優れた文学とは何か | ricky321のブログ

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 20世紀最高の世界文学を選べ、と言われたら、
大岡昇平『野火』
安部公房『砂の女』
ヘミングウェイ『老人と海』
ソルジェニーツィン『イワン・デニーソヴィチの一日』
老舎『駱駝祥子』
魯迅『故郷』(或いは故郷を含めた『吶喊』)
を私は絶対外さない。

 年間のベスト書籍を選ぶという遊びを数年前からやっている。ジャンルは限定しない。フィクション、ノンフィクション、ビジネス、学習書でも辞書でも構わないという観点。

2013年 小山田浩子『工場』新潮社
選出理由;パンチの効いた風刺小説。安部公房の再来じゃないかと思わせた。

2014年 西村賢太『疒の歌』新潮社 ※やまいだれのうた
同;筆者の(その時点での)最高傑作。純文学作家でありながらエンターテイナー的境地に達している。

2015年 星野博美『みんな彗星を見ていた 私的キリシタン探訪記 』文藝春秋
同;行動あるのみ。何の収入にもならない(渡航費用鑑みるとかなり書籍が売れないと厳しい)、いわば究極のモラトリアムだが、遠藤周作ファンも取り込んでしまう説得力。

2016年 池澤夏樹『日本語のために』河出書房新社/日本文学全集第30巻
同;池澤が恐らく20年くらいは温めておいたアイデアの実現。どの頁を開いても面白い。

2017年 佐藤優『ゼロからわかる「世界の読み方」: プーチン・トランプ・金正恩』新潮社                    
同;文藝春秋誌で『インテリジェンス交渉術』の連載が始まったときに瞠目した作家。筆者の国際社会の見方は常人のそれではない。金正日が子ども達の中で正恩と与正が為政者としての資質を見いだして自分の後継者に考えていた…という推論は冬季五輪が終わった今、さらに説得力を持つ。


 20世紀最高の文学、として思いつくまま選んだのだけれども、優れた文学の条件は①筆者が極限状態を経験しているということ、②構造的にシンプルで登場人物が少ない、あるいは本筋に関わる人物が極少数に限られるということ の二点だろうか。例えば学校の教科書でお馴染みの『故郷』は清代末期の混乱を映し出す登場人物は、豆腐屋の揚おばさんと幼なじみの閏土の二人だけである。

 ベスト書籍5冊のうち、新潮社が3点。やはり日本に必要な出版社。
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