『さらばモスクワ愚連隊』など、五木寛之の小説を面白いと思ったことはなかったが、この『こころ・と・からだ』は凄いと思った。先入観から筆者を避けていたのである。『大河の一滴』『他力』『人生の目的』など一連の随筆を読むきっかけとなった。バブル崩壊後、五木が提唱(?)するような、“後ろ向きの発想”みたいな考え方にも共感を覚えたのは私だけではないだろう。
同じように田辺聖子の小説の文庫本を母が持っていたのを、高校生の時に盗み読んだ。くだらない、が正直な感想。が、古典を語ったら無双に面白い作家だとやっと数年前に気が付いた。『田辺聖子の百人一首』は今や私の愛読書だ。
「この作家の本を1冊読んだが、つまらないからもうこの人の本を読むのを辞めよう」というのは実に勿体ない。
川上未映子の書いた小説は嫌いだが、週刊誌連載のエッセイは面白い。高橋源一郎の小説はかなり外れがあるが、『おじさんは白馬に乗って』や『ニッポンの小説』は楽しい。
長短、好み、玉石混交、色々ある。
長短、好み、玉石混交、色々ある。