続 回転寿司騒動 | 想像と創造の毎日

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  例えば今どきの量販型(?)回転寿司チェーン店でのレーンの役割は、当初の回っている中から好きな物を選ぶという役目を果たさず、注文したものをそれぞれの座席へ届ける運搬だけの機能になっている。

  旧型レーンを使っている場合、目的の座席で止まることができないから、レーンの内側にいる店員が、注文した座席に直接渡さなければならない。

  この前のお店は、バックヤードで作った巻物やサイドメニューをレーンで流して、内側の店員(このお店ではおじいちゃん)がそれを目的の座席に手渡しする形なのだろうが、おじいちゃんは目の前の寿司を握ることに夢中なので、私たちが頼んだものは気付かれずに回り続けるか、他の座席の人が食べてもいいのかなーと取ってしまう可能性がある。

  みーちゃんが気づいて、「これいいんですよね?」とおじいちゃんに尋ねると、「あ、そうそう。」と言ったから、なるほど。そういうシステムね。と自分たちの頼んだものを必死に思い出して、後ろの席の人のものを取らないように気をつけていたのだが、おじいちゃんがそんな暇もないのに、いちいち回ってきたものを取っては渡すようになったので、どんどん寿司を握るスピードが遅れていった。

  地元の人はそれがわかるから、店では食べずにテイクアウトを頼むのだと思う。
  観光客は、観光客向けのレストランがある。そこは、毎回、ものすごく待つし、高い。

  あとでGoogleマップの評価を確かめてみたら、一見さんからは散々な評価だが、地元の方と思われる投稿では、注文しても出てこない日もありますが、地元には愛されています。そんなもんですよー。とご丁寧に説明されていた。

  ここのお店の誰も彼もが不器用だ。
  優先順位がめちゃくちゃだし、一度パニくると全ての作業がストップする。
  
  みーちゃんとちょうどその前に職場で、中堅になる職員がなかなか育たない。すぐ忘れるし、優先順位がおかしいし、仕事を振り分けられず、自分で全部やろうとして結局あとで誰かが尻拭いするんだけど、プライドもあるから、素直にミスを認められないし、人の話を聞けない、という話をしていた。

  みーちゃんはそれでもなるべく手を出さず、現場に任せるという選択を取っているのだが、耐えられずに先回りする人もいたり、イライラして影で文句を言う人もいるという。
  
  しかしこのお店に来て、まあ、こういうことだよね。と言うと、みーちゃんも、ああ、そういうことだね。と納得していた。

  みーちゃんの前にいた現場を仕切る人は、まずシステムを整えようとしていたのだが、周囲は勝手に決められていくことに納得がいかなくなったり、システム外の問題が起こるとすぐにパニックになって、もっと大きな問題になったりしていた。だから、みーちゃんが召還された。

  しかしこのお寿司屋さんが細くとも、長く続いているのは、お客さんたちがここのお店…強いてはここの人たちのことを理解(というか諦め)しているからなんだろう。

  都会のお店は、どんどん新しくなる。
  人の力を借りずとも、システムを改良していって、まるで人が機械のお手伝いをする役目のようになってく。

  でも、あのお店は、その機械(レーン)すら、本来の機能を果たさない。
  ちなみに後ろの席では、テーブルのお茶の機械すら壊れていて、サイドに置いてあるポットからお湯を汲んでいた(笑)。

  テイクアウトを注文していたお客さんは、ネギトロでした?間違えて、鉄火巻にしちゃいました。とか、慌ててバックヤードから走ってくるにいちゃん
に、いいよ。いいよ。巻いてれば。というのも面白かった。

  しっかし、世の中。
  なんでこんなに忙しいんだろうなあ。と、まるで時代に置いてかれてしまったようなお店で、無駄な動きに終始する店員さんたちが、なんでか微笑ましい。

  もうここは、回転寿司店でありながら、普通のお寿司やさんにどんどん戻っていってる。

  そりゃ、この街では、ラッコも一時は絶滅を危ぶまれたというのに、また、赤ちゃんを産んでるぐらいだから、減っていく人口に比例して、自然のサイクルに戻りつつあるのかもしれないとも思う。

  機械化されていく世の中で、AIが人間に近付いているんじゃない。人間が機械に近付いているんだ。と養老さんが言ってたけど、ホントだな、と思う。

  みーちゃんよ。
  あの子は、すぐ忘れるし、不器用だけど、歌と踊りが天才的に上手いよね。と言ったら、怒りつつも、諦めたように笑っていた。

  子供が好きな大人って、効率良く次々に活動を進めてく人より、一緒にいてワクワクする人が好きじゃない?

  私はあの子といると、ワクワクするよ。
  なんか、助けてやりたい気持ちにもなる。
  あのお寿司屋のウニは、変な苦味がなくて、ネタの量が多い。
  にいちゃんもおばさんも、なんか無駄に一生懸命だ。

  腹が立ったらまた行こう。
  あのお寿司屋さんへ!(笑)