モネ没後100年 クロード・モネ ―風景への問いかけ | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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現在、アーティゾン美術館で開催されているのは、

“クロード・モネ ―風景への問いかけ”という展覧会。

オルセー美術館全面協力のもと、

同館が所蔵するモネ作品41点を含む約90点に、

日本各地の美術館や個人が所蔵する作品を加えた、

計約140点で構成されたモネの大規模な展覧会です。

 

クロード・モネ展「風景への問いかけ」ポスター

(注:展示室内は一部撮影可。写真撮影は、特別に許可を得ております。)

 

 

・・・・・ん?モネの大規模な展覧会って、最近やってなかった??

そう思われた方も、少なくないでしょう。

確かに、東京だけに絞っても、

2023年には上野の森美術館で、

2024年から2025年にかけては国立西洋美術館で、

モネの大規模な展覧会が開催され、大きな話題となりました。

それに続く展覧会ということで、3匹目のドジョウを狙ったもの・・・と思いきや!

本展はもともと、それらの展覧会よりも前、

2020年に開催が予定されていたものでした。

しかし、例のコロナ騒ぎによって、延期が決定。

翌年2021年夏の開催を目指すも、

同年の秋に再延期を余儀なくされ、

最終的にはさらにそれも再々延期となりました。

つまり、今回が4度目の正直。

モネの没後100年目の年に、悲願の開催となったわけです。

その時点でもはや感涙モノ。

本展を観ずして、3ツ星です(←?)。

星星星

 

 

いや、もちろん展覧会そのものも見ごたえがあります。

いわゆる「日傘の女三部作」の最後を飾る1枚を筆頭に、

 

モネ「日傘の女三部作」の1枚:女性と緑の傘

クロード・モネ《戸外の人物習作-日傘を持つ右向きの女》

1886年、油彩・カンヴァス、オルセー美術館蔵

Photo © GrandPalaisRmn (musée d’Orsay) / Stéphane Maréchalle /distributed by AMF

 

 

モネがまだ無名だった頃、一張羅を着て美術界の重鎮のフリをし、

駅長をまんまと騙し、汽車を停めさせ、ホームにいる人を退去させて、

それから描いたという逸話で知られる「サン=ラザール駅」シリーズの1枚や、

 

モネ 《サン・ラザール駅》 鉄道駅の風景

クロード・モネ《サン=ラザール駅》 1877年 、油彩・カンヴァス 、オルセー美術館蔵

Photo © GrandPalaisRmn (musée d’Orsay) / Benoît Touchard / distributed by AMF

 

 

今なお現存する高級ホテルを描いたもので、

今回が初来日となる《トルーヴィル、ロシュ・ノワールのホテル》などなど、

 

モネ《トルーヴィル、ロシュ・ノワールのホテル》

クロード・モネ《トルーヴィル、ロシュ・ノワールのホテル》 

1870年、油彩・カンヴァス、オルセー美術館蔵

Photo © GrandPalaisRmn (musée d’Orsay) / Gabriel de Carvalho / distributed by AMF

 

 

画集でお馴染みの代表作の数々が紹介されていました。

なお、モネと言えば、やっぱり睡蓮。

もちろん睡蓮の庭をモチーフにした作品も多数出展されています。


モネの睡蓮の庭と橋

クロード・モネ《睡蓮の池、緑のハーモニー》

1899年、油彩・カンヴァス、オルセー美術館蔵

Photo © GrandPalaisRmn (musée d’Orsay) / Stéphane Maréchalle / distributed by AMF

 

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主役級のモネ作品があまりにも多すぎるのですが、

中でも特に本展でフィーチャーされていたのが、《かささぎ》です。

 

モネ 《かささぎ》雪景色

クロード・モネ《かささぎ》 1868-69年、油彩・カンヴァス、オルセー美術館蔵

Photo © GrandPalaisRmn (musée d’Orsay) / Adrien Didierjean / distributed by AMF

 

 

なんとなく、「モネ=緑」の印象がありますが、

実はモネはその生涯で、幾度となく雪景色にも挑んでいます。

《かささぎ》はその中でも代表作中の代表作と言えましょう。

実は、モネの没後100年を記念して、

オルセー美術館はモネの主要な作品を数点修復したそうで。

こちらの《かささぎ》は修復後、世界に先駆けて初公開されています。

具体的には、経年劣化により黄変したニスを取り除き、

光に照らされた雪景色の鮮やかな色彩を取り戻したそう。

 

モネ《かささぎ》雪景色の修復後初公開

 

 

おかげで、かささぎの影もバッチリ。

黒一色ではなく、淡いラベンダー色のような美しい色合いを堪能できました。

 

なお、こちらの《かささぎ》と併せて、

同セクションでは、シスレーによる絵画など、

 

モネの雪景色絵画2点展示

 

 

他の画家による雪景色も紹介されていました。

その中にはモネの盟友ルノワールによる雪景色も。

 

ルノワール作「雪景色」の風景画

ピエール゠オーギュスト・ルノワール《雪景色》 1875年頃 油彩・カンヴァス オランジュリー美術館

 

 

さすがは幸福の画家だけあって、

雪景色なのに、全体的にほんのり温い雰囲気で、

いい意味で、まったく冷たさが伝わってきませんでした(笑)。

 

 

さてさて、本展ではモネが描いた作品だけでなく、

モネ自身がモチーフとなった作品を紹介するセクションもあります。

モネを描いた絵画であったり、モネが被写体となった写真であったり。

 

クロード・モネ「画家の肖像」 油彩画

クロード・モネ《画家の肖像》 1917年油彩・カンヴァス トゥールコワン美術館(オルセー美術館からの寄託)

 

モネ展:病床のモネとバジール

 

 

それらの中には、こんな一枚もありました。

病床のモネ、バジール作

フレデリック・バジール《移動野戦病院》 1865年 油彩・カンヴァス オルセー美術館蔵

 

 

描かれているのは、病床のモネ。
作者はモネの友人でもあり、経済的にも支援したフレデリック・バジールです。
この絵に関しては、こんなエピソードが知られています。
フォンテーヌブローの森の端にあるシャイイで、
サロンへ出品する大作 《草上の昼食》の制作を始めたモネは、
そのモデルになってほしいと、バジールを呼び寄せました。
バジールが現地に着くと、そこにいたのは足をケガしたモネ。
バジールは医学生でもあったため、
モネのために手当をしてあげたのでした。
なお、赤く腫れたモネの足の上に吊るされているのは、
足を冷やすためにバジールが作ったという急ごしらえの装置。
描かれたモネはどこかこっぱずかしく、不服そうな表情を浮かべています。
お前が描くんかい!
そうツッコんでいるようにも見えます。
 
そうそう、モネがモチーフといえば、
音声ガイドの案内にイラスト化されたモネが描かれていました。
 
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頭に乗っているのは、おそらくかささぎ。
こんなところでも 《かささぎ》がフィーチャーされています。
 
 

 ┃会期:2026年2月7日(土)~5月24日(日)

 ┃会場:アーティゾン美術館 6・5階展示室

 ┃https://www.artizon.museum/exhibition_sp/monet2026/

 

 

 

 

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