世界初の絵本美術館であるちひろ美術館。
そのコレクション作品の総数は、約28000点(!)にものぼります。
中核をなすのは、もちろんいわさきちひろの作品ですが、
それ以外にも、日本を含むアジアやヨーロッパ、アメリカなど、
35の国と地域、228名のアーティストの作品を収蔵しているそう。
そんなちひろ美術館コレクションから、
「魔法」という切り口で選りすぐりの名品を紹介してるのが、
現在、ちひろ美術館・東京で開催中の“ちひろ美術館コレクション 魔法の絵本=絵本の魔法”です。
(注:展示室内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
描いたのは、19世紀イギリスを代表する挿絵画家リチャード・ドイルです。
魔女と言えば、とんがり帽子をかぶった鷲鼻のおばあさん。
そんなイメージ通りの魔女が描かれています。
しかも、マストアイテムのほうきまで。
少なくとも19世紀末には、魔女のパブリックイメージは形成されていたのですね。
さて、この絵を描いたリチャード・ドイルは、
ビクトリア期の妖精美術の第一人者とされています。
本展には、その代表作となる詩画集『妖精の国で』も出展されていました。
こちらは普段は安曇野館に収蔵されており、
東京館で展示されるのは、とても貴重な機会です。
なお、『妖精の国で』と併せて、リチャードの弟、
チャールズ・ドイルによる『妖精のダンス』も展示されています。
チャールズ・ドイル《妖精のダンス》 19世紀後半
ちなみに。
ドイルという名前で、“もしや?”と思った方もいるでしょうが。
何を隠そう、チャールズ・ドイルの息子は、
『シャーロックホームズ』の作者コナン・ドイル。
コナン・ドイルといえば、妖精の合成写真を、
「本物だ!」と信じてしまったことでも有名ですが(俗にいう、コティングリー妖精事件)。
父と伯父が妖精画家だったのなら、信じてしまったのも納得です。
さて、本展には他にも、安曇野館で個展が絶賛開催中のユゼフ・ヴィルコンや、
ユゼフ・ヴィルコン《夜のなかの夜『魔法の森で プーシキンからエセーニンまで』より》 1985年
東京都美術館で個展が絶賛開催中のエリック・カール、
エリック・カール《こうもり『イソップの12の物語』習作》 1991年
“イメージの魔術師”と称されるエロール・ル・カインといった、
エロール・ル・カイン『魔術師キャッツ』 1990年
絵本界の巨匠たちによって描かれた、
“魔法”に関する絵本の原画の数々が展示されています。
それらの中には、“ナンセンスの神様”と称された長新太の作品も。

B'zの『愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない』ばりに長い、
「とても素朴なんだけれど~」というタイトルは、ちひろが記した文章の一部を抜粋したものです。
ちひろは生前、絵画やスケッチだけでなく、
日記や手帳、エッセイなどに多くのことばを遺しました。
本展はそれらの言葉とともに、ちひろの絵を紹介するものです。
個人的にもっとも印象に残っているのは、こちらの言葉です。
















