19-088『歌行灯』泉鏡花
★★★★★東海道中膝栗毛のパロディと思いきや、暗転して能楽の世界に這入る。なかなかきちんと解説した書籍がなく、途方に暮れる思いだったが、ネットの質問箱やAmazonのレビューなどが結構なヒントをくれる。ありがたい時代である。
正直に書くが未だ不明の部分が多い。書き手としては樋口一葉を圧倒していると思う。『にごりえ』『たけくらべ』で圧倒的な世界を構築した一葉は、惜しむらくは早世であった。長命して、また何かを学べばもっと書けたのではと惜しまれる。
★★★★★東海道中膝栗毛のパロディと思いきや、暗転して能楽の世界に這入る。なかなかきちんと解説した書籍がなく、途方に暮れる思いだったが、ネットの質問箱やAmazonのレビューなどが結構なヒントをくれる。ありがたい時代である。
正直に書くが未だ不明の部分が多い。書き手としては樋口一葉を圧倒していると思う。『にごりえ』『たけくらべ』で圧倒的な世界を構築した一葉は、惜しむらくは早世であった。長命して、また何かを学べばもっと書けたのではと惜しまれる。
19-089『細雪』谷崎潤一郎
★★★★★最初に読んだのは1巻に纏められた古本で、下手くそなイラストが挟まっていた。後書きに出てくるが、谷崎の小説なら、それこそ小出楢重(こいでならしげ)くらいの巨匠が挿絵を描かないと釣り合わない。
東京と関西の違い、大阪と京都の違い、本家と分家、男と女の、長女と末妹の様々な差違や食い違いを描き出した。三十代にして未婚である雪子の見合い遍歴によって成り立つ物語だが、こういった機微を書く為には、芸事にも花柳界にも芝居にも通じていなければならない。経済界とも付き合いがなければ無理だろう。人間というものを観察し、尚且つよく知ってこそである。
日本の文学界の頂点に立つ筆者が数年掛かって書き上げた大作。純文学/通俗小説の枠を超えている。昭和の文学の第一等。以前に書いたとおり、書籍としては川端康成の『掌の小説』、作品としてはこの『細雪』である。
★★★★★最初に読んだのは1巻に纏められた古本で、下手くそなイラストが挟まっていた。後書きに出てくるが、谷崎の小説なら、それこそ小出楢重(こいでならしげ)くらいの巨匠が挿絵を描かないと釣り合わない。
東京と関西の違い、大阪と京都の違い、本家と分家、男と女の、長女と末妹の様々な差違や食い違いを描き出した。三十代にして未婚である雪子の見合い遍歴によって成り立つ物語だが、こういった機微を書く為には、芸事にも花柳界にも芝居にも通じていなければならない。経済界とも付き合いがなければ無理だろう。人間というものを観察し、尚且つよく知ってこそである。
日本の文学界の頂点に立つ筆者が数年掛かって書き上げた大作。純文学/通俗小説の枠を超えている。昭和の文学の第一等。以前に書いたとおり、書籍としては川端康成の『掌の小説』、作品としてはこの『細雪』である。