“YOU MADE ME LEAVE HOME... | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

美術を、もっともっと身近なものに。もっともっと楽しいものに。もっともっと笑えるものに。

今年2026年、エスパス ルイ・ヴィトンは、

めでたく設立20周年を迎えることとなりました。

それを記念して、表参道のエスパス ルイ·ヴィトン東京では、

““YOU MADE ME LEAVE HOME...”という展覧会が開催中。

 

エスパス ルイ・ヴィトン展 リナ・バネルジー作品

 

 

インドのコルカタに生まれ、7歳で渡米、

現在はNYを拠点に活動するアーティスト、リナ・バネルジー(1963~)の個展です。

ポスターのビジュアルに採用されていたのが、

平面作品だったので、平面作家なのかと思いきや。

平面作品は10数点ほど展示されていたものの・・・・・

 

リナ・バネルジー作品群「YOU MADE ME LEAVE HOME」展

 

 

展覧会のメインとなるのは、立体作品でした!

まず目に飛び込んできたのは、《Black Noodles》という作品。

 

リナ・バネルジー展、立体作品の展示風景

 

 

解説によれば、インドが世界最大の輸出国となっているという、

「人毛の国際取引」とその政治的背景がテーマとなっているのだそう。

確かに、それを意識して細部を観てみると、

作品のいたるところに、人毛を想起させる素材が使われていました。

 

リナ・バネルジー、立体作品、人毛素材

リナ・バネルジー展:人毛とカブトガニの立体作品

 

 

なお、さらによくよく観てみると、

“見ざるの置物”(?)やらひょうたんやら、

 

リナ・バネルジーの「見ざる」作品

リナ・バネルジーのひょうたん立体作品
 

 

他にも、ガラスやら鉄やら糸やら、

ダチョウの卵やらカブトガニの甲羅やら、

さまざまな素材が作品に使われていました。

バネルジーがその作品の素材とするのは、

綿糸やココナッツパウダーといった日常的なアイテムと、

テキスタイルやダチョウの卵などの植民地主義を想起させるアイテム。

そんな相反する性質のアイテムを絶妙に、

かつユーモラスに組み合わせるのに定評のあるアーティストです。

 

そんなバネルジーの代表作の一つで、

所蔵するフォンダシオン ルイ・ヴィトンが、

このたび初めて公開するのが、こちらの作品。

 

リナ・バネルジーの象徴的な立体作品

 

 

《In an unnatural storm a world fertile, 

 fragile and desirous, polluted with excess pollination, 

 hungry to seize an untidy commerce also gave an unknowable size to some mongrel possessions,

 excreted a promiscuous heritage, sprayed her modern love, 

 breathed deeper than any one place arching her back threw new empire,

 religion, bathed in unseasonable hope to alter what could not be warm》です。

 

 

・・・・・タイトル長っ!

 

英単語ばっかりで何を言っているのか1つもわからず。。。

ここはひとまずGoogleに翻訳してもらうことにしました。

 

《不自然な嵐の中で、肥沃な世界は脆く、欲望に満ち、

 過剰な受粉によって汚染され、乱雑な商業を貪欲に手に入れようとし、

 雑種の所有物に計り知れない規模を与え、奔放な遺産を排泄し、

 現代の愛を撒き散らし、新たな帝国を背負い、どの場所よりも深く呼吸し、
 宗教は、温かくなれないものを変えようとする、季節外れの希望に浸っていた。》

 

・・・・・・・・。

 

日本語にしたとて、何を言っているのか1つもわからなかったです(笑)

タイトルこそ、ピンときませんでしたが、

解説によれば、こちらの長々したタイトルの作品は、

ジュール・ヴェルヌの小説『八十日間世界一周』から着想を得て制作されたものとのこと。

なるほど。だから、作品の素材として地球儀も使われているのですね。

 

リナ・バネルジー作品: globes and diverse materials

 

 

そして、作品全体としては、気球をイメージしているのでしょう。

 

リナ・バネルジーの作品、気球のような立体オブジェ

 

 

なお、作品の一部には電飾が用いられており、光を放っていました。

 

リナ・バネルジーの立体系、不自然な嵐

 

 

今回自分が訪れたのは日中で、
それはそれで美しかったですが、
夜の姿はまた違った印象に違いありません。
次回は是非、日没後にも訪れてみたいものです。
星
 

バネルジーの作品はどれも、たくさんの素材、

それも一般的な美術作品にはあまり使われない、

特殊な素材を組み合わせて作られていました。

ともすれば、ごった煮のカオスな仕上がりになりそうなものですが。

細部の細部までこだわり抜かれており、むしろ繊細な印象すら受けます。

1つ1つの作品に詰め込まれた情報量が満載で、

1点鑑賞するだけで、小ネタ満載の映画を観たかのような充実感もありました。

 

リナ・バネルジー作品、エスパス ルイ・ヴィトン東京

リナ・バネルジー作品:奇妙な素材の立体像

 

 

 

たっぷり時間をかけて観賞したのですが、

それでも、まだ作品の一部しか味わえていないような。

会期は9月13日までと長めなので、

表参道に寄るたびに何度か足を運んでみたいと思います。

 

 

ちなみに。

出展作品の中には、このようなものも。

 

リナ・バネルジー作品:人毛と多様な素材の彫刻

 

 

頭を覆っているのは、おそらくヤマアラシの毛。

 

リナ・バネルジー作、ヤマアラシの毛を使った彫刻

 

 

先日、科博の“超危険生物展”で目にしたばかりです。

まさかこんな短期間に、ヤマアラシの毛をもう一度観ることになるとは!

それも、表参道のルイ・ヴィトンで。

 

 

 

 

1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ にほんブログ村 美術ブログへ