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 1995年に「日本顔学会」が設立されたという。様々な分野の人々が参加しているらしい。顔については分野別に多面的な見方があり、それらがコンパクトに記述されている。著者はコンピュータを用いた数値解析による顔の研究を行っている電子情報工学の教授。アニメ作家たちが実践していた表情の書きわけは、コンピュータの出現によって急速に進化し今やCGの世界で多用されている。

 

 

【正面顔文化・横顔文化】
 顔学会の中心になっているポーラ文化研究所の村澤博人さんは、正面顔文化・横顔文化という観点から興味深い研究をなさっています。欧米人が比較的横顔を気にするのに対し、日本ではもっぱら正面からの顔だけが重視されるという指摘です。(p.25)
 下記のリンクから辿ればポーラ文化研究所が編集した著作にゆける。
   《参照》   『夜は暗くてはいけないか』 乾正雄  朝日選書
             【ロウソク と 蛍光灯】

 

 

【小顔】
 小顔というのはまだ大人になっていない顔、いわば幼児的な顔です。それにあこがれるということは、ある意味では社会そのものが幼児化している、大人よりの子どものかわいらしさをもてはやす社会であるということを反映しているのかもしれません。(p.41)
 「小顔とは、いわば幼児的な顔」って本当妥だろうか? 八頭身美人っていうけれど、小顔の方が体との比率で全体的に美しいという意識が元というだけだろう。そもそも幼児は体に比べて顔は大きいのだから、この点で言っても小顔≒幼児的顔とは言えないんじゃないだろうか。
 今日のように映像技術が発達していなかったちょっと前までは、舞台にたつ歌手や役者さんは、顔が大きいほうが相応しかった。そうでないと後方席の観客は表情を読めないのである。顔が大きいことは大スターの条件ですらあった。今日の歌手が歌うコンサート・ステージには、背後に大きなスクリーンが用意されているから、顔の大きさなんて関係ない。むしろイメージ先行の若者にとっては、頭が大きいとカッコ良くないと思われるだけである。

 

 

【顔に興味がある歯医者さん】
 日本顔学会の会員でいま人数が一番多いのは歯医者さんですが、その理由はそういうところにあったのです。(p.43)
 その理由とは、咀嚼と言う機能面より、歯列矯正による見た目の大切さが、近年では前面に出てきているから。
 固いものを食べなくなった現代人は、昔の人に比べたら顎が細くなっているけれど、このままの推移で人間と言う種族が維持できるかどうか、心配に思う人は少なくないはず。
   《参照》   『言霊アワ歌の力』 石田英湾 (群馬マクロビオティックセンター)
             【噛むこと】

 

 

【平均顔】
 平均顔を合成することによって、その集団の顔の特徴を見やすく画像化できるのです。(p73)
 数値処理によって画像化された50年前、現在、100年後の平均的な男子高校生の顔が掲載されている。幅のある楕円がが、やや長くなり、100年後は縦長の逆三角形になると予測されている。もちろん食べ物の影響。
 昔はもっとゴッツイお兄ちゃんがいっぱいいたはずだけれど、50年前の平均的な男子高校生の顔もえらく美男子になっている。
 平均顔が美男子になるのはある意味では当然でした、平均をとるとバランスがだんだん取れてきます。(p.72)
 「普通の顔」と言ったら「並みの顔」という冴えない意味になっちゃうけれど、解析上の「平均的な顔」といったら「美人」である。
   《参照》   『ひとめぼれの法則 - 顔からはじまる運命の恋 - 』  スジー・マリン  小学館プロダクション
             【美人は平均値】

 

 

<了>