《1/4》より

 

☆★☆ 8月10日 ☆★☆

 朝、ホテルでバイキング形式の朝食。普段は朝食を食べていないチャンちゃんであったが、妙に食欲があり、鱈腹食べた。美味しかったから。果物が豊富で沢山食べた。葡萄のベリーAとマスカットは日本と全く同じ。パパイヤとマンゴーはどっちがどっちだか分からないけど、どっちかが新鮮で特に美味しかった。

 10時、フロントに集合して、「グランドクロス・ブッ千切り神業」に向かう。悪路を走って山頂に向かうため、12人乗りフォードの小型バスが3台づつ、合計23台ほどが断続的に郊外に向かいホテルを出発した。

 チャンちゃんは一番最後に乗ったため一番前の助手席に座ることになった。サンパウロ郊外の風景をよく眺めることができててとてもラッキー。

 郊外に出てブラジルの大地を見ると、どこも赤茶けたというよりピンク色のような土なのである。ブラジルは鉄鉱石の産地ではあるが、これでは良質な鉄が取れるとはとても言えそうにない。明らかに酸性の土壌であるから大きな樹木は育たない。

 チャンちゃんが乗った車の運転手は、スタローンを少しスマートにしたようなカッコ良いアンチャンであったが、昨夜は一晩中遊んでいたのか、トロンとした目つきで何度も何度もアクビを繰り返すのである。仕方が無いから “ Sleepy?  This  awakes  you  up. “ と言いながらペパーミントの粒を掌に分けてあげた。

 サンパウロとリオデジャネイロを結ぶ幹線道路を外れたところから、道に舗装は無い。しかも山に向かう急勾配の道は雨に浸食されて馬の背を縦に並べたような状況で、先行する車が左右にスリップしながら走っている様子が良く分かる。後方の座席に座っていた皆さんはグースカ寝ていたが、運転手の隣りに座っているチャンちゃんは、仮にどんなに眠かったにしても、とてもとても眠れるような状況ではなかった。現に、後で聞いた話だが、深夜この道を走ってきた深見先生を乗せた車は脱輪してしまい、全員で押して車を出したという。

 とにかく、車は猛烈な土煙を巻き上げながら、さんざんな悪路を走りぬいて、漸く岩山の上に着いた。車を降りる時、親指を立てて “ Good  driving ” といったら、スタローンは嬉しそうな表情で応えていた。

 

◎ アチバイヤー ◎

 丁度お昼の12時頃であっただろうか。全員に15cm四方の紙箱が配られた。ブラジル製のお菓子やパンや缶ジュースやバナナの入った昼食である。しかし、てんこもりの朝食を食べてきたチャンちゃんにはまったく食欲がない。そこで、同室の相棒と二人で、さらに上にある岩山に上ることにした。

 その岩山の山頂には、既にスタッフがおり、朝9時頃からカメラを設置して我々の車が到着するのを撮影していたという。山頂の岩には、ここまで来た人々の落書きが沢山あった。

 例え雨が降ったとしても、雨水を保ちようもないこのような岩山であっても、岩の僅かな裂け目には植物が生えている。なんといっても植物は逞しい。

 アチバイヤーという町を見下ろすこの神業地に到着してから神業が始まる深夜2時まで、延々14時間をこの岩山の上で過ごしたことになる。しかし、不思議と長くは感じなかった。南半球にあるこの地では、太陽は北になり、午後はほぼ太陽のある方向に日本があることになる。

 到着時には神事用の30角形の結界はまだ完成していなかった。ブラジルの日本通運のトラックから運び出された資材で、準備が着々と進む中、お祈りをしたり、風に吹かれてボーッとしたり、風景に見とれたりして過ごした。夕刻には10個ほどのハンググライダーが太陽を掠めて我々の頭上を舞っていた。

 220名の集団から離れたところに一人陣取り、自分なりのこの神業の意味を考えながらお祈りをした。「世界が平和でありますように」と思いながら、ブラジル国旗の地球を取り囲む帯の絵柄や、ブラジル・サッカー・ナショナルチームが試合に出てくる時、必ず選手全員が手を繋いで出てくるあの情景が目に浮かんだ。「地球の対蹠点となるブラジルと日本、この両極に深見先生と植松先生が居ることで、地球を取り囲む霊的なバリアが出来て地球が守られるのかな」などど考えていた。

 石川島播磨重工業の社員としてブラジルに渡り、今は現地でガイドをしている人と、ブラジルの人種のことを語った。これほどまでに人が交じり合っている国ブラジル、これほどまでに人種的な交わりから隔絶し純血種のように保たれて発展してきた国日本。地理的なことだけではなく、このことも正反対である。しかしブラジルには人種差別が無い。これは世界的に見て実に奇妙なことである。アジアでは民族や宗教の対立が火種になって、発展を阻害しているのに、ブラジルにはそれがない。これこそブラジルの財産。

 すっかり日が沈んでから、豪華な夕食のお弁当が配られた。片手に懐中電灯を持ちながら、このお弁当を食べ終えると、2時間ほど車の中で寝ただろうか。

 外は晴れており気温は低くは無いが、相変わらず風はやむことがないので寒い。持参した雨カッパをウインド・ブレーカー替りに着込んで神事の開始を待つ。

 夏の日本では見ることの出来ない冬の星座オリオンが真上に見えた。空にある星の数の多さに驚いた。天の川がハッキリそれと分かるほど沢山の星々。東京では快晴であってもこの10分の1ほどしか見えないであろう。

👆 朝、渡されていた、ブラジル現地の新聞記事のコピー。👆

 

☆★☆ 8月11日 ☆★☆ 

「グランドクロス・ブッ千切り神業」

 深夜2時。深見先生が現れ、いよいよ神業が始まる。開始前、先生は思いっきり体調が悪かったらしく、点滴をうってここに駆けつけたとか。確かに始めのうちは、あまり声に張りが無かった。それでも神業が始まってからは、神力の加勢あってか、忽ちのうちに回復していった様子だった。

 神業中、眠くはなかったし、祝詞で語られていることもその時は理解して聞いていたのに、不思議とその内容を覚えていない。唯一覚えているのは、テレビで流行っていた “鈴木そのこ“ という真っ白化粧のお婆ちゃんタレントを “死者の国となる予兆“ と奏上していたことだけ。

 神業が終わってから語られた処によると、今回のこの「グランドクロス・ブッ千切り神業」の目的は、実はヨハネの黙示録(アポカリプス)にある預言の阻止だった。グランドクロスの星の配置が占星術の獣滞(ゾディアック)の呼び名で表されているそうである。

 ブラジルに来る以前の神業で、「エドガーケイシーの予言」をブッチギリ、「ノストラダムスの予言」をブッチギリ、「出口王仁三郎の予言」をブッチギリ、そしてここブラジルでついに「ヨハネの預言」をブッチ切ったのである。

 この岩山があるアチバイヤーという土地には、甦りの波動が満ちており、この岩山は何万年も前の聖者の墓所なのだそうである。

 神業が終わってから結界が開かれ、全員がその中に入ることが出来た。そして深見先生から一人一人に御神水を頭にかけてもらい、「ホロスコープ大改善強力特別神符」を手渡しでもらったのだった。

 朝の光が仄かに感じられだした5時頃、神事は無事終了した。

 ブラジルの朝はたいてい霞に覆われるようだ。山を下る途中から下を見た時、まるで湖を見下ろしているかのようだった。山を降り、郊外を走りながら見えた、朝日が丘の斜面を照らし出す情景が美しい。

 7時頃サンパウロ市内に戻るが、市内は交通渋滞寸前。スタローンの際どい乱暴な運転テクニックが効を奏して、最後に出た我々の車が一番先にホテルに着いたようである。

 

 徹夜明けなのに、相変わらず体調よろしく旺盛な食欲。昨日と同じホテルのバイキングで好きなものを取ってたべる。途中で深見先生が食堂に入ってきてチャンちゃんの席に近い隅の席に座った。

 豊田君がカメラを持っていたから「先生がエキストラで入ってくれくことになっている」などといいながらピースサインをして写真を撮ってしまった。ギャハハー。