今年2026年に開館40周年を迎える“セタビ”こと世田谷美術館。
それを記念して現在、同館では、
約18000点にも及ぶコレクションから、
厳選した約230点で40年の歩みを振り返る展覧会、
“世田美のあしあと――暮らしと美術のあいだで”が開催されています。
(注:展示室内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
本展の冒頭を飾るのは、セタビが開館する前に、
世田谷の実業家・塩田岩治氏の妻サキ氏により寄贈された、通称塩田コレクションです。
彼らは長年にわたって北大路魯山人の活動を支援しました。
その深い交流から形成された魯山人コレクションの一部が、
魯山人らの言葉とともに、扇形が特徴的な展示室に展示されています。
砧公園の桜は、例年3月下旬から4月上旬がピーク。
その頃に訪れれば、本物の桜との対比が楽しめそうですね。
さてさて、本展の第1章は『開館記念展「芸術と素朴」にはじまる』です。
もちろん、セタビの顔ともいうべき、
アンリ・ルソーの《フリュマンス・ビッシュの肖像》も!
さらに、開館40周年の大盤振る舞いで、
セタビが所蔵するルソー作品が計4点も出展されていました。
それらの中に、さらっとバスキアの作品(それも2点!)も含まれています。
あのお金配りおじさんよりも遥か昔に、バスキアに目を付けていたとは!
セタビの先見の明に驚かされました。
ワールドワイドな印象の第1章とは打って変わって、
第2章は『東京という風景』と題し、桑原甲子雄や荒木経惟さんら、
第3章は、『心をたがやす』。
2021年のセタビでの大規模な回顧展で、
強烈なインパクトを残した塔本シスコをはじめ、
独学で制作する日本の作家が中心に紹介されていました。
そんな「暮らしと美術」を切り口にした第4章『生活によりそう』では、
人間国宝・富本憲吉のやきものや、同じく人間国宝の志村ふくみさんの染織、
『暮しの手帖社』の編集長だった花森安治による雑誌の表紙原画などが紹介されています。
さて、展覧会のクライマックスといえるのが、『世田谷のアトリエから』。
世田谷の地にある美術館ということで、セタビでは開館以来、
定期的に世田谷に居を構えた作家の展覧会を開催してきました。
ということで、第5章では、向井潤吉、宮本三郎、村井正誠らが大集結!
会場は、世田谷オールスター感謝祭と化していました。
なお、物故作家だけでなく、レジェンドの横尾忠則さんや、
近年ますます活躍の幅を広げる気鋭の堀江栞さんの作品も。
世田谷の地からは、昔も今も作品が絶えず生まれているようです。
さて、本展を締めくくる第6章では『学校と美術館』と題して、
作品収集や展覧会と同じくらいにセタビが力を入れている「教育普及事業」をフォーカス。
具体的にどのような取り組みをしているのか、パネルを通じて紹介しています。
開館から40年後の今日まで。
まるで走馬灯を見ているかのような展覧会でした。
それだけに、観終わった後は、
まるで最終回を迎えたかのような気持ちになってしまいました。。。
しかし、もちろんセタビはこれで終わりではありません。
これから10年、20年、いや100年と続いていくことでしょう。
ちなみに。
これほど見ごたえがある展覧会ながら、入館料は220円!
昨今の展覧会の入館料は、
2000円越えが当たり前になってきましたが、
本展の入館料は、な・な・なんと220円です!
大事なことだから2回言いました。


















