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 コンサルタントさんの書籍は、具体的に学べる点が多い。これがこの手の書籍を読む場合のメリットである。

 

 

【新業態へのシフト】
 新業態へのシフトは、確かにリスクを伴うチャレンジです。しかし、それを怠って既存顧客との取引にしがみついていることはもっと大きなリスクにつながります。(p.32)
 著者がコンサルしてきた宝石の事例でいえば、以下のように売り方が変わってきている。
 従来は宝飾品専門店での売り上げがほとんどを占めいていた宝石・アクセサリーが、最近では 「コムサデモード」 や 「オンワード堅山」 などのアパレルショップでよく売られているのです。つまり、取り扱っているファッションに合わせて、お店が宝石をセレクトして売る形態がお客さまの心をつかみ急激に売り上げを伸ばしています。(p.31)
 経済的に未発達の国ではリングが売れ、発達した国ではネックレスなど宝石サイズがリングより大きく単価の高い商品が売れるようになる。(顧客にとって 「満足=興奮」 を得るための単価が上昇する)
 さらに、経済的に発達し文化も若年を含む日本化が進行すれば、キラキラアニメのキャラクターさながらに、コーディネイトジュエリーの領域が拡大する。

 

 

【OFC:オペレーション・フィールド・カウンセラー】
 当然ながら、社員の間で共有される暗黙知の領域が大きくなればなるほど、より全社的なコンセンサスがスムーズに得られるようになり、企業の体質は強くなっていきます。この 「徹底的なコミュニケーション」 の精神を地で行っているのが、イトーヨーカ堂の鈴木敏文会長です。
 イトーヨーカ堂では、全国各店舗(加盟店)のコンサルティングを行うために、オペレーション・フィールド・カウンセラーという役職を設置しています。 ・・・中略・・・。 トップの考えをなるべく多くの社員たちで共有することの大切さを熟知しているからにほかなりません。 (p.70)
 ここまでしても、「判断の物差し」 が社員間で曖昧になってしまうことがありうる。いわゆる、コミュニケーション・ロスが発生している場合である。

 

 

【コミュニケーション・ロス】
 コミュニケーションには “頻度” ではなく “質と深さ” 、そして “ハート” が欠かせません。これは、要するに 「肚を割って話す」 ということです。 (p.79)
 

【 「伝わったこと」 が情報】
 顧客との関係でコミュニケーションを考えると・・・・
 コミュニケーションにおいては、あくまでも 「伝わったこと」 が情報であり 「伝えたことは情報ではない」 ということを前提にしなければなりません。・・・中略・・・。
 マーケティングの世界では、これを「レベル・マーケティング」、別の言葉で 「コンシューマー・レレバンシー」 と呼びます。買い手の目線やレベルに合わせた表現で、商品の情報を伝えるという意味です。 (p.106)
 こういうコミュニケーション能力は、OJTで経験的に上達してゆくしかないだろう。顧客の年齢、性別、階層、教養などで使う用語がピッタリはまらなければ最高のコミュニケーション(セールストーク)にはならない。
 対顧客だけではなく、対社員のコミュニケーションにおいても、これは活用されねばならない。
 いまさら若者言葉を勉強することはない(私だって嫌です)にせよ、なるべく彼らに通じそうな言葉を選んで話すしかありません。
 お客様に対してだけではなく、自分の部下にも 「彼に通じる言葉で」 話す配慮が、いまやマネジメントには欠かせなくなっています。 (p.150)
 シンドイ世界である。

 

 

【企業文化はマネジメントではなくマーケティングで決まる】
 やはり企業文化というものは、「自社にお金を払ってくださる顧客にどう接するのか」 ということをベースに形成されるべきものだと思います。なぜなら顧客との接点(=現場) にこそ、企業の精神性や文化の根源が集約されると考えるからです。(p.82)
 企業文化はマネジメントである、と考えてしまうのは、上がった利益の還元過程ばかりを考えてしまうからなのだろう。福利厚生とかメセナは企業のベース(基底)文化ではない。後ずけのアディショナル文化である。

 

 

【千円と1万円の心理的中間点】
 心理学と数学は不可分で、実はコインの裏表みたいな関係なのです。
 たとえば、心理学では 「人間は価格を 『絶対値』 ではなく 『相対比率』 でとらえる」 と教えます。この理論は、絶対値や相対比率といった数学用語が入っているのを見てもお分かりの通り、心理学であると同時に数学です。ですから 「千円と1万円の心理的中間点はいくらか?」 と問題を出されたら、数学をやっていた人は単純に足して2で割るようなことはせずに、足し合わせた1万1千円の平方根(ルート)をとります。
 この問題の正解は、足して2で割ったときの5500円ではなくて、√11000=約3162円なのです。  (p.87)
 著者は、家の事情で実業の世界を生きることになったけれど、そうでなければ数学の世界で生きていただろうと書いているほど数学の能力に秀でた方。また船井会長の経営理論を数式で表し、それらを片対数のグラフに表してみたら、あまりにも見事におさまったので、神を感じたというふうな記述すらある。

 

 

【関西圏最大のボーリング場の秘密】
 いまではありませんが創業当初は、あらかじめピンの底を少し削ってあって、実力以上のスコアが出るように細工が施してあったそうです。 (p.120)
 ボーリングのプロからみたら邪道であろうけれど、底辺の拡大という広い意味で解釈すれば邪道とはいえない。ハイスコアという 「興奮」 を売り物にすれば、ゲーム代を安売りせずとも売れるという事例である。
 ついでに、著者自身のボーリング歴も記述されている。
 何を隠そう私は昔、ボウリングの学生チャンピオンだったこともありました。 (p.121)

 

 

【会社の歴史は常に語り続けなければならない】
 先日あることに気づいて少しショックを受けました。それは、前社長の名前を知らない社員が、全体の3分の2を占めていたことです。全体会議の席上で、前列に座っていた若手社員に 「前社長の名前を漢字で書けますか?」 と尋ねても、ほとんどが答えられませんでした。 (p.195)
 これを読んだ私は、「ウッソー」 と驚嘆した。 「船井幸雄さんの名前を知らずに、船井総研に入社できるんかい」 と “おっ魂消(たまげ)る” ではないか。多くの船井幸雄(前社長)さんの読者は、逆に現社長の著者がいつから社長になっていたのを知らなかっただろうに・・・。

 

 

【孤独感と充実感の分岐点】
 自分のためだけに生きているとき、人は孤独感にさいなまれます。社会の中で生かされ、生き生きと働くことが、どこかで人の役に立っていると実感できて初めて、人間は心の底から充実感を得られるはずなのです。(p.205)
 んだ。

 

 

【挑戦しない人生に達成感はない】
 すぐあきらめてしまう人は、「いまの自分」 と 「なりたい自分」 とのギャップを埋めるところまで努力を続けるエネルギーが欠落しているのです。

 成功は夢見たときから走り出す
 夢は逃げない
 あなた自身が夢の前から逃げ出しただけだ
 夢はいつもそこにいる

 これは私が好きな 「夢は逃げない」 という詩です。 (p.219)
 「夢」 を 「目標」 という言葉に置き換えても同じであろう。
 車椅子のサッカー監督も、奥さんから同じような言葉を贈られていたっけ。
    《参照》   『みんなの声がきこえる』 羽中田昌 四谷ラウンド
              【サッカーコーチを目指して】

 

 

【イザナギ、イザナミの国生み神話の意味】
 日本書紀は、伊弉諾と伊弉冉の両尊が日本を生むところから始まります。・・・中略・・・。実は 「いざ」 は “気” を表し、「なぎ」 は “エネルギーが停まっている状態”、 「なみ」 は “動いている状態” を指しています。つまり日本書紀の冒頭には、 “静” と “動” のエネルギーが融合することで新たな命が誕生する、という意味が込められているのです。 (p.222)
             【タカヒマラにおけるイザナギとイザナミ】
 著者の書籍には、このような日本文化の根源に関する記述が1つは書かれている。元マッキンゼーの大前さんの著作には決して見られない特徴である。

 

 

【世界で一番怖い父親に学びたい】
 先日も、あるテレビ番組で彼(哀川翔)が家族について話すのを見て感心しました。
 それは、家族の中で一定のルールを設け、いまだに皆でそれを守り続けていることです。年齢も性別も異なる家族が共同で暮らしていくには、合宿のようなルールが必要だというのです。
 その内容は、
「床に落ちているゴミを拾わずに通り過ぎたら半殺し」
「トイレットペーパーが切れているのに補充しないでいたら半殺し」
 ・・・中略・・・。
 この日は彼の19歳の長男がお父さんに宛てて書いた手紙が紹介されました。その文面は次のようなものでした。
「私はお父さんが世界で一番怖い父親だと思います。でも、お父さんの言っていることはすべて正しいので叱られても仕方がないと思っています。(中略) 最後に、私はそういうお父さんをこの世で一番尊敬しています」
 ・・・中略・・・。
 いったい、どれほどの父親が、哀川さんのように体当たりで子供の躾に取り組もうとしているか。そしてその姿勢を貫き続けているか。いちど大いに反省してみる必要がありそうです。
 彼が何げなく言った 「結局、やり続けた奴が勝ちでしょう」 という言葉が、強く印象に残っています。(p.233-235)
 企業経営者が、社員の教育(躾)に苦労していることがうかがわれる。どの企業も一緒だ。
    《参照》   『日本IBM』 竹中誉  経済界
              【社員のマナー】
 自分自身の向上も、躾もやり続けないことには成果は得られない。
 
<了>
 

  小山政彦

     『へえ、儲かる会社はこんなことをやっているんだ!』

     『「素頭」で1億円稼ぐ仕事塾』

     『「とことん聞く」経営』

     『勉強について、私たちの考え方と方法』

     『人を敵にまわすか味方にするか』

     『「興奮」を売れ』

     『勝つための方法』

     『これから5年 日本人が気付くべきこと』