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 タイトルの70倍とは、著者がオール電化のシェアを70倍に伸ばしたことを意味しているらしい。簡潔な記述で分かりやすい。営業の基本ポイント集みたいな著作である。2008年11月初版。

 

 

【ものが売れない営業マン】
「ものが売れない営業マン」には、「共通点」があります。
 その「共通点」とは、ひとことでいうと、「その日暮らしの営業をしている」こと。
「営業マンが弱体化」している理由は、「ノウハウ」をためようとしないまま、ただ「その日暮らしの営業」に終始しているからではないでしょうか。(p.47)
 営業マンなのに、営業関連の本など一冊も買って読まない人々はこうなってしまう。本の中には必ずノウハウがいくつか書かれている。
 一般生活者でも、能力開発系や自己啓発系の本など一冊も買って読まない人は、人生のノウハウを蓄えることができないだろう。
 お相撲さんも、上位で安定している力士は、過去の取り組みを注意深く見て、いろんな技の使われ方をじっくり研究しているはずである。土俵稽古だけでは、優れたノウハウはたまらない。

 

 

【ノウハウを系統立てる】
 私には、「購入につなげる流れやしくみ」を知らなかったり、知らぬうちに遠回りをしたり、わき道にそれたり、不要な知識ばかりため込んだりと、「営業活動のノウハウは持っているのですが、系統立てて整理されていない」 ように思えるのです。
 ですから、これからの営業マンに求められているのは、あなた自身が、「人気のホームページ(オンライン・ショッピングサイト)と同じような存在として「あなた自身をシステマティックに、しくみ化、自動化すること」なんです。(p.53)
 最近のインターネット上のショッピングサイトは、確かに買い物がしやすく系統だった流れになっている。このようなHP作成上の工夫と努力があったからこそ、IT系企業が販売に関して大きなシェアをもつようになったのだろう。
 インターネット情報だけでは購入を決断できないものはいっぱいあるだろうから、そのような商品・分野では、営業マンが、説明から購入まで一連の系統化されたノウハウをもてば、大いに効果的なのだろう。
 学問に関しても同様、系統化・体系化されないと価値を生まない。

 

 

【「ないない」でも「あるある」】
「ないない族」や「くれない族」の営業マンは、自分の商品の「欠点」はいくらでも挙げられるのに、自分の「商品のよいところ」=「UPS(Unique Selling Proposition)」を見つけられない状態なんですね。
「UPS」=「独自の販売提案」 (p.59)
 UPSという単語、本の序盤部分にも出てきたけれど、意味の説明が書かれていたのは、実にここ59頁である。左脳頭の男性読者は、こういう構成にちょっとイラツクだろうけど、著者は女性である。
 ところで、自分にとって「商品の良いところ」が見つからなくても、視点を変えてみれば、その「商品の良いところ」は必ずある。
「浄水器フェア」があったのですが、私が扱った浄水器は、隣のブースの浄水器よりも機能が少なく、価格が高い「ないないづくし」の商品でした。
 他のメーカーよりもあきらかに劣っている(ようにそのときの私には思えた)浄水器の前で手を拱いていると、 ・・・(中略)・・・ そのお客様は、なんと、私が扱う浄水器を「いちばん好き」だとおっしゃってくださったのです。
 お客様は意外にも、「機能が少ない」から「それだけ使い方が分かりやすい」。「価格が高い」から「それだけ安心」だと考えていたのです。
 この出来事は衝撃的で、私にとっては「ないない」でも、そのお客様にとっては「ある、ある」だったんです。(p.65-66)
 学生時代、エアコン販売のバイトでこれとほぼ同様なことを経験したことがある。それは、下記のコメントに書いておいた。
   《参照》   『「売れる営業」に変わる本』 和田裕美 (ダイヤモンド社)
            【エネルギー】

 人の価値観は十人十色。
 要するに、「お客様の価値観にジャストフィットした説明」さえできれば、商品の「欠点は欠点でなくなる」わけですね。 (p.66-67)
 開発者や営業マンにとっての価値観からではなく、お客様の価値観からみたUSPを表現できるように準備しておくのも必要。
 「良い物を勧めたい」という正義感や倫理観的な考えは、そう考える人の価値観に基づいている。
 相手の価値観が自分のものと違えば、正義も倫理も意味はないのである。

 

 

【第一印象をよくする「3つのポイント」】
 アメリカの心理学者、メラビアンは、第1印象は、「初対面のわずか数秒間で決まる」といっています。(=メラビアンの法則)。その反判断基準は、
「視覚的情報」 ・・・ 外見や態度   (55%)
「聴覚的情報」 ・・・ 声の質や話し方 (38%)
「言語情報」 ・・・・ 話の内容    ( 7%) (p.156)
 アメリカにテレビが普及した1950年代頃から、アメリカではこのような研究が盛んになっていた。
多くの著作に、ケネディとニクソンが競った1958年の大統領選のことが、しばしば言及されているだろう。
【視覚的情報】
□ 明るめのスーツを着る
□ 笑顔を絶やさない(鏡の前で笑顔の練習をする)
□ 胸を張って背筋を伸ばす(大きな声が出るようになる)
□ 動作はゆっくり、堂々と
【聴覚的情報】
□ 普段より大きな声で話す
□ 口を大きく開ける(滑舌がよくなる)
□ 語尾を強く話すようにする(自信があるように聞こえる)
【言語情報】
□ 1文を短めにする
□ 「えっと」、「あ~」などの言葉はできるだけ入れない
□ 必要以上にへりくだらない   (p.156)

 

 

【自動連鎖】
 ほんとうに「いい買い物」をすると、人間は「誰かに伝えたいという気持ち」にスイッチが入るんです。(p.164)
 確かに。
 女性の時代、とか、口コミの時代、というタイトルの著作があったけれど、実際に人から人への口コミは力があるだろう。インターネット上では、しばしば「やらせ」が行われているから、全部が全部は信用できない。
 私が「70倍もシェアをのばすことができた」のは、「新規客・見込み客」を「ホーム」に引き込んで、実際に使っている使用者の方々に、商品の「使用感」を語ってもらい、お客様同士でその商品の「USP」のよさを共感し合うことに注力したからなんです。(p.176)
 満足度の高いお客様の「実感がこもった言葉」は、営業マンのどんな言葉よりも「最強のセールストーク」になるんですね。(p.178)
 これがタイトルの意味するところ。
 本を読む場合でも、体験記が面白いのは、「実感のこもった言葉」や「真実の体験」が記されているから。

 

 

  《営業関連:参照》

 

 

<了>