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 現実に根差したスピリチュアルな生き方を学ぶには、いいかも・・・と思いつつ、短時間で読めそうだったから読んでみたというだけ。著者は、アメリカに留学して学び、日本にその精神を伝えた草分け的な方らしい。1997年11月初版。
 今や日本を代表する言葉「おもてなし」に関する内容を夏休みのレポートにしようと思っている学生が、このブログにヒットして読んでいるかもしれないけれど、そんな人は、日本のサービス産業界で活躍している方々が著したビジネス書を読めば具体例はいくらでも見つけることが出来るだろう。

 

【留学時代の経験】
 ポール・スミス大学での実習試験で、教えらえた通りやっているのにNGと言われ、キツネにつままれたような気分だったという。
「わからないかい。確かに君の動作、形は完璧で、優秀なバスボーイには違いない。でも、そこに“どうぞおいしいお水をお召し上がりください”という気持ちを込めてお水を注いでいるかい。全く気持ちがこもっていないだろう。私たちのサービスという仕事は心、気持ちを込めてやらないと、とても寂しいものになってしまうんだよ」と。 (p.14)
 最初から「形より心」と言うと「形」が定まらないから、先に「形」を学んでから後に「心」の重要性を学ぶと印象が深くなる。
 普通の日常生活者だって、気持ちを込める場面が全然なかったら、だらけた人生になってしまうし、やりきれないほどつまらない人生になってしまうだろう。

 

 

【リッツ・カールトンのクレド(信条)】
 We Are Ladies And Gentlemen, Serving Ladies And Gentlemen,
 (私たちは紳士淑女にサービスする紳士淑女です) (p.31)
 子どもの頃は、ホテルのサービスが、望んでもいない上下関係におかれているようで非常に嫌だったのだけれど、おそらく、ホテルのサービスなどというものは、植民地のような世界、つまり主人とサーバントのような関係から始まったはずである。しかし、サービスを提供する側の地位が徐々に向上し、リッツ・カールトンのような信条が次第に確立するようになったのだろう。
            【クレドの共有と全総支配人化】
 しかし、日本人が言うところの「おもてなし」は紳士や淑女でなくたって、普通のオジちゃんやオバちゃんやオニイちゃんやオネエちゃんが普通にすることである。

 

 

【働く者同士のホスピタリティ】
 まず、お客様に対する以前に必要なのが、一緒に働く社員、スタッフ同士でのホスピタリティ環境づくりです。・・・中略・・・。
 だいたい身近で働く者同士がぬくもりや思いやりももてないような環境で、どうしてお客様に対するホスピタリティが生れてくるでしょうか。まず、各店、企業内でホスピタリティ環境を整備することが、第一のスタートです。(p.62)
 従業員同士でキチンと笑顔で挨拶するとか、お誕生日を祝うとか、その方法はいくらでもある。
    《参照》   『人生を立て直す36のヒント』 髙塚猛  第三文明社
              【「企業」 は 「人を止(とど)める業」】

 

 

【相手に自分の名前を告げる】
 あるレストランではサービスの冒頭にタイミング良く「ようこそいらっしゃいませ。本日このテーブルを担当させていただく***です」とウェイターが自己紹介をしています。相手に自分の名前を告げるということは、それだけでも非常に信頼性を増すことです。
 このように効果的にコミュニケーションを図れば、サービスの信頼性が深まり、お客様との人間関係が生まれてくるのです。(p.92)
 チャンちゃんは、たまたま先月2日間入院したのだけれど、それぞれに朝、看護婦さんが「本日担当する○○です」と名前を告げてくれていた。二日目の方は声が小さくて聞き取れなかったけれど、1日目に大きな声で告げてくれた看護婦さんとは、その挨拶を機に、暇つぶしにいろんな話ができて楽しかった。
 主治医は技術的に患者を救うけれど、看護婦さんは精神的心理的に患者を救うべき重要な役割を持っている。そもそもホスピタル(病院)において重要かつ大きな役割を持つのは、主治医よりむしろホスピタリティを発揮出来る看護役の皆さんなのである。
 「甲府共立病院7階の○○侑貴さん、ありがとね。お医者さんの回診に同行していたピンク色看護服の婦長(?)さんは、私の意向を全く叶えてくれませんでしたけど、あなたがメモしてくれた私の意向の数々は、すべて引き継ぎの方々に伝わっていていましたので、とても心地良く過ごせました。本当にありがとう」

 

 

【なんといってもコミュニケーション】
 コミュニケーションはさまざまな人間関係を構築する上での第一歩です。これなくして、より良い人間関係は成立しません。また、心、気持ちコミュニケーションを図ることによって初めて、相手に伝わるものなのです。つまり、コミュニケーションはホスピタリティあふれる環境作りに欠かすことのできないものなのです。(p.98-99)
 コミュニケーション力のない人物を部署のトップに置くのは、そのような人物を配置している管理者側の責任である。
    《参照》   『だから、あなたの会社は若い社員が辞めるのです!』 三橋孝夫 (文芸社)
              【管理者側に求められるもの】
              【「話す力」と「挨拶」の関係】

 

 

【チームワーク:FOR ではなくて WITH】
 これからの時代はFORでなくWITHだ。WITHの精神がない企業は決して成功しない。(p.102)
 分離の時代であった20世紀までは、直線的な男性原理で動いてきたから上下感覚のあるFORでも良かったけれど、融合の時代である21世紀は、円環的な女性原理を体現した組織なりグループが大きな力を発揮するようになる。次元上昇によって粗い粗雑なエネルギー波動帯が消え、全体的に波動が均質化するからそうなるのである。
 年間予算としてパート・アルバイトの福利厚生費や教育費などをきちんと計上することが大前提となります。
 さらに、前章でも述べましたが、経営者や店長はパート・アルバイトに対して、あくまでもFOR ではなくて WITH の意識を持つことです。(p.171)
 パートさんやアルバイトさんに対して、「あなたのために仕事をあげている」という思いは破壊的である。
    《参照》   『ゴキブリ団子の秘密』 松岡浩 (PHP研究所)
              【正社員とさわやか社員に差別なし】

 

 

【リッツ・カールトンの採用方法】
 リッツ・カールトンでは、セクションによっても違いはありますが、一人の社員を採用するために、5回も面接を実施することがあります。(p.174)
 1回目は、インタビュー・アナリストが適性検査のようなものを、2回目は人事担当者が適性検査の延長のようなものを、3回目は総支配人が、4回目は希望部署の責任者又は直属の上司と、5回目は同じ部署の同僚となるスタッフ達と。
 ここまですれば、間違いなく、企業理念に合った即戦力かつ長期戦力が得られる。

 

 

【TDLの採用基準】
 例えば、髪を赤く染めた青年が応募してきたとします。人間的にはしっかりした好青年だったので、外見の問題には目をつぶって採用しました。
 しかし、お客さまの中にはまゆをひそめる方もいらっしゃいます。たったこれだけのことでお店のグレードが決まってしまうというのが、現実なのです。
 そのため東京ディズニーランドでは、面接の際に必ず、面接者は身だしなみの基準について説明します。そこで応募者が従えないと答えればお引き取りを願います。(p.176-177)
 いくら時代が個性を尊重するようになったとはいえ、おのずと限界がある。
 サービス業でなければ、外見不問という企業はあるかもしれないけれど、そのような企業は、おそらく永続的な優良企業にはなり得ないだろう。どのような業種であれ、相手(顧客)の思いあっての企業活動である。

 

 

【採用基準にホスピタリティ要素を】
 “笑顔がとてもいい”とか、“温かさがあふれている”とか、“話し方が優しい”といったホスピタリティ要素まで、採用基準に取り入れている企業が一体いくつあるでしょうか。
 日本のサービス産業では、まだこうしたホスピタリティ要素のスタンダードの確立が遅れていますが、これこそが大切なのです。(p.177)
 一般人読者とすれば、サービス産業であってもホスピタリティ要素が採用基準として確立されていなかった、ということの方がビックリする。

 

 

<了>