めちゃくちゃ暑かった先週末に、ゴミステーションにゴミを捨てに行ったら、残っていた生ゴミの袋から大量の虫が湧いていて、思わず大声が出た。
それが、よく見るウジ虫ではなく、一センチ以上もありそうな真っ黒な細長い虫で、飛んではいなかったけど、羽根がついていた。
自分で処理するのが怖くて、慌てて師匠に報告すると、クスリ撒いておくから。と言ってくれたのでひとまず安心したが、前回の回収から三日も経っていないだろうに、その間に卵を産み付けて、幼虫になって、羽化したんだとしたら、驚異的な成長スピードだ…と思ったけど、調べてみたら羽化まで45日間かかるらしいから、成虫が生ゴミに大量に集まって、今まさに産卵するところだったのかもしれない。
こんなに生ゴミに大量発生する黒い虫は見たことがないので、何の虫か調べてると、形からしてどうやらアメリカミズアブのようだ。
しかしこのミズアブは、不快害虫として嫌われてはいても、幼虫は1kgのゴミを2週間で食べ尽くし、300gの重量にまで減るという。
しかも、その幼虫は自分のフンも食べるから、既存の微生物の堆肥化よりも、処理速度が圧倒的に速い。
幼虫自体がタンパク質が豊富で、なんと動物用の飼料として高値で取り引きされているらしい。
ネット上の生ゴミコンポストを使用する家庭では、嫌われ者として除去するように推奨しているものがほとんどだが、大量発生するということは、それだけ分解能力や速度に優れているということだから、生ゴミを堆肥として使用するならば、むしろ益虫であるというのは、目から鱗だ。
蝶は美しいと感じるのに、蛾はキモいと思う。
毒がある個体もあるから、遺伝子レベルでその危険さを知っていて、気持ち悪いと感じるのか、それとも蛾をキモいと言う人ばかりだったから、ミーム的に思考を介さず無意識にキモいと刷り込まれたのか。
メスとオスが重なり合い、壁に張り付いたまま微動だにしない蛾から、目が離せない。
自身の色と同化するような壁の上を繁殖行動の場に選ぶことも凄いが、1時間経ってもこのままであることもすごい。
メスの足がほんのり桃色なことも、羽根の鱗粉がふわふわに見えることも凄い。
よく観察していると、キモいと思う気持ちが段々遠ざかって、神秘的にすら思えてくる。
君たちが、森や大地を支えているのか…
この小さな身体で…
神は細部に宿る。
と言ったのは誰か知らんけど、損得勘定や利害関係が介在しない場所こそが、循環を産んでいるのだと思うと、神は上からコントロールする存在ではなく、その辺に身近にいて、私たちを構成する全てなんだと思えてくる。


