所蔵作品展 MOMATコレクション | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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“杉本博司 絶滅写真”展をたっぷりと堪能した後は、

東京国立近代美術館の常設展、“所蔵作品展 MOMATコレクション”へ。

実は現在、こちらの10室ではサテライト展示として、

同館が所蔵する杉本作品〈劇場〉と〈海景〉シリーズ計13点が一挙展示されています。

 

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さらに、その制作の過程を記録したノート、通称スギモトノートも初公開中!

 

杉本ノート 海景シリーズのアイデアスケッチ

 

 

MOMATコレクションを観終えるまでが、“杉本博司 絶滅写真”展です。
なお、“杉本博司 絶滅写真”展のチケットでも観られますが、

“所蔵作品展 MOMATコレクション”だけの観賞も可能となっています。

その場合、一般の観覧料はなんと500円!

菱田春草による重要文化財《王昭君》や、

 

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草間彌生さんの1970年代の作品《冥界への道標》といった、

 

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14000点以上を誇る同館のコレクションから、

選りすぐられた約200点の名品が、たったのワンコインで観られてしまいます。

昨今、いろんなものが値上げしているというのに、

この価格でクオリティの高い展示を行い続けている、

東京国立近代美術館には感謝してもしきれません!

微力ながら、せめてこの記事を通じて、

今期のMOMATコレクションの見どころを、

1人でも多くの人に届けられたらと思います。

星星

 

 

まずは、本展の冒頭を飾る「ハイライト」の部屋からご紹介いたしましょう。

今期は、「ハイライト」とはいうものの、

カメラのファインダーを覗く舞妓の姿を描いた北野恒富の《戯れ》や、

 

舞妓がカメラを覗く北野恒富《戯れ》

 

 

ジョアン・ミロが独自に確立したとされる絵画と詩が融合した「絵画詩」など、

 

藤田嗣治《五人の裸婦》:MOMATコレクション

 

 

MOMATコレクションでも比較的に珍しいタイプの作品も紹介されています。

そんな「ハイライト」の部屋で必見なのが、藤田嗣治による《五人の裸婦》です。

 

藤田嗣治《五人の裸婦》と猫2匹

 

 

MOMATコレクションの中でも特に人気が高く、

国内の展覧会に引っ張りだこだったという本作が、

このたび、実に約3年ぶりに同館に帰還を果たしています。

長期出張を終えたからなのでしょうか。

描かれている女性や猫、犬が、心なしかくつろいでいるように思えました。

 

また、今期のMOMATコレクションでは、鶴岡政男の《転がっている首》や、

 

東京国立近代美術館 MOMATコレクション 転がる首

 

 

タイガー立石(立石紘一)の《昭和二十一年筑豊之図》をはじめ、

 

河原温《洪水期》とベルベットのカーテン

 

 

新収蔵品が多く披露されています。

それらの中でとりわけ見逃せないのが、《洪水期》

 

河原温《洪水期》 九州大水害を基にした絵

 

 

コンセプチュアルアーティストとして国際的に活躍した河原温が、

コンセプチュアルアートにまだ辿り着く前の初期の重要作品です。

一見すると、ドラゴンのようにも思えますが、

画面上部の青い部分は、おそらく青空とのこと。

画面中央下部の群青色の部分は、海?もしくは、河?

水が深く溜まったさまを表現しているようです。

実はこの作品は、九州で実際に起きた大水害をもとに描かれたそう。

あえて変形したキャンバスに描いているのも、

水害によりキャンバスが歪んだという“てい”なのかもしれません。

 

それからもう一つ見逃せないのが、前本彰子さんによる《大紅蓮》

(インパクトが強すぎて、見逃しようがないですが)

 

大紅蓮:前本彰子、80年代アート、マティス風

 

 

前本彰子さんは、80年代アートを象徴する、

「ニューウェイブ」や「超少女」の中核を担ったアーティストです。

こちらの《大紅蓮》は、その80年代に制作されたもの。

マティスっぽいなぁと思ったら、この作品を制作する以前に、

新聞の記事で「彼女の作品はマティスに似ている」と書かれたようで、

「だったら、あえてマティスっぽく作ろう!」と制作したのが、本作なのだそうです。

反骨精神というかなんというか…(笑)

 

 

ちなみに。

MOMATコレクションと併せて、2階の所蔵品ギャラリーでは、

“生誕120周年 長谷川三郎と国立近代美術館”が開催されています。

日本における抽象美術のパイオニアの1人で、

評論家・思想家でもあった長谷川三郎にスポットを当てた展覧会です。

会場には、長谷川による抽象作品にくわえて、

彼の評論が掲載された雑誌や本も紹介されていましたが。

 

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本展の肝と言えるのが、レトロな雰囲気の展示パネルとその直筆原稿です。

 

抽象化プロセス ドースブルク「アトリエの少女」
杉本博司 スギモトノート 抽象と幻想展

 

 

 

1952年に日本初の国立美術館として、

京橋の地に開館した東京国立近代美術館。

その翌年に開かれた“抽象と幻想”展のパネルを再現したものです。

実は、これらのパネルを担当したのが、何を隠そう長谷川三郎だったそう。

そんな長谷川のキュレーターとしての一面が明らかになる小企画展です。

 

 

 

 

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