西川正身エッセイ集から適当に縮めながら引用する。
“Prosperity is just around the corner.”
1929年の株化暴落は深刻なものであった。不況というものは、しばしば訪れるものだが、この時は深刻であった。1932年の選挙戦で、共和党が用いて、人口に膾炙するようになったフレーズである。just around the corner街角を曲がったその先、つまり「繁栄はすぐそこまで来ている」という意味だが、いつまでも景気は回復せず、のちには皮肉な意味で使われるようになった。
“The only thing we have to fear is fear itself.”
「不景気、不景気だと怯えてばかりいては、却って不況を助長する」と、新たに大統領に就任したフランクリン・ルーズベルトが国民を元気づけるために口にした言葉である。
昭和恐慌について触れたので書いておく。文学者とはいえ、経済に無関心であってはならない。いや、むしろ文学者はいろいろな興味を持たねばならない。斯く、繰り返し眺めるものこそ良書の証しであろう。偉そうに書いてしまって恐縮だが。
