昨日は、松岡美術館屈指の人気作品、
ディエゴ・ジャコメッティの《猫の給仕頭》の話題を紹介しましたが。
その兄のアルベルト・ジャコメッティの彫刻ばりに、
細長い身体をした彫刻作品が、展示室1に並んでいました。
僕が知る限り、国内のミュージアムで、
エルトリア文明の出土品を所有しているのは、東京国立博物館とここくらいなのでは?
改めて、松岡美術館のコレクションの幅の広さに驚かされました。
ちなみに。
個人的に気に入ったのは、紀元前5世紀の《ライオン像》。
“(;´Д`)ハァハァ”しているかのような表情が、絶妙なキモカワイさでした。
《猫の給仕頭》の次は、この《ライオン像》をぬいぐるみ化してはいかがでしょう?
さて、現在、松岡美術館で開催されているのは、
“笑い滴る 春と夏の日本画名品選”という展覧会です。
タイトルに“笑い”というワードがあるので、
ユーモラスな作品が集結した展覧会なのかと思いきや。
展示されていたのは、例えば横山大観の《梅花》であったり、
江戸琳派の酒井抱一による《菖蒲に鷭》であったり。
もちろん名品ではあるものの、
これと言って笑える作品ではありませんでした。
なんでも本展タイトルの“笑い滴る”とは、
俳句の季語「山笑う」と「山滴る」からの造語なのだそう。
「山笑う」は、“春の山は花々で淡く色づき、微笑んでいるようである”の意。
「山滴る」は、“夏の山は草木が青々と茂り、緑が滴っているようである”の意。
本展は、春(前期)と夏(後期)に分けて、松岡コレクションから、
春と夏の情景をモチーフとした日本画を紹介するものとのことです。
というわけで、爆笑こそありませんが、
季節が感じられる素敵な日本画の数々に、
自然と笑みがこぼれること請け合いの展覧会でした。


ちなみに。
出展作品の中でもっとも印象に残っているのは、
松岡邸から移築されたという床の間に飾ってあった・・・・・
上村松園による《藤娘之図》です。
藤娘といえば、昨年大ヒットした映画『国宝』で、
吉沢亮さんと横浜流星さんが美しい姿を披露していましたし、
何より、あの“美人画の名手”と称される松園の筆によるもの。
さぞかし美しく艶やかな姿なのだろうと・・・・・思ったら。
予想に反して、素朴な雰囲気でした。
キャプションが無かったら、松園の作とは思えません。
なんでも大津絵の藤娘を意識して描いたものとのこと。
良くも悪くも、松園が描く美人画の画面には、
凛とした緊張感のようなものが漂っている気がしますが、
この《藤娘之図》のように、肩の力が抜けたような作品も描いていたのですね。
それからもう一つ印象に残っているのが、
江戸時代の筆者未詳の屏風絵《老松古木花鳥図》です。
いわゆる花鳥画なのですが、
描かれている鳥の多くが、怪鳥のようで。
まるでポケモン図鑑を見ているかのようでした。
江戸の当時の子どもたちに大人気だったに違いありません。
さて、松岡美術館では現在、同時開催として、
“千古躍動-漢から唐までの中国陶磁”も行われています。
これから1年にわたって、3期に分けて、
松岡美術館の中国陶磁コレクションを紹介するそうで、
本展はその第1弾にあたるものです。
漢から唐時代にかけて、お墓に副葬されたやきものが紹介されています。
なお、こちらのタイトルの“千古躍動”もやはり造語とのことです。
出展作には個性的なものが多く含まれていましたが、
中でもとりわけ印象に残っているのが、6世紀の《灰陶加彩官人》。
そのプロポーションは、国宝の「百済観音」を彷彿とさせるものがありました。
プロポーションが印象的といえば、《灰陶加彩騎乗駱駝》も。
最後にもう一つだけ、プロポーションが印象的だった作品をご紹介。
それが、こちらの《加彩武人》です。
プロポーションといい、ポージングといい、個性的な顔立ちといい。
ピクサー映画みがありました。
『トイ・ストーリー』に出ていてもまったく違和感はなさそうです。


















