
アパレル業界で実力を蓄え、ベネトンのプレスをしている方の書籍。人に会うのが仕事というプレスの役割を、相当タフにやり遂げてきたらしい。1958年生まれの著者。
【現場(店頭)第一】
私自身は、ベネトンの販売スタッフの意見のほうが、実のところは、経営陣の意見よりも心に残ります。(p.58)
当然というか、現場第一主義はビジネスの基本である。《参照》 『ムダとり』 山田日登志 幻冬舎
【現場を見る目】
【人に対して】
仕事を推し進めていくうえで、目に見えるスタッフだけがあなたのスタッフではありません。女子大生のバイトであろうと、派遣の清掃員だろうと、あなたの仕事を完成するのに必要なパートナーだと思って接すれば、自ずと彼らもついてきてくれます。そういう意味で、自分の立場や役職に慢心せず、いつも謙虚な気持ちで仕事や社内スタッフに接するべきです。 (p.102)
いうまでもない。
【強い精神力】
ビジネス社会には人の善意を利用したり脇の甘さを見透かすような魔物がそんじょそこらに跳梁跋扈している。それらに嫌気を感じるような軟弱な精神力ではいくら転職して環境を変えても同じ結果を招くだけである。著者は誠心誠意を担保として魔を打ち払うだけの胆力をもっているようだ。ここがスゴイところである。
部下が風邪で休んだ場合でも、外部からその部下に電話がかかってきたら 「ダレダレは本日出張中です」 と返答します。風邪で休む、それだけでも外部に伝える話としてはネガティブな情報であり、景気の悪い話なのです。ですから 「人間関係に疲れたので転職」 という人は、厳しいようですが、もうそれだけでプレスには向いていないかもしれません。
プレスには自分の周りで起こっているあれやこれやを表に出さない強い精神力が必要なのです。 (p.178)
交渉ごとにおいて、業界内の人々に恐れられるほどに強行に立ち回った事例も記述されている。そしてその場合であっても、誠心誠意を貫いた結果であったという。プレスには自分の周りで起こっているあれやこれやを表に出さない強い精神力が必要なのです。 (p.178)
ビジネス社会には人の善意を利用したり脇の甘さを見透かすような魔物がそんじょそこらに跳梁跋扈している。それらに嫌気を感じるような軟弱な精神力ではいくら転職して環境を変えても同じ結果を招くだけである。著者は誠心誠意を担保として魔を打ち払うだけの胆力をもっているようだ。ここがスゴイところである。
【ビターな知識人】
女性が若くて美人だというだけでちやほやされる時代もありました。でも 「若い」 というだけでちやほやする周囲も馬鹿なら、自分の価値が若さだけなのだと気づかないほうも馬鹿です。人生はそんなに甘くはありません。いいプレス、スゴイといわれるプレスになりたいのなら、「日々是勉強」 を貫いてビターな知識人になることです。 (p.182)
“ビターな知識人” という表現がやや奇怪ではあるけれど、著者の苦々しい体験から痛感して出た言葉のようだ。 このようにも書かれている。
プレスの仕事は日中は通常業務、アフターファイブでもなにかと忙しいのが普通です。でもそんな日常に流されてばかりいると、ただのトレンドフリークになってしまいます。時間を見つけて勉強し、完璧とは言わないまでも、ある程度は知的人種の頭脳や思考についていき、そこそこの対応ができないと、スケールの大きな仕事へと入ってゆくチャンスを逃がすこともあります。 (p.180)
異業種の人々とコラボレートする機会が多くなる昨今のビジネス環境では、知性の品質が、プレスを担う人々に必要とされる度合いは増えるのだろう。<了>