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 この本は、2012年4月初版だけれど、出版当時より今の方がタイトルにピッタリマッチしている。現在の円安・株高は日本を背後で操るアメリカによる誘導だろう。『アメリカは日本経済の復活を知っている』を著した浜田宏一教授が考えるように、純粋に経済学的に視て日本の金融緩和は正しいとしても、日本の庶民は殆ど潤わないだろう。

 

 

【ジャブジャブ路線による円安・株高】
 ヨーロッパすべての大銀行たち(実質はどこも破綻している)に資金をジャブジャブに供給するという異常事態への緊急対応の金融政策が行われた。そのことで、ヨーロッパ中に不足分の資金を供給した。ただしお金は銀行などの金融機関と各国政府にだけ回る。一般庶民には回らない。ヨーロッパの金融業界(これを市中という)にだけあふれかえった資金(信用貨幣)は、アメリカに流れ出す。そしてアメリカの株高(ニューヨーク株式高値1万3000ドル台)を引き起こした。
 同時に“強いドル”の出現で、米ドルが上がった(1ユーロ=1.25ドルへ)。日本に対しても、円安・ドル高と株高を現出させてやると決めたということだ。世界権力者たちによる権力者共同謀議(私は陰謀というヘンな言葉は使わない)は、いつ、どのように決められていったか、後のほうで詳述する。(p.22)
 この本が書かれていた昨年の今頃、日銀はハイパーインフレを極度に警戒していたからとしか考えられないけれど、欧米のようには金融緩和をしなかった。その結果は、各国通貨量の相対差による円高・株安で、結果的には日本経済の首を絞めているようなものだった。
 安倍政権になって日本経済は、副島さんの言う“権力者共同謀議”に乗ることになったのだけれど、これも、つまりは、日本の金融緩和分をアメリカに流すことが目的なのである。そのめどが立ったからFRBのバーナンキは、アメリカは蛇口を占める(金融緩和をやめる)という示唆をするようになったのである。
 世界中のジャブジャブマネーは、金融業界に利用されるだけで、結局のところ庶民にはほとんど回ってこないまま、再び投機筋が画策する流動性の危機に怯えつつ日々を過ごすことになるんだろう。増税を画策してきた官僚だけは、数値上の日本経済回復で消費税増税を堂々とできてご満悦なんだろうけど、ほとんどの庶民は消費税増税分の負担が増すだけである。

 

 

【イスラエルの核弾頭】
 ここではっきり書いておく。日本国内では誰も書かないから私が書く(賢いデビ夫人を除いて)。イスラエルは核兵器を持っている。200発核弾頭を持っている。本当は250発持っている。これは国際社会では公然の事実だ。知らない、とは言わせない。では、なぜイランが核を持っていけなくて、イスラエルはいいのだ。答えることができる人がいるなら答えてみろ。(p.42)
 こういうことをはっきり書くから、副島さんの本は面白い。
 すべて石油がらみなのは言うまでもないことだけれど、ファナティックな宗教思想と、これを利用しつつ暴利をむさぼっている軍需産業が背後にあるから、エスカレーションの梯子は容易に外れない。外すくらいなら、盛大なる祝祭としての戦争をするのが使命だと盲信している人たちが本当にいるのである。だから盲信者とそのパトロン(軍需産業)にとっては、イランも核を持ってくれた方が本当は祝祭が華やかになっていいのである。そのつもりで移住先も完備している。
   《参照》   『2015年に来る真の危機から脱出せよ!』 中丸薫 (青志社) 《後編》
               【河豚(フグ)計画】

 

 

【景気回復させてやるから、邪魔をするな】
 ジム・オニールが年末から日本に頻繁に来ていた。ヨーロッパ救済で資金供給をジャブジャブにするから日本の株も上げてやる、日本の景気回復させてやる、と。だから、自分たちが日本の株を買い込むので邪魔をするな、という合意を日本の財務省とその子分の金融庁のトップたちと隠密でした。(p.50)
 ジム・オニールというのは、ゴールドマン・サックスのアセット・マネージメント(資産管理だけれど要は富裕層向けビジネス)部門の会長。イタリアのマリオ・モンティ首相もゴールドマンがらみで、世界恐慌にならなかったから、悪しき連中は全部一掃されていたと思ったら大間違い。世界中をジャブジャブにしただけで、主要な地位は、未だにゴールドマン系列の人材が支配しているらしい。
   《参照》   『2012年、日本経済は大崩壊する』 朝倉慶 (幻冬舎) 《後編》
             【ヨーロッパに巣食うゴールドマン・サックス人脈】

 

 

【こんなものを「問題の解決」と言うのか】
 私が今でもわからないのは、・・・中略・・・ 勝手にジャブジャブに通貨量を増やして、これで問題の解決になるのかということだ。こんなものを「問題の解決」と言うのか、という大きな疑問だ。だが、世界権力者たちは、すべてを大きく押しつぶすようにして、これをやってしまった。(p.79)
 まったく。
 本来なら、景気を良くするためにカンフル剤として、高額な軍需品を多量に消費する戦争が実施される予定だったのだろうけれど、それができなかったのだし、そもそもジャブジャブに近かった資金が複雑怪奇に膨れ上がった金融商品に吸い込まれて破裂させられたから、世界権力者たちはさらなるジャブジャブ供給によって自分らを延命させるしかなかったのだろう。
 経済危機という視点でいうなら、通貨危機と流動性危機を行ったり来たりすることになるだけである。
 EUは実質破綻していたギリシャをEUから切り離して倒産させることで解決するという方法を取らなかったのだから、EU以外の諸国家もこれを先例として、これからジャブジャブを選択しつつ最悪を回避するという選択が可能になるだろう。(でもまあ、経済圏に守られていない普通の国なら、ハイパーインフレで即死だろう)
 であるならば、最終的には、超法規的にどのようにでも通貨発行する権限を持つ者が世界を支配することになってしまう。通貨発行権を一握りの権力者が握っている限り、あるいは、人類が貨幣経済を選択し続ける限り、このような隘路から出る方法はないだろう。

 

 

【欧州通貨当局の決定】
 資本主義の先進地域である欧州で、しかも通貨当局が、資本主義の秩序を根本から揺さぶる決定を行ったのである。・・・中略・・・。国債CDSの100兆円のほとんどすべてを、パーにして、「売り手も買い手も全く払わなくていいし、請求(要求)してもいけない」と契約そのものをすべてCDS制度ごと押し潰してしまったのは許しがたいことだ。(p.140-141)
 この決定がなされたのは2011年の10月末だった。
 副島さんは「資本主義の根本にある契約を反故にするのは許しがたい」と書いているけれど、反故にせず、「資本主義の制度を利用して、CDSという金融商品を編み出しこの契約を推し進めてきた悪知恵タップリの連中が、国家が国債倒れすればするほどボカスカ儲かるのは仕方がない」とも言えないだろう。
    《参照》   『ステルス・ウォー』 ベンジャミン・フルフォード (講談社) 《前編》
               【リーマンショックによる倒産保険金の行方】

 結論とすれば、欲望に基づく資本主義なんぞは、契約を守ろうが守るまいがどのみち誰かが割を食う「定め」であり、畢竟するに制度自体が行き詰まる「定め」なのである。
 しかし結果的に、欧州通貨当局のこの決定によって、資本主義が延命してしまった。

 

 

【日本で予定されていた新政権のシナリオ】
 橋下徹は小泉純一郎にそっくりだ。メディア(テレビ・新聞)が始めから大阪で橋下人気を計画的に作り出し、関西の世論の圧倒的な支持を作り出した。この手法も、小泉首相による「劇場型」政治の再来そのものだ。やはりアメリカが大きく背後から仕組んでいる動きだ。とにかく公務員、労働組合を目の敵にすることで人気を上げた。たしかに市役所の公務員たちの、仕事をしない怠け者ぶりは一般庶民の憎しみの的である。この点は私もよく理解できる。(p.167-168)
 チャンちゃんもスッゴクよく理解できる。
 橋下徹は次の政権でいきなり副首相(副総理)のような重職につくだろう。こうした劇場型政治を推進しているのは「三宝会」という上部組織である。(p.168)
 シナリオ上の首相は石破という三白眼の凶悪な人相をした国防族のネオコン親父だった。このペアが実現していたら今頃尖閣で火を噴いていただろう。
 「三宝会」については下記リンクの末端をたどれば行き着くけれど、その途中の記述を読めば宗教界を含んで、アメリカの属国と成り果てている日本の全体状況がよくわかるはずである。
    《参照》   『3・11人工地震でなぜ日本は狙われたか〔3〕』 泉パウロ・高山長房 (ヒカルランド) 《後編》
               【日本のフリーメーソンたち】

 

 

【日本の影の最高意思決定機関である「三宝会」】
 現在では日経新聞の杉田亮毅会長が(「三宝会」の)主導権を握っている。
 その日経新聞は、創価学会が大きな勢力を占めている毎日新聞と良好な関係にある。この杉田会長とワシントンDCでつながっているのが、日高義樹ハドソン研究所主席研究員である。この人物を介して世界最高実力者であるデイヴィッド・ロックフェラーに連なる。日高義樹氏夫人が前副大統領のディック・チェイニーの夫人リン・チェイニーの秘書だったことも指摘できる。リン・チェイニー女史はアメリカ共和党の軍需産業に強大な影響力をもつ。
 日本の影(非公式とも言う)の最高意思決定機関である「三宝会」と小泉元首相の系列がすべて「小沢一郎憎し。小沢の政治生命を奪え」で動いている。(p.170)
 日経新聞の杉田亮毅会長については下記。アメリカの威を借ると何でもアリである。
    《参照》   『亡国から再生へ』 高杉良 (光文社) 《前編》
                【日本経済新聞の腐敗ぶり】