明朝体 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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美術を、もっともっと身近なものに。もっともっと楽しいものに。もっともっと笑えるものに。

国内印刷業界の最大手のDNPが運営する、

印刷の美しさや奥深さ、楽しさを体感できるミュージアム。

それが、市谷の杜 本と活字館です。

 

市谷の杜 本と活字館 外観

 

 

現在こちらで開催されているのは・・・・・

 

明朝体展!市谷の杜 本と活字館
 
 
“明朝体”という展覧会。
日本の代表的なフォント「明朝体」にスポットを当てた世界初にして、
おそらくこの先二度と開催されることはないであろうニッチな展覧会です。
 
縦の線は太く、横の線は細い。
横画の終筆には、三角形の「うろこ」がある。
それが、明朝体。
我々の生活のいたるところで使われているため、
明朝体を水やコメに例える人もいるのだそうです。
本展の会場では、そんな明朝体の歴史が年表形式で紹介されています。

 

明朝体展の年表とフォント一覧

 

 

驚くべきは、その種類の多さ!

 

明朝体フォントの種類と特徴、筆者の感想

明朝体の種類と特徴一覧
 

 

あっても数十種類くらいだろうと思いきや。

現時点で数千種類以上も存在しているそうで、

この年表で紹介されているのは、その一部にしか過ぎないそうです。

 

そうは言われても、明朝体なんて、どれも同じように見えます。。。

そんな僕のような人間のために、本展の冒頭には、

オリジナルの明朝体のパズルが設置されていました。

 

明朝体パズル「永」の文字

 

 

パッと見は、まったく一緒の『永』の字に見えます。

 

明朝体パズルで秀英体とヒラギノ明朝体の違いを体験

 

 

しかし、実際にハメようとしてみると・・・・・

 

秀英体パズル「永」の字

 

 

上手くハマりませんでした。。。

なるほど。似ているようで、細部は全然違うのですね。

トライアンドエラーを繰り返すこと数回。

ようやく正解を見つけることができました!

 

秀英体パズルで「永」の字を体験

 

 

では、具体的に明朝体にはどんな種類があるのでしょうか?

本展では、代表的な明朝体の数々が紹介されていました。

 

明朝体展、秀英体、石井明朝、ヒラギノ明朝

明朝体展:ヒラギノ明朝体、貂明朝、築地体、秀英体

 

 

それでも素人目には、なんとなく同じように見えてしまいましたが。

個人的にもっともしっくりきたのは、ヒラギノ明朝体。

 

明朝体「思」と「愛」の文字デザイン

 

 

それもそのはずで、iPhoneやiPad などにも搭載されているフォントとのこと。

なお、2000年にApple社のMac OSXに搭載された際、

スクリーンに映し出されたヒラギノ明朝体の『愛』の字を見て、

あのスティーブ・ジョブズが「COOL!」と称えたそうです。

ちなみに、「ヒラギノ」とは、京都の地名・柊野に由来するのだとか。

 

それからもう一つ印象的だったのは、貂明朝。

 

市谷の杜 本と活字館「明朝体」展

明朝体の歴史と種類、和文活字の紹介

 

 

「かわいくも妖しい」をコンセプトに制作された明朝体で、

2017年にAdobeからリリースされたオリジナルのフォントです。

そのイメージソースには、鳥獣戯画や妖怪も含まれているのだそう。

確かに、一般的に明朝体はシャープでクールなイメージがありますが、

この貂明朝は、どこか今にも動き出しそうなキャラクター性が感じられました。

 

 

ところで、何千種類とある明朝体の源流ともいえるのが、

“和文活字の二大潮流”と称される「築地体」と「秀英体」です。

 

明朝体展:活字の歴史と美しさを体感

 

 

実は、そのうちの「秀英体」は、DNPにとって重要なフォント。

DNPの前身である秀英舎の時代から、

今なお開発が続けられているフォントなのです。 

 

明朝体の文字見本と活字見本

 

 

ちなみに、『週刊新潮』や広辞苑に使われているフォントも秀英体。

知らず知らず、「秀英体」にはお世話になっていたのですね。

 

 

さてさて、展覧会のラストにはこんなコーナーも!
 

明朝体おみくじの楽しみ方と秀英体

 

 

明朝体おみくじです。

おみくじを引いて出てきた棒を受付に持って行くと、

本展で紹介されていた明朝体のおみくじに交換してくれるそう。

これを逃したら、もう一生、明朝体おみくじをする機会はないでしょう

せっかくなので引いてみました。

ヒラギノ明朝体か貂明朝が当たりますように!

 

さて、おみじくの結果は・・・・・

 

image

 

 

石井明朝でした。

なお、この明朝体は、写研の創業者・石井茂吉がデザインしたもので、

東京築地活版製造所の12ポイント明朝を印刷して引き伸ばしたうえで、

1字1字ホワイトで修正して完成させたという逸話のあるフォントなのだそう。

伝説のフォントとも、狂気のフォントとも呼ばれているようです。

本展にはその貴重な原版も展示されていました。

 

明朝体原版と活字見本

 

 

これも何かの縁なので、今後は石井明朝を推したいと思います。
 
 
 
 
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