ヒヨルコ様は、イザナギ・イザナミ様の第2子として、ヒルのような形状でお生まれになった半身半霊で見えない姿の皇子様。本書を読み終わって、最も印象に残っている単語は、「楠(くすのき)」。2017年4月初版。

 

 

【代価支払いの時期】

 この美しい地球に私たち人間が突然に発生し、欲望のままにその人生を謳歌してきました。ただ欲望というものにはもちろんその代価を支払わなければなりません。

 その代価をお支払いする時期も否が応にも近づいてきてしまっています。(p.4)

 この書き出しは、前書きの中にあるもので、『ヒヨルコさま』の話の中に、近づきつつある “代価支払いの時期” に関する直接的な記述はない。けれど、ヒヨルコさまが、どのような生き方をしていた方なのかを知れば、読者は、代価支払いを免れないことを自覚できるだろう。

 

 

【木の精霊】

「私たちの愛すべき、この日本の国は

 木の国、水の国、そして火の国です。

 この事を決して忘れてはなりません」

 むかしむかし、ずっとむかしの事。この世界にまだ私たち人間の姿がなかったころのお話です。天の神様は、創りだした、青く輝く、この素敵な星を大変に愛でられました。長い年月をかけ、この星は神様の手を離れ、少しずつこの星の生き物達にたくされていきました。

 そして、星の環境が整いだしたのです。しかし、神様が天から良くご覧になりますと生き物の寿命がとても短いのに気が付かれ、一番長生きをする木という植物に、天からの神様の分け御霊の小さな魂を入れてやることにいたしました。

 これからのお話はその神様の分け御霊である、木の精霊のお話です。(p.111-112)

 ということで、樹齢の長い古木を切った場合、人に何が起こるかという事例が具体的に記述されている。

 現代人は、何ら意識を向けることなく古木を簡単に切ってしまうけれど、古木に限らず、少なからぬ樹木には「木の精霊(木霊)」が宿っている。

 木霊の事例以外にも、造成された土地に建てられた住宅を購入した人に起こった、造成前の元地に関する因縁談も書かれている。木霊や自然霊に対して、何の配慮もなく不敬なことをしてしまっている現代人たちは、自分自身の身の上に起こるかもしれない「危うさ」を全く自覚していない。

 我々現代日本人は何も知らないで犯してしまっている罪の大きさが、どれほど大きいか理解することはできません。自分勝手に資本主義的な傍若無人のふるまいをし続けていれば、他の者の尊厳を脅かし、理解できないような不思議な体験をすることになるのです。(p.143)

 

 

【半身半霊のヒヨルコ様】

 この神様は私たちには見る事もかなわない。話が出来る者たちもほとんどいなかったので、ほんのわずかの人しか、この御方の事は知らない。この神様は日本の国を御造りになられたイザナギ様、イザナミ様の第二番目に生まれたお子様のことだそうだ。一人目は姫皇子であったが故、二番目には皇子様を、と皆が朗報を待ちわびたが、月足らずで生まれた弱い皇子様だった。胎児を包んでいる膜(胞衣)も産道で破れる事がなかった為、ヒルのような形状のものでお生まれになった。産婆はびっくりして胞衣を急いで破り中を見たが、そこには何も入っていなかった。しかし、両手に掲げ持った胞衣からは何もないはずなのに、確かにドクンドクンと心臓の脈の音が伝わってくるではないか。すぐに白山姫様(キクリ姫様)が呼ばれ、その胞衣に優しく声をかけられた。

 ・・・(中略)・・・。

「あなた様はどなたですか?」

「ヒヨルコと申します」

「どうしてお姿が見えないのでしょうか?」

「私は、半身半霊の姿ですので皆さまには見えないのかもしれません。もうすでに母のお腹の中で森羅万象、全てを理解しております。どうか私の事は無きもののとして、お取り扱いください」(p.92-93)

「あなたは折角この世に生まれて、このように生きているのです。どのようにして差し上げたらよろしいのでしょう」

「私は、このチダマの人間とは違いますが、・・・(中略)・・・人からは見えない身体も何かのお役には立ちましょう。食べることも飲むことも私には必要なく、暑さ寒ささえも私は感じません。私は天のエネルギーとチダマのエネルギーさえあれば長らく生きていけるのです。私は寂しくはありません。木霊や精霊、動植物とも交信ができます。生まれたばかりの何も知らない赤ん坊とは違うのです」

「しかし、あなたとお話しできるのは人としては、私のみではありませんか?」

ヒヨルコ様は静かでゆっくりとした口調で、このように話されました。(p.94)

「ご心配頂き有難うございます。・・・(中略)・・・。このように見えない身体に生まれましたのも、口がきけない全ての者たちの声を聞き取るようなお役目もあるのであろうかと思います。そのお役目を命つきるまで、しっかり務めたいと思います。私の魂は宇宙神霊の御心で大楠が受け取り、その魂がイザナミ様のお腹に宿り私が生まれました。・・・(中略)・・・。私の事はどうか無きものとして扱ってください。私にとって大切な楠(くすのき)と共にお流しください。さすれば大きな森を作りそこで静かに暮らしてまいります。私の声を聞き取る者も、いずれ出てまいりましょう。その者と会うのを今からの楽しみにしてまいります」(p.95)

「楠という木を御存じかな? 木の中でも大木になる木で200年を経た大木は精霊が宿ると言われている。木の枝や葉はショウノウと言う薬になり、大木は船や、家づくりの高価な材料になるのだ」 ヒヨルコ様の希望の楠でつくられた岩樟船(いわくすふね)を囲むように神様に付き従う人々による船団が出来ました。船頭は住之江の翁が高天原から仰せつかりました。

 住之江の翁は、後に皇女ヒルコ姫(=和歌姫=下照姫)の御世話役ともなられた方です。(p.96)

 イザナギ、イザナミの子として生まれたのは、5人ということになる。

 下記リンク書籍には、本書のヒヨルコ様のことは全く記述されておらず、4人として記述されていた。

  《参照》  『ワカヒメさまの「超」復活!』SUMIKO!・アマノコトネ・宮崎貞行(ヒカルランド)《中編》

           【ヒルコ(ワカヒメ)系図】

           【ヒルコ:名前の由来】

           【4つのお名前】

 本書のヒヨルコ様を加えると、正確には5人ということになる。上から順に、ヒルコ姫(=ワカヒメ=シタテルヒメ=ニウツヒメ)、ヒヨルコ(半身半霊の皇子)、アマテラス(皇子)、ツクヨミ(皇子)、スサノウ(皇子)。

 翁は白山姫様よりヒヨルコ様の事は伺っては居りましたが、・・・(中略)・・・「乳も飲まず、泣きもせず、どのようにお育てすればよいのであろうか」と思案に暮れる日々でした。(p.96)

 住之江の翁の心配は、動物の言葉を理解できるヤソ丸という5歳の子によって解消された。ヒヨルコ様は、ヤソ丸を通じて、住之江の翁に想いを伝えることができた。

 住之江の翁の決断で、ヒヨルコ様のお宮を立てる場所が決まりました。そこは島の最南端にある火山島を回り、入り江に入った所にありました。そこは大きな浜辺があり温泉の湯気が立ち上がり、岩樟船を引き上げるのにちょうど良い場所でした。(p.98)

 ヒヨルコ様のお宮が建てられた場所について、本書には具体的な記述がないけれど、別書によると、鹿児島県にあるらしい。

 

 

【移し身】

 ヒヨルコ様は、動物の身体に入り込むこと(移し身)ができるようになりました。それは、ある時の事、大楠の股にヒヨドリが巣をつくり、卵がかえるその瞬間にひな鳥が大蛇に狙われたことがありました。その時、この大蛇の中にすっと入り込み、ひな鳥を飲み込む前に大蛇の意識を変えることができたのです。

 それがきっかけとなり、どんな動物にも移し身をする事が出来るようになりました。ある時はカモメになり、またある時は鷹になり、大鷲になり、どこまでも飛んでいけるということもわかりました。(p.104)

 「移し身の術」って、アセンション系の用語でいうなら「ウォーク・イン」になるんだろうけど、忍者が使う「忍法」の世界で聞いたことがある人はいるはず。大元は「霊(礼)法」と言われる、超古代人たちが日常的に行使していた意識の使い方技法のひとつ。

 

 

【ヒヨルコ様の能力】

 ヒヨルコ様は大変に身が軽く、今ここにいると思うと、もう手の届かない木の頂上にいらしたり、音魂を使われて、波動で物を移動させたり、人の心を読み取られて、その人の希望をかなえてあげる様な事もされたのです。(p.101)

 半身半霊なればこそ、物質界で発揮できる技能は、これ以外に幾つもあったに違いない。

 しかしながら、ヒヨルコ様と会話できる人は限られている。皆と同じように年を取ることができないヒヨルコ様は、会話ができるヤソ丸とその孫のイサが亡くなってしまうと、大層、胸にこたえたらしい。

 そんな時、ヒヨルコ様を支えたのが精霊たちでした。(p.102)

 ヒヨルコ様は、精霊たちから、生命の源がある「精霊の島」があることを知らされ、その島に想いを募らせていた。そこで使えるのが「移し身」。渡り鳥に「移し身」して、「精霊の島」へ飛んで行った。

 ヒヨルコ様が精霊の島に旅立たれる時オオトリの姿の雲が空いっぱいに広がり、いつまでも消えませんでした。(p.106)

 ヒヨルコ様が向かった「精霊の島」とは、あの縄文杉のある屋久島のことだろう。

  《参照》  『命ということ心ということ』椋鳩十(家の光協会)

          【樹齢七千年の「縄文杉」】

  《参照》  『イルミナティとフリーメイソンとドクタードルフィン』松久正(ヒカルランド)《後編》

          【屋久杉】

 

 

【半身半霊のヒヨルコ様が見えるとき】

「私の体はいつも見えないが、月の光の下でのみ見る事が出来るでしょう」(p.97-98)

 この具体例が、以下のように書かれている。

 この地の温泉は海辺の砂の中にあり、・・・(中略)・・・、其処に身を浸して、温まるのです。・・・(中略)・・・。満月の夜、この温泉に入るのがことのほか好きでした。対岸の遠くに赤い火を噴く火山が見え、身体に銀色の砂鉄粉が付き、白く身体が輝きます。ヒヨルコ様の存在を信じる者たちが、唯一お姿を拝見できる瞬間です。(p.105)

 

 

【ヒヨルコ様の生きがい】

 ヒヨルコ様のお仕事を訪ねた時、嬉しそうに次のように答えられました。

「ものが生まれ出る感触は私にしかわからないものです。愛に満ち、この星の使命でもある生きることに一番近く、無償の愛によりこの星の魂になりうるもの達をこの目で捉え、優しく育てるのです。無の空間からポコポコと生まれいずる、生きる魂の源たち。有の世界への移行。このチダマにしか見つけることのできない世界に身を置く幸せを感じてこの仕事をし続けています」と答えられた。

「国を司ることを任された兄弟たちとは違い、この国の根本を支える命と生を手助けするものとして、生きることを喜びとしました。この国が豊潤な癒しの国であるように尽くすことが、この世に生きた私の喜びであり私のしごとです」(p.108)

 “この国が豊潤な癒しの国であるように” ・・・・・“癒し”。

 これを読んで思い出したのは、かつて熊野本宮大社のイザナミを祀る第一殿でプッツンしてしまった後に引いた、御神籤に書かれていた “癒し” というテーマ。

 母、イザナミの思いを継承し、それをダイレクトに体現していたのは第2子のヒヨルコ、そして、それを現実界に展開していったのは第5子のスサノウ。

  《参照》 『2013年から5万6千年ぶりの地球「超」進化が始まった』山田雅晴&上部一馬
         【植林の神】

 熊野は、イザナギ、イザナミ、ワカヒメ、スサノウが長らく生活していた土地である。

 

 

<了>

 

 

 アマノコトネ・著の読書記録

     『人類よ魂の向上を急げ』

     『富士神界の龍神からの緊急初メッセージ』

     『ワカヒメさまの「超」復活!』SUMIKO!・アマノコトネ・宮崎貞行