続・無料で観れる美術百選《乃木公園(東京都港区)》 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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国立新美術館やサントリー美術館、

21_21DESIGN SIGHTを訪れる際に、お世話になっている乃木坂駅。

かつてそのほど近くに、“乃木将軍”こと、

日露戦争の英雄・乃木希典が住んでいました。

明治35年に乃木希典自らが設計した邸宅は今なお、ひっそりと残っています。

 

乃木希典旧邸宅と緑豊かな庭園

 

 

こちらの内部は、1年のうち何回か公開の機会があるそうです。

しかし、基本的に普段は、内部の見学は、

周囲に設置された見学路からのみとなっています。

 

乃木将軍邸宅と庭園、緑豊かな自然

 

 

なお、乃木将軍といえば、明治天皇の大喪(葬儀)の日に、

その崩御を悼み、妻と共に自決したことでも知られています。

観たい観たいくないは別として、

見学路からは、その部屋も観ることができますよ。

 

乃木将軍邸宅の窓と緑の反射

 

 

なお、乃木将軍は、大の馬好きでもあったそうで、

邸宅の向かいには、やはり設計から関わったフランス風の馬舎もあります。

 

乃木将軍邸宅と石井氏設計の馬場

 

 

さて、この邸宅と立派すぎる馬舎のある一帯は、
乃木将軍の遺志により、公園として東京市に寄贈されました。
そして、大正2年に開設されたのが、乃木公園です。
 
乃木公園の津久井利彰作 esculturas

 

 

邸宅だった部分に隣接する形で、ベンチのあるスペースがあるのですが、

そちらでひと際異彩を放っているのが中央に設置されたこちらの彫刻作品。

 

乃木公園の彫刻《樹に染まり》

 

 

一見すると、真っ黒い大きな鉄の塊なのかと思いきや、

近づいて観てみると、意外とカラフルであることに気づかされます。

しかも、その正体は束ねられた無数のステンレスパイプでした。

 

乃木公園の津久井利彰《樹に染まり》

津久井利彰《樹に染まり》彫刻

 

 

作者は、津久井利彰さん (1933~)
ステンレスパイプを素材に制作する彫刻家です。
東京芸術大学卒業後、渡仏し、パリ国立美術学校に入学。
以降、パリを拠点に活動を続けているようです。
《ひねり・うつり・ながれ》と題されたこちらの作品にも惹かれましたが。
 
ステンレスパイプ製の手すりのある階段を降りた先に・・・・・
 
乃木公園の彫刻と石段
 
 

個人的に、より惹かれた作品がありました。

 

津久井利彰「樹に染まり」彫刻

 

 

続・無料で観れる美術百選083
津久井利彰《樹に染まり》

 

 

ステンレスパイプと樹木が、一体となっています。

特に調和はしていないような。

いや、しているような?

やっぱり、調和していないような気もします。

 

津久井利彰《樹に染まり》ステンレスパイプと樹木

津久井利彰《樹に染まり》ステンレスパイプ彫刻

 

 

その不思議な味わいに、妙に惹きつけられるものがありました。
これまで幾度となく乃木坂駅を利用していますが、
この作品の存在を今日の今日まで知らなかったことを反省。
今後は、たまに乃木公園に立ち寄りたいと思います。

 

 

ちなみに。

乃木坂駅の由来となっている乃木公園に隣接する乃木坂ですが、

江戸時代には薄暗い場所だったため、「幽霊坂」と呼ばれていたそう。

乃木将軍の殉死を悼んで、大正元年に、

当時の赤坂区議会が「乃木坂」への改名を議決したそうです。

もし、乃木将軍がこの場所で人生をサヨナラしていなかったら、

乃木公園だけでなく、乃木坂という名称も生まれていなかったでしょう。

ということは、乃木坂46というアイドルグループも誕生していなかったかも。

“サヨナラの意味”について考えさせられました。
 
 

<無料で観れる美術 データ>
乃木公園

住所:東京都港区赤坂8-11-32

アクセス:○千代田線「乃木坂駅」徒歩1分
     ○日比谷線「六本木駅」徒歩8分
     ○大江戸線「六本木」駅徒歩6分

 

【告知】

6/27(土)にアートツアー、

6/29(月)にオンライントークイベントを開催します!

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