惜しまれつつ、2020年にこの世を去った、
島根県津和野町生まれの絵本作家・安野光雅さん。
もしご存命であれば、今年2026年に100歳を迎えていました。
それを記念して現在、立川のPLAY! MUSEUMでは“安野光雅展”が開催中。
津和野町立安野光雅美術館全面協力による展覧会で、
初期から晩年までの絵本原画が130点ほど展示されています。
本展の冒頭を飾るのは、代表作の一つ『ふしぎなえ』の貴重な原画です。
エッシャーの作品に魅せられて呪いにかかった。
そう公言していた安野さんは1968年、42歳の時に、
エッシャー風の不可思議な世界を描いた『ふしぎなえ』で、
絵本作家としては遅咲きのデビューを果たしました。
当時には珍しかった文字のない絵本であり、
デビュー作ながら、世界中で大評判となるほどのベストセラーに!
それ以降、名作絵本を次々と世に送り出し、
その生涯で約150冊ほどの絵本を残しています。
さらに、エッセイも多く出版されており、
本展ではその一部がズラっと並べられていました。
(下の2段のものは実際に手に取って読むことができます)
そんな安野さんのライフワークともいうべきが、
1977年から没後までに全10冊が刊行された『旅の絵本』シリーズ。
その『旅の絵本』の世界を旅するような、
体験型の空間が館内で最も広い展示室にありました。
さまざまな形をした窓の向こうには、
大きくプリントされた『旅の絵本』のページが!
どこを取っても画になる空間となっています。
原画が素晴らしいのは言わずもがなですが、
意外と個人的に感動したのは、この巨大なプリントでした。
というのも、細密に描かれた安野さんの絵は、
これほどまでに大きく引き伸ばされても、観賞に耐えうるのです。
いや、むしろ拡大されたことで、ディテールの描き込みに気づくことができました。
絵本の1ページ1ページに、とんでもなく心血を注いでいたのですね。
恐るべきクオリティの高さです。
絵本作家という印象が強かったですが、
本展を通じて、“画家・安野光雅”の実力を再確認しました。


なお、展覧会では、そんな“画家・安野光雅”にスポットを当てたコーナーも。
安野さんによる風景画や歴史画を紹介するコーナー。
その名も「絵画館」です。
風景画として紹介されていた作品の中には、
御所の庭に咲く四季折々の草花を描いた水彩画もありました。
安野さんは、先の天皇皇后両陛下の書籍を装丁した縁から、
通常は非公開の御所の草花を写生する機会を得たのだそう。
御所の草花とわかった上で観ているからか、
その辺りに生えている草花よりも神々しく感じられました。
ちなみに。
今回紹介されていた数多くの絵本の中で、
個人的に印象に残っているのは、『おおきなもののすきなおうさま』。
とにかく大きいものが好きな王様を主人公にしたオリジナルストーリーの絵本です。
自転車やベッド、鳥籠、植木鉢など、
なんでもかんでも大きく作らせたがる王様。
その気分を味わえるように(?)、展覧会会場では、
作品に登場するテーブルセットを再現したフォトスポットも用意されていました。
皿に開いた穴からは顔を出すことができます。
対面にはスマホスタンドも用意されているので、
一人で訪れてもちゃんと記念写真は撮れますよ。
(自分は撮りませんでしたがw)
なお、展覧会を観終わり、立川駅に向かっていると・・・・・
巨大な植木鉢が目に飛び込んできました。
これも展覧会のフォトスポット?!
いえいえ、その正体は、フランス人アーティスト、
ジャン=ピエール・レイノーによるパブリックアートです。
本展とは何の関係もありませんが、
本展の期間中は、ここもフォトスポットにしてもいいかも。
ちなみに。
このレイノーの作品を含む周辺のパブリックアートを、
徹底ガイドするアートツアーを28日に開催する予定です!
詳細はこちらから↓















