mg以下に抑えたい。最高量の6割近辺である。(ジプレキサ20mgはコントミン換算で800mg)
肥満に関しては、20mgも12.5mgもたいして変わらないと思う。
実はジプレキサの用量に関しては、イーライリリーがショック死するような論文があり、その要旨はジプレキサは10mgも20mgも30mgも変わらなかったと言うものである。
しかし臨床では、やはりジプレキサは10mgと20mgは違う。というより、10mgと12.5mgでもはっきり効果の差が目視できる人がいる。
急性増悪時にジプレキサを20mg処方し、かつリーマスやセレネースを併用して急速に寛解させる方法は悪い方法ではないと思う。実際、このくらいしないと良くならない人もいるのが現実である。
また、入院のジプレキサ5mgと外来のジプレキサ5mgは違う。入院時はジプレキサ5mgで十分であったが、退院時では7.5~10mg必要な人もいるのである。
過去ログでプロピタン50mgで寛解していたが、その後、ジプレキサ1.25mgに変更し、プロピタンよりは良かったという話が出てくる(参考)。その患者さんは退院後、数ヶ月は良かったが、特定の地域で感覚に違和感を感じるという奇妙な体験を持つに至った。
やはり統合失調症の人の目から見る空間は、健康な人に比べいくらか歪んでいるのではないかと思う。(その人になったことがないのでわからないが・・)
その奇妙な違和感は、ジプレキサを1.25mgから2.5mgに増量することで簡単に消失した。今もその患者さんはジプレキサを2.5mg服用し続けているが、これ以外の薬はなく純粋に単剤である。
この人は約10年間入院し、寛解退院しもう3年くらい経つ。この人の10年ほど前の処方を調べてみた。
2001年頃の処方
プロピタン 100mg
ヒベルナ 50mg
レボトミン 20mg
この人は元々、あまり薬の量は必要ではなかった人らしい。
こういうのを見ても、入院時に既にジプレキサ20mgの人は、退院する可能性がないならともかく、退院および地域で生活することを見据えると、楽観はできない用量である。
最初に出てきた良く喋る人は、セレネース液を少量併用する方法も考えたが、セレネースの錠剤とした。利便性を考慮したのである。(2ヶ月ごとに通院している人だったため)
この人はハイテンションではあるが、うつになることがない。統合失調症の人では時々診るパターンである。だから、セレネースで抑えるだけにしたのであった。
ジプレキサ 10mg
セレネース 1.5mg
家族によるとずいぶん口数が減り、穏やかになったらしい。この処方は2剤だが、今後の病状の変化にフレキシブルに対応できる点で良い。
参考
リーマス1000mgの薦め
1.01の人
ポール・ヤンセンとプロピタン
躁状態は統合失調症であれ、リーマスの血中濃度を適正にする方法が最も確率が高い治療法である。血中濃度に余裕があるなら、1000mg使っていたとしても1200mg程度に増量する。
この方法が一見、うまくいっていないように見えるのは、時間がかかるからである。
実は、このブログにはしばしば精神科医の方からもメールを頂いているが、このリーマスの血中濃度のエントリは、実際に患者さんが寛解し、非常に参考になったと言われるものの1つである。
最近では、ラミクタールやトピナで劇的に良くなったというメールも時々貰っている(精神科医の話。患者さんからも頂いているが)。
患者さんからの感謝のメールは、意外にアンプリットやアモキサンに関するものが多い。
統合失調症の人でジプレキサが概ね良いが、10mgくらい投与して、ややハイテンションになる人がいる。一応、幻覚妄想は抑えられているが、とにかくよく喋る。このような人である。
種々の事情があり、リーマスが投与しにくいことがある。そういう時にどのような対処をするかを考えたい。
ジプレキサを20mgに増やして抑える方法は、まず10mgの時より良くなるという保証がない。もちろん1つの方法ではあるが、いくつかの問題があると思われる。
1つは常時20mg処方していると、何か精神症状の変動があった際、ジプレキサはもはや増やせないので、他の薬を使わなければならなくなること。こういう経緯で多剤大量になるのである。
日本人であれば、一時的に20mg使うのはまだ良いが、通常の時期は12.5mg以下に抑えたい。最高量の6割近辺である。(ジプレキサ20mgはコントミン換算で800mg)
肥満に関しては、20mgも12.5mgもたいして変わらないと思う。
実はジプレキサの用量に関しては、イーライリリーがショック死するような論文があり、その要旨はジプレキサは10mgも20mgも30mgも変わらなかったと言うものである。
しかし臨床では、やはりジプレキサは10mgと20mgは違う。というより、10mgと12.5mgでもはっきり効果の差が目視できる人がいる。
急性増悪時にジプレキサを20mg処方し、かつリーマスやセレネースを併用して急速に寛解させる方法は悪い方法ではないと思う。実際、このくらいしないと良くならない人もいるのが現実である。
また、入院のジプレキサ5mgと外来のジプレキサ5mgは違う。入院時はジプレキサ5mgで十分であったが、退院時では7.5~10mg必要な人もいるのである。
過去ログでプロピタン50mgで寛解していたが、その後、ジプレキサ1.25mgに変更し、プロピタンよりは良かったという話が出てくる(参考)。その患者さんは退院後、数ヶ月は良かったが、特定の地域で感覚に違和感を感じるという奇妙な体験を持つに至った。
やはり統合失調症の人の目から見る空間は、健康な人に比べいくらか歪んでいるのではないかと思う。(その人になったことがないのでわからないが・・)
その奇妙な違和感は、ジプレキサを1.25mgから2.5mgに増量することで簡単に消失した。今もその患者さんはジプレキサを2.5mg服用し続けているが、これ以外の薬はなく純粋に単剤である。
この人は約10年間入院し、寛解退院しもう3年くらい経つ。この人の10年ほど前の処方を調べてみた。
2001年頃の処方
プロピタン 100mg
ヒベルナ 50mg
レボトミン 20mg
この人は元々、あまり薬の量は必要ではなかった人らしい。
こういうのを見ても、入院時に既にジプレキサ20mgの人は、退院する可能性がないならともかく、退院および地域で生活することを見据えると、楽観はできない用量である。
最初に出てきた良く喋る人は、セレネース液を少量併用する方法も考えたが、セレネースの錠剤とした。利便性を考慮したのである。(2ヶ月ごとに通院している人だったため)
この人はハイテンションではあるが、うつになることがない。統合失調症の人では時々診るパターンである。だから、セレネースで抑えるだけにしたのであった。
ジプレキサ 10mg
セレネース 1.5mg
家族によるとずいぶん口数が減り、穏やかになったらしい。この処方は2剤だが、今後の病状の変化にフレキシブルに対応できる点で良い。
参考
リーマス1000mgの薦め
1.01の人
ポール・ヤンセンとプロピタン