先日はアーティゾン美術館へ。
久しぶりに訪れたら、入り口近くに、
シルバーに輝く立体作品が新設されていました。
作者は、中国系オーストラリア人のアーティスト、リンディ・リー。
タイトルは《無数の星座が生まれる》とのことです。
確かに、日中に観るのもいいですが、
夜にライトアップされた姿は、さぞかし美しいことでしょう!
さて、そのアーティゾン美術館では現在、
モネの大規模な展覧会が絶賛開催中ですが、
1つ下のフロアでは、“カタリウム”なる展覧会が開催されています。
・・・・・カタリウム?ワタリウム??
キャッチーでインパクトこそありますが、
展覧会名だけでは、どんな内容なのかイマイチよく伝わってきません(汗)。
本展公式HPの説明によれば、「カタリウム」とは、
「語り」と空間を表す語尾「リウム(-arium)」を組み合わせた造語とのこと。
本展は“語りの場”を切り口にしながら、
石橋財団コレクションを中心とする作品の数々を紹介するものです。
例えば、「屛風を前に」というセクション。
こちらでフィーチャーされているのは、
江戸時代初期に描かれた《洛中洛外図屛風》です。
一般的な《洛中洛外図屛風》と同じく、
石橋財団アーティゾン美術館が所蔵するものもやはり、
画面の隅から隅まで、たくさんの人々で賑わっています。
いたるところに“語りの場”が見て取れます。
ところで、石橋財団版の《洛中洛外図屛風》で、
特に目を惹くのが左隻の大半を占める豪華絢爛な大行列です。
これは、徳川幕府が後水尾天皇を二条城に招き、
5日間に渡って、贅沢な料理や舞楽、管弦などでおもてなしした、
江戸時代最大級ともされる行事「寛永行幸」の様子を描いたもの。
ちなみに、今年2026年は、寛永行幸からちょうど400年の節目の年に当たります。
さて、寛永行幸により、天皇家と徳川家との関係は安泰になったと思いきや。
9年後に、いわゆる紫衣事件が起こり、両者の関係性は再び緊迫したものに。
それを和するべく、徳川秀忠の養女と後水尾天皇の弟が婚礼を行いました。
その嫁入り道具として制作されたのが、
この《洛中洛外図屛風》ではないかという説があるそうです。
当時の人々は、この屏風絵を前にして、
「あの時の寛永行幸はスゴかったよね~」と語り合っていたのかも。
そんなことを想像するのも一興です。
また例えば、「ある時の神話」というセクション。
これら3点はすべて、『古事記』に登場する、
天皇を中心とした国家を目指した明治政府は、
20世紀アメリカを代表する画家ベン・シャーンをフォーカスしたセクションです。
核実験で被爆した第五福竜丸や、
フランスのドレフュス事件を題材にしたシリーズで知られ、
しばしば社会派の画家と称されるベン・シャーン。
そんな彼の代表作で集大成と称されるのが、
《一行の詩のためには… リルケ『マルテの手記』より》。
ドイツの詩人リルケの自伝的小説をもとにした全24点からなる版画集です。
小説の中で詩人である主人公マルテは、
「詩は、早い時期に書くと、あまりにもうまくいかない」と悟ります。
そして、こう考えるのです。
「人生の最後に、
そして、《一行の詩のためには…》を発表したのは、70歳で亡くなる1年前のことでした。
マルテにならって、早い時期に描かず、
彼は人生の最後に、これらの絵を制作したのでしょう。
もしかしたら、でなく、いい絵が描けていました。
ちなみに。
本展の図録は、こんな感じです。
図録と言いましょうか、何と言いましょうか。
その形状も独特ながら、何よりもサイズがデカい!
(比較のために、モネ展の図録を並べてみました)
本棚には当然のように入りませんでした。。。
かつて、こんなにも独創的な図録があった。
そのように未来永劫語り継がれることでしょう。














