年齢も所属も関係なし!
未発表の平面作品であれば、基本的に何でもあり!
SOMPO美術館と読売新聞社が主催する、
そんなガチンコバトルのような公募コンクール。
それが、”FACE展”です。
14回目となる今回の応募出品数は、1271点!
そこから倍率22.3倍という激戦を勝ち抜いて、入選したのは58点。
そのサバイバーたち(?)の作品が現在、SOMPO美術館の展示室に一堂に会しています。
見事、グランプリの座を射止めたのは、
吉田茉莉子さんによる《天泣》という作品です。

腕の一部に目を描いて、その間を指でつまんで象に見立てる。
そんなたわいのない遊びと、実際の象の群れを組み合わせられています。
なんともシュルレアリスムな光景なのですが、その写実的な描写により、
もしかしたら現実に目にしたものを描いたかのような、不思議な説得力がありました。
2点目は、黒澤匠さんの《幾千年》。
最近あまり見なくなったタイプの蛍光灯を、UFOのように見立てる。
これまたシュルレアリスムなスタイルの作品です。
蛍光灯の表現が実にリアルで、目に飛び込んできた瞬間、
本物の蛍光灯を使ったミクストメディアの作品なのかと勘違いしてしまったほど。
特に根元の黒ずんでいる様子の再現力には唸らされました。
優秀賞3点目は、肥沼義幸さんによる《二柱の祈り》です。
パッと見は、おどろおどろしい絵。
しかし、二柱・・・ということは、2つの神、
そう思って改めて観てみると、画中の2人はブッダとキリストのようです。
ダークサイドに落ちた『聖☆おにいさん』といったところでしょうか。
さて、準優秀賞的な位置づけの読売新聞社賞に変わって、
前回から新設されたのが、意欲と野心ある若手を発掘する「U30フロンティア賞」です。
今年の受賞作は、アザミユウカさんの《曲がった草》でした。
決して、アザミさんが誰かの影響を受けている、というわけではないのですが。
ここ近年、若手のペインターに、
ピンクを基調とした作品が増えてきた気がします。
遠い未来に、美術史を振り返った際に、
令和はピンクの時代だった、と記載されているのかもしれません。
そして、今回も4人の審査員が、
それぞれ選んだ審査員賞も設けられています。
その4作品の中で個人的に一番気になったのは、原真莉亜さん。
抽象画かと思いきや、タイトルは《1月の玉こんにゃく》とのこと。
どれが玉こんにゃくなのか?
そもそも、1月ということに意味はあるのか?
タイトルがあまりにも気になりすぎて、
謎解き感覚で画面の隅から隅まで鑑賞しました。
結果的に、謎は謎のままです。
ちなみに、
惜しくも受賞を逃した入選作品の中にも、
個人的に惹きつけられた作品は多々ありました。
まずは、オコイマツさんの《真偽の踊り場.2-東京の文房具店より》。
ロンドンの美大で学んだという彼女は、
文房具屋のペン売り場で見かけた試し書きを収集し、
それをモチーフにして制作しているそうです。
本展の出品作もその一連のシリーズによるもの。
まさか、文房具屋で適当に試し書きした線を、
アーティストが模写して、作品として発表しているとは。
試し書きした当の本人は知る由もないでしょうね。
続いて印象に残っているのが、KUMI KAWABEさんの《ASIAN DAWN》です。
田辺さんは、牛肉の霜降り(サシ)に美を見出しているようで。
牛肉をモチーフにした作品を多く制作しているようです。
過去3年にFACE展でグランプリ、
または優秀賞を受賞した作家の近作や新作を紹介する、
“絵画のゆくえ”という展覧会が3年に1度、別途開催されていましたが。
本年から“絵画のゆくえ”は、FACE展と同時開催で、
昨年の受賞者たちを紹介するスタイルに変更されました。
ということは、今年の受賞者はこの時点ですでに、
来年ここで“絵画のゆくえ”に参加することが確定しているわけです。
FACE展で受賞することは決してゴールではなく、
これからの長いアーティスト人生のスタートに過ぎない。
激戦を勝ち抜いたアーティストたちにはは、しばらく休みは訪れなさそうです。















