(前編からの続き)
■県トレセンの難易度/偏差値
まず、一口に県トレセンと言っても、県によって難易度は違う。県によって選手数がまったく違うからね。これを踏まえ、大規模都市圏(3県)、中規模都市圏(4県)、小規模都市圏(3県)の10県をランダムに選び、それぞれの県の県トレセンの偏差値を算出した。
算出方法は下記の通り
*各県の4種登録数から各学年の人数を割り出す
*4種登録数には4~6年に加え、3年生の内の10%が加わっているものとみなす
*女子選手は全体の8%程度と見なす(女子選手は女子トレセンなのでこの数は除外する)
*上記を踏まえた1学年の選手数算出式は下記の通り
4種登録数÷3.1×0.92
*県トレ選出数については、情報のある県が少なかったが、情報のある県を元に下記のように設定する
東京60人
他大規模県50人
中規模県35人
小規模県30人
結果は下記の通り(1学年の男子人数/トレセン数/確率/偏差値/何人に1人か)
(東京都トレセン)7123人/60人/0.84%/偏差値74/119人に1人
(神奈川県トレセン)6129人/50人/0.89%/偏差値74/113人に1人
(大阪府トレセン)5045人/50人/0.99%/偏差値73/101人に1人
(岡山県トレセン)1870人/35人/1.87%/偏差値71/53人に1人
(京都県トレセン)1781人/35人/1.97%/偏差値71/51人に1人
(長野県トレセン)1514人/35人/2.31%/偏差値70/43人に1人
(新潟県トレセン)1425人/35人/2.46%/偏差値70/41人に1人
(高知県トレセン)505人/30人/5.95%/偏差値66/17人に1人
(島根県トレセン)445人/30人/6.74%/偏差値65/15人に1人
(鳥取県トレセン)386人/30人/7.78%/偏差値64/13人に1人
全国平均 県トレセン 偏差値71(約50人に1人)
これを前回まで見て来た数値と比べてみよう。
東大文3 偏差値71/56人に1人
東大理3 偏差値75/161人に1人
J3プロ 偏差値79/500人に1人
J2プロ 偏差値80/770人に1人
J1プロ 偏差値82/1500人に1人
J1スタメン 偏差値85/4500人に1人
年収5千万越え 偏差値90/2万2千人に1人
日本代表 偏差値91/3万6千人に1人
なるほど~、東京都トレセンとか、大阪府トレセンとかに選ばれるっていうのは、確率的に東大理3に入るのと同じくらい難しいんだね。もちろん単純に比べられるものではないけどさ。一方人口の少ない県の場合、県トレセンでおよそMARCH大学の上位学部くらいのレベルになるんだね。
全国平均で見ると、県トレセンは東大文系と同じくらいの難易度、約50人に1人程度だ。一方J3は偏差値79/500人に1人、つまり県トレセンレベルの中の10人に1人がJ3まで行ける、それくらいの感じだ。
ふ~~、厳しいね(笑)。もし仮にパパが、ボウズが小学生の頃にこの数値を見ていたら、もうちょっと勉強をちゃんとやらせたかもしれないな(笑)。
ただ、プロを目指すボウズと一緒に、ひたすらひたすら毎朝ボールを蹴って汗と埃にまみれた日々は、パパにとってもボウズにとってもかけがえのない日々だった。少なくともパパの中では、その輝きは死ぬまで失われることはない。
プロになった・なれなかったではなく、自分の人生にあの日々があったことを心から感謝している。ボウズもあの日々から得たものは少なくないはずだ。悔いはなんにもないよ。
ただ、時代が変わってきていることを感じるんだよな。ボウズが小学生の頃に比べると、現在は圧倒的に日本全体の育成レベルが上がっている。ネットの普及が凄まじく、AIも登場し、個人で得られる情報がかつてとは桁違いだ。
チーム単位で見るとまだばらつきは大きいけれど、スクールの発達や個人練習メニューの情報普及により、個々の技術レベルは全体にかなり上がっていると思う。こうなると相対的にどんどん才能の世界になるんだよな。
全体の平均技術レベルが高まれば高まるほど、技術での差別化が難しくなり、持って生まれた素質、特にフィジカルの比重が重くなる。県トレレベルになれば全員上手いからさ、東大レベルだからね、だから結局その中でフィジカルの優れた奴を選ぼうってことになる。ちなみにフィジカルの育て方も進化が著しく、やはり持って生まれた才能の世界になる。
それはとても正しいことだ。勝ち負けの世界だからな。ただ「ドリーム/死ぬ気で頑張れば掴み取れる夢」的な世界は失われつつある。遺伝子の戦いになりつつあるんだね。少し寂しい気もするよ。
でもそうなると、やっぱり勉強をちゃんとやっておくことが大事だよなって、そう感じるところもある。サッカーで夢に辿り着けなかった時にも、人生の選択肢がまだいくらでもたくさん残っている、そういう状況をしっかり作ってあげられるようにしたいよね。
今、結婚できない若者がものすごく増えている。経済的な理由もかなり大きい。年収が少なくなるほど未婚率が上がるという調査もある。しかも日本の給与はほとんど上がっていないのに、結婚に求められる年収イメージがインフレ状態だ。かなりヤバい状況だと思う。
昔のように、ある程度真面目にやっていれば普通に就職出来て、結婚して、子供が生まれて、、、そういうのが、もう普通ではなくなりつつある。こうした先行き不安な時代において、勉強をしっかりやっておくことの意義はかつてより重みが増していると思う。
そしてやっぱりこう思うんだ。サッカーが大好き、ボールを蹴るのが楽しくて仕方ない、、、子供達のそういう気持ちを最も大事に育てていくことが大事じゃないかなって。そうすれば、日々コツコツ勉強を頑張りつつ、そのほかの時間で思いっきりボールを蹴って楽しむ、というスタンスが可能になるよね。
サッカーを親やコーチが子供に押し付けて、サッカーをやらされる感じになってしまうと、勉強もやらなくちゃいけない、サッカーもやらなくちゃいけない、になって子どもの逃げ道がなくなっちゃう。バーンアウトに向かっていってしまう恐れがあるよね。
ボール遊びに夢中になる、そんな時間をたくさん作ってあげられると良いよね。公園で的当てゲームに夢中になる、ミニゲームで盛り上がる、リフティング技を競い合う、やっぱりそうしたストリートサッカー的な日々が、小学生には一番良いのではないか、、、
上記の数値を見ながら、パパは改めてそう思うんだよね。競技力は相対的なものだ。しかしサッカーをすることで幸せになる、その幸せに上限はないんだよね。