《前編》 より
【量から質へ】
日下 先行した国はとっくに「近代化」の過程を完了し、爆発的膨張から卒業している。本当のことをいうと、日本はすでに近代化を達成してしまい、次のステージに入っている。
その「次のステージ」とは、「かわいさ」や「クール」「親しみやすさ」という「質」の充実である。経済も人間生活も、「量」から「質」に変わったと考えれば、いまの経済指標にあまり意味がない。国民総生産(GNP)や国内総生産(GDP)といった指標では計れない価値が、いくらでも生まれていることに気づくだろう。(p.105)
《参照》 『「質の経済」が始まった』 日下公人 (PHP研究所)その「次のステージ」とは、「かわいさ」や「クール」「親しみやすさ」という「質」の充実である。経済も人間生活も、「量」から「質」に変わったと考えれば、いまの経済指標にあまり意味がない。国民総生産(GNP)や国内総生産(GDP)といった指標では計れない価値が、いくらでも生まれていることに気づくだろう。(p.105)
【本当のトップは日本】
《参照》 『 「道徳」 という土なくして 「経済」 の花は咲かず』 日下公人 (祥伝社)
《参照》 『あと3年で、世界は江戸になる!』 日下公人 (ビジネス社)
《参照》 『「見えない資産」の大国・日本』 大塚文雄・Rモース・日下公人 (祥伝社)
日下 本当のトップは日本で、それをこれから決めるのは世界の新興国である。 ・・・(中略)・・・ 中進国がどの国のマネをするかによって、先進国が決定されるのである。 ・・・(中略)・・・ 。
日本は以下の条件から、近代を越えた「脱・近代モデル」が世界一完成している国である。
・モラルや道徳のある経済の実践
・GDPの指標で測れない価値の創造
・軽量化、数値化、可視化できないものに対する敬意や関心、および暗黙知 (p.112-113)
国が発展してゆく時、経済力が弱い段階では、安価な製品を造る国の製品が選ばれる。つまり後進国は中進国のマネをする段階がある。しかし、ある程度経済力がついて中進国になれば、その国は先進国のマネをするようになる。先進国の中でどの国のマネをするのか? 当然、技術力に秀で、道徳に秀で、見えない価値を大切にし、経済的に安定した国・日本が選ばれることになるだろう。日本は以下の条件から、近代を越えた「脱・近代モデル」が世界一完成している国である。
・モラルや道徳のある経済の実践
・GDPの指標で測れない価値の創造
・軽量化、数値化、可視化できないものに対する敬意や関心、および暗黙知 (p.112-113)
《参照》 『 「道徳」 という土なくして 「経済」 の花は咲かず』 日下公人 (祥伝社)
《参照》 『あと3年で、世界は江戸になる!』 日下公人 (ビジネス社)
《参照》 『「見えない資産」の大国・日本』 大塚文雄・Rモース・日下公人 (祥伝社)
【世界で突出する日本】
日本人や日本文化が “高い” のは「人間味」という基盤に立脚しているから。それが「未来への突出」となる因子である。
日下 中国の一休みは、おそらく一世代続く。
一方、日本の一休みはもうそろそろ終わる。父親が目指した困苦欠乏からの脱出と、その子供たちが求めたアメリカ型の物質文明の取り入れは満喫したからで、これからは日本式の情感豊かな文明づくりの時代になる。
その特徴を一ついえば、多様性だと思う。日本に住めば世界のよいものが何でも揃っている。「未来への突出」もある。(p.123)
最近は、諸外国と比べた日本人・日本文化の良さを伝えている番組が色々あるので、日本人自身が日本を再認識しているだろうけれど、人も文化も必然的に高い方から低い方へ流出して行くことになる。一方、日本の一休みはもうそろそろ終わる。父親が目指した困苦欠乏からの脱出と、その子供たちが求めたアメリカ型の物質文明の取り入れは満喫したからで、これからは日本式の情感豊かな文明づくりの時代になる。
その特徴を一ついえば、多様性だと思う。日本に住めば世界のよいものが何でも揃っている。「未来への突出」もある。(p.123)
日本人や日本文化が “高い” のは「人間味」という基盤に立脚しているから。それが「未来への突出」となる因子である。
これまで世界の経済を占めた経済学の最大の欠点は、「人間味」をすべて削ぎ落としたうえで、経済活動や経済行為を分析・理解しようとしているところにある。そこで、人間味を加味した経済学か、または経済を横に置いた人間学が求められるようになっている。(p.138)
「かわいさの経済学」「親しみの経済学」「クールの経済学」等々、他にも無数の経済学がありうる。(p.140)
「かわいさの経済学」「親しみの経済学」「クールの経済学」等々、他にも無数の経済学がありうる。(p.140)
【中国に対する円借款】
北京の市民が、日本の技術力によって環境改善することより、尖閣問題で対立することを選ぶと考えたがるのは、前世紀的頭脳しかない「戦争の犬たち」だけだろう。
長谷川 中国に向けても公害対策の円借款がどんどん付いています。たとえば重慶で、石炭火力発電所の無公害化を円借款で行いました。三菱重工が、石炭火力を無公害化するために、世界で唯一ともいえる高い技術力をもっているのです。
日下 重慶に行ったことがありますが、煤煙で真っ黒の町でした。長江は真っ黄色。環境改善の社会資本投資と日本の技術という方向で、日本は生きていくのでしょう。(p.171)
重慶は首都ではないから当時の状況はニュースにならなかったけれど、最近は、当時の重慶の様子さながらの北京の街の様子が頻繁に日本のテレビで放映されている。日下 重慶に行ったことがありますが、煤煙で真っ黒の町でした。長江は真っ黄色。環境改善の社会資本投資と日本の技術という方向で、日本は生きていくのでしょう。(p.171)
北京の市民が、日本の技術力によって環境改善することより、尖閣問題で対立することを選ぶと考えたがるのは、前世紀的頭脳しかない「戦争の犬たち」だけだろう。
【日本ほど強い重厚長大産業を持っている国はない】
長谷川さんは、重厚長大型産業の技術力における日本の凄さを教えてくれている。
日下さんは、人間味あふれる日本のソフトパワーの凄さを教えてくれている。
産業の基幹となる重厚長大型産業技術においても、ハードのコアとなる部品製造技術においても、ソフト文化の核である人間性の面においても、日本は他国の追随を許さないほど圧倒的にリードしている。
どうしたって日本は世界の中心に立つようになるのである。
長谷川 結論としては、技術を磨いていくのはもちろんですが、進路としては重厚長大の良さをどんどん生かしていくべきです。日本の一番の強みは重厚長大です。日本ほど強い重厚長大産業を持っている国はありません。(p.181)
重厚長大型産業は、流行に流されることなどない。特に日本のような高い技術力を持つ国の重厚長大型産業は盤石である。工業技術に関する特許貿易額でも、すでに日本は世界一になっている。物を作らなくても特許だけで食べて行ける企業がいくつもあるのである。それほど、日本の工業技術界および重厚長大型基幹産業は、圧倒的に強い技術体質を持っている。長谷川さんは、重厚長大型産業の技術力における日本の凄さを教えてくれている。
日下さんは、人間味あふれる日本のソフトパワーの凄さを教えてくれている。
産業の基幹となる重厚長大型産業技術においても、ハードのコアとなる部品製造技術においても、ソフト文化の核である人間性の面においても、日本は他国の追随を許さないほど圧倒的にリードしている。
どうしたって日本は世界の中心に立つようになるのである。
<了>
長谷川慶太郎・著の読書記録