支那の芥川龍之介 | ricky321のブログ

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シナというのは、Chinaの元。東シナ海なる海もある。決して悪い意味のことばではないと最初にお断りしておく。

芥川龍之介と中国の関わりは浅くない。

中一の国語教科書に『杜子春』が載っていた。金持ちになった青年が放蕩を繰り返し、揚げ句に仙人になれないものかと考える童話である。後に愚生が中国に興味を持つようになると、この話に出てくる洞庭湖というのはいわゆるランドマークで、湖北省、湖南省という地名の由来になっている。嶽陽(岳陽)は、その洞庭湖に臨む町であるし、杜子春の修行の地、峨眉山は四川省にある、3000mを越える高さの仏教の聖地である。・・・などということを知った。

 

芥川龍之介は短編を多く残し、長編小説らしきものはないといって過言でないだろう。『支那游記』が全五巻あったらしいが、これが芥川の最長文ということになる。ただし、これは紀行文の類いである。
ほどほどに略したり、要約したりしながら書く。
・日本人は海外に出ると八重であろうが一重であろうが、桜の花さえ見ることが出来さえすれば幸福になる人種である。(上海游記)
・蘇州にはヴェニスの様に水がある。蘇州の水路だけは実際美しい。日本にすれば松江だね。(江南遊記)
・船はただ、ベルトのようにひた流れる水を裂きながら、悠々と西に進むのである。この点だけでも長江の船旅は船に弱い私には愉快だった。(長江游記)
・薄汚い人力車に乗り、雍和宮の門前に辿り着いてみれば、なるほど大伽藍には違いなし。記事を書かされる必要上、一見せざるべからず。我ながらご苦労千万なり。(北京日記抄)

 

拾い読みしているのだが、清朝末期の混乱した様子が伺える。Kindleにダウンロードしたが、これからも長い付き合いになりそうだ。芥川の真骨頂は小説でなく、随筆にあるのかも知れない。