現在、東京国立近代美術館では“下村観山展”が開催されています。
本展は、横浜美術館での開催以来、
関東では実に13年ぶりとなる下村観山の大規模回顧展です。
出展作品は、前後期合わせて150件以上!
それらの中には、代表作中の代表作で、
重要文化財にも指定されている《弱法師》を筆頭に、
重要文化財《弱法師》 1915(大正4)年
東京国立博物館蔵 Image: TNM Image Archives
(注:展示は3/17~4/12)
あの渋沢栄一が観山に依頼した絵や、
《楓》 1925(大正14)年 南湖神社蔵
画像提供:白河市歴史民俗資料館
(注:展示は3/17~4/12)
《竹の子》(絶筆) 1930(昭和5)年 個人蔵 (通期展示)
また、本展では国内からの借用品だけでなく、
大英博物館が所蔵する観山作品も来日しています。
《ディオゲネス》 1903-05(明治36-38)年
大英博物館蔵 ©The Trustees of the British Museum(通期展示)
“なぜ、大英博物館に大観作品が??”
そのように疑問に思った方もいらっしゃるかもしれません。
実は、観山は、文部省留学生としてイギリスへ留学した日本画家の第1号。
30歳からの2年間、現地で西洋絵画の研究を行っています。
そんな留学時代に、ロンドンで親交を深めたのが、
小説家で東洋美術研究家のアーサー・モリソンでした。
大英博物館が所蔵する観山作品は、そのモリソンから寄贈されたものです。
魚籃観音とは、33の姿に変身するという観音菩薩の1つで、
一般的には、魚の入った魚籃を持つ女性の姿で表されます。
観山も当然、女性の姿で描いているのですが、その顔をよく観てみると・・・・・
《モナ・リザ》にそっくり!
思わず、アッと驚かされました。
なお、この作品は発表当時、
賛否両論を巻き起こしたと言われています。
たぶんですが、否が賛を上回っていたことでしょう。
さてさて、《魚籃観音》もインパクト抜群でしたが、
出展作品の中には他にも、印象的なものが数多くありました。
例えば、こちらの《唐茄子畑》。
《唐茄子畑》 1911(明治44)年 東京国立近代美術館蔵(通期展示)
唐茄子、つまりカボチャが畑になる様子を描いた作品です。
カボチャや葉の表面が、まるでゴジラのようにゴツゴツしています。
デューラーや岸田劉生を彷彿とさせる写実描写。
これが油彩画でなく、日本画であることに新鮮に驚かされました。
また例えば、《美人と舎利》。
衣装の紋様から、描かれている女性は、
『源氏物語』に登場する六条御息所と考えられているそう。
その彼女の目線の先には、骸骨が描かれています。
美人と舎利の対比を狙ったのか、
はたまた、美人もいずれは舎利になるという教訓なのか。
観れば観るほど、想像力を掻き立てられる作品でした。
《獅子図屏風》 1918(大正7)年 水野美術館蔵
(注:展示は4/14~5/10)
他のどの獅子とも似ていないオリジナリティ溢れる獅子です。
緑色のたてがみのライオンなんて、
観山のこの獅子か『ごきげんよう』のライオンちゃんくらいなものでしょう。
この実物を観るためだけに、後期にも訪れる価値は十分にありますね。
ちなみに。
数ある本展のオリジナルグッズの中には、
そんな《獅子図屏風》をモチーフにしたマスコットも!
実物同様に、眉(シワ?)が右に2つ、左に1つあり、
目の色も黒ではなく、青色でちゃんと再現されています。
アクリルで制作された子どもの獅子も可愛らしいですね。
制作陣の並々ならぬこだわりが感じられる逸品でした。
《獅子図屏風》が展示される後期が始まる前に売り切れてしまうかも。
なんとなく、横山大観の“じゃない方”の印象のあった観山ですが。
本展を通じて、彼の真の実力や大観とは違った魅力に気づかされました。
“じゃない方芸人”の多くがのちにブレイクしたように、
本展をきっかけに、下村観山のブレイクは確実でしょう!



┃会期:2026年3月17日(火)~5月10日(日)
┃会場:東京国立近代美術館
┃https://art.nikkei.com/kanzan/
~読者の皆様へのプレゼント~
“下村観山展”の無料鑑賞券を5組10名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
なお、〆切は4月15日です。当選は発送をもって代えさせていただきます。


















