新潟市美術館にやってきました。
訪れるのは今回が初めてなのですが、
なぜだか、はじめましてな気がしません。
不思議に思いながら、館内に入ると、
馴染みのある椅子が目に飛び込んできました。
打ち込みタイルで覆われた外壁。
そして、カラフルな椅子やスツール。
この建物を設計したのは、東京都美術館や、
福岡市美術館、山梨県立美術館、宮城県美術館など、
日本各地の公立美術館を多く手がけた前川國男ですね。
どうりでデジャヴを感じるわけです。
なお、そんな前川國男の最晩年の作品が、この新潟市美術館なのだとか。
開館したのは、1985年のこと。
展示ケースを使って、模型や設計図、
現在は使われていない部品などを紹介するだけでなく。
1階エントランスを中心に、キャプションが点在しており、
「ミニ展示」とは名ばかりの美術館の建物全体を使っての展示となっていました。
ちなみに。
紹介されていたキャプションには、こんなものも。
マスキングテープで囲まれた先に見えるのは、向かいにある西大畑公園。
実は、その公園のランドスケープをデザインしたのも、前川國男なのだそう。
つまり、公園と美術館の建物が一体化しているのだそうです。
・・・・・この日はよくわかりませんでしたが(笑)
ぜんぶ雪のせいだ。
さてさて、そんな新潟市美術館の常設展示室では、
“コレクション展1 実りの季節に”が開催されています。
今は、2月。
一年の中でもっとも“実り”とはほど遠い季節です。
と思ったら、本展は昨年の10月15日に開幕した模様。
その頃は当然、“実りの季節”だったわけですね。
本展は、全3章で構成されています。
第1章は、「さあ収穫だ」。
農業にまつわる作品の数々が紹介されています。
出展作の多くを占めるのは、新潟出身のプロレタリア美術家・矢部友衛と親交があり、
彼やその仲間たちの活動を支援していた新潟市の実業家、小林力三によるコレクション。
通称、小林力三コレクション。
新潟市美術館が開館10周年を迎えた際に、
まとまった形で寄贈されたものなのだそうです。
第2章は、「作品という果実」。
コレクションをただ展示するのではなく、
作品のもととなったデッサンやドローイングと併せて展示。
アイディアから生まれた結果や成果としての作品を紹介するセクションです。
展覧会を締めくくる第3章は、
「収集活動の成果―令和6年度新収蔵品から」。
“美術界の芥川賞”と謳われた「安井賞」を、
女性としては2人目に受賞した遠藤彰子さんの作品や、
ロシア・アヴァンギャルドの芸術家の一人、
ピョートル・コンチャロフスキーによる絵画など、
昨年度新たに新潟市美術館コレクションに加わった作品が紹介されています。
それらの中でひときわ目を惹いたのが、こちらの作品。
作者は、堀川紀夫さん。
1967年に新潟で結成された前衛芸術家集団、
「新潟現代美術家集団 GUN(Group Ultra Niigata)」の中心メンバーです。
1969年にアポロ11号が人類史上初めて、月に降り立ち、
月の石を持ち帰ったのを見た堀川さんは、それにちなんで、
近所の信濃川で採取した石11個を美術作家や評論家11人に郵送しました。
その後も、時の総理大臣・佐藤栄作や、
アポロ計画の総指揮官であるニクソン大統領にも、石を送り続けたそう。
当時としてはあまりに斬新すぎた美術作品でしたが、
制作から約50年を経た近年は、“石を送るメール・アート”として再評価が高まり、
東京国立近代美術館やイギリスのテート・モダン美術館などにも収蔵されています。
ただの石を送る。
そんなアイディアを思いついた堀川さんに拍手。
それに巻き込まれた(?)当時の郵便配達員さんにはもっと拍手を送りたいと思います。
















