場面緘黙についてご質問を頂いたので、
当院でどのようにアプローチしているかについてお話しています。
今日はその3回目。
場面緘黙児さん向けの感覚統合についてお話します。
どの感覚をケアするとよいか
感覚というと五感を思い浮かべませんか?
五感とは
見る(視覚)
嗅ぐ(嗅覚)
聞く(聴覚)
味わう(味覚)
触る(触覚)
この中で、場面緘黙の方に向けて特にサポートしたい感覚があるのですが、
さて、どれでしょう。
答えは「触覚」
触る、触れるのあの触覚です。
実はまだまだ研究途中の感覚、謎が多いのです。
感覚を二つにわけてみる
人間の感覚ってもっと調べていくと、
「原始系」と「識別系」の2種類があると言われています。
ちなみに原始感覚とは
この3つから成り立っています。
さてさて、
なぜ触覚がどちらにもまたがって属しているか......
気になりますよね。
その理由こそが
「なんで場面緘黙に触覚が関わってくるか」の答えになります。
触覚は恐怖と直結している
原始的な生物には見るという機能がありません。
そこで活躍するのが触覚。
(よくたとえに出されるイソギンチャク)
原始的な触覚には
エサを取り込み生きていくためにエサに向かっていく
「取り込み行動」
触れたものが天敵ならば、身を守るために逃げる
「警戒行動」や「防衛・逃避行動」
自分が食べられそうになったら闘う
「闘争行動」
つまり、
自分の身を守り生かすために
「触覚」は使われていたのです。
そして、この感覚がわたし達人間にも残っています。
人間は進化の過程で作り上げた情報を処理をする機能として「識別系」に入る触覚も発達。
例えば、カバンの中を見なくても、携帯電話だけを取り出したり、お財布だけを取り出したりすることができますよね。
これは、触れたものの「素材」や「かたち」「大きさ」を触り分けたり、自分のからだのどの「位置」に触れているかを感知したりするときに使っている「識別系触覚」になります。
脳の中のこの
「識別系触覚」が発達すると、
「原始系触覚」の本能的な働きは抑え込まれる
ということがわかっているので、触覚に対してのアプローチが過剰に恐怖や恐れを感じてしまう場面緘黙のお子さんにとって必要なことになるのです。
(こういった感覚のばらつきを整える=感覚統合)
なにやら難しい話になっていますが、
簡単にいうと
皮膚感覚でぞわっとくる(恐怖や嫌悪)には
触覚が関わっていて、
それが過敏だと色々生きていくのがしんどくなる。
ということです。
あそびを通して触覚をあえて使う
生きていくのがしんどいのは辛いので、
その過敏さを緩和してくためにどうしたらよいか←ココ大事
場面緘黙のお子さまにはまず「触るだけ」トレーニングを行います。
識別系触覚を使うと原始的触覚の反応を抑えることができるからです。
ご自宅でもなるべく様々な素材に触れさせてみてください。
壁、野菜、動物、ガラス、洋服、ひも、なんでも良いです。
多種多様の素材を体験する機会が非常に大切なこととなるのです。
ですので、
手芸が好きなお子さんにはハサミや布、糸を使う手作りキット
工作好きならレゴやクラフト系のキットなどオススメしています。
100均で十分そろうので一緒に選んでみてはいかがでしょう。
もちろん料理もオススメですよーー!



たくさんの種類の素材に触れたなら
つぎにやるのはいわゆるブラックボックスあそび。
袋や箱の中身をあてっことするゲームです。
これについては次回の場面緘黙のお子さまに用いる、
具体的な運動療法の中でお話致します。
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