たたかう仏像 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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仏像と言えば一般的に、穏やかで、

慈愛に満ちた表情を浮かべている印象がありますが。

数ある仏像の中には、憤怒の表情を浮かべ、

武器を手にし、甲冑を身にまとったものもいます。

そんな武装した仏像にスポットを当てた展覧会、

“たたかう仏像”が現在、静嘉堂文庫美術館で開催中です。

 

十二神将像:怒りの表情で武器を持つ仏像
《十二神将立像》 鎌倉時代・13世紀

 

 

仏像の展覧会は数多くあれど、「戦う」という切り口は斬新も斬新!

人知れず戦っている(?)すべての仏像に感謝したくなる展覧会となっています。

星星

 

 

そんな本展の目玉は何と言っても、重要文化財の《十二神将立像》

薬師如来の眷属、いうなれば護衛隊のような存在です。

 

十二神将像と武装仏像の展示
重要文化財《十二神将立像》 鎌倉時代・安貞2年(1228)頃
 
 
こちらの 《十二神将立像》は、京都・浄瑠璃寺の旧蔵品。
明治時代に寺外に出て、現在は、同館に7軀、
東京国立博物館に5軀がそれぞれ所蔵されています。
どの神将も個性豊かで魅力的ですが、
やはり今年は午年ゆえ、午神像が気になるところ。

一体どんなポーズをしているのかと思えば・・・・・

 

午年十二神将像 頬杖をつく姿
重要文化財《十二神将立像 午神像》 鎌倉時代・安貞2年(1228)頃
 
 
考え事をしているのでしょうか、頬杖をつき、
どこか心ここにあらずな表情を浮かべていました。
戦えよ。護れよ。
 
ちなみに。
本展では、“十二”繋がりで、
《十二霊獣図巻》も出展されています。
 
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《十二霊獣図巻》 室町時代・16世紀
 
 
《十二霊獣図巻》は、三角獣や兕 (ぢきう)、䶂犬 (しゃくけん)など、
中国に由来する空想上の十二種類の獣が描かれた巻物です。

魔を払う効果があるとされ、子ども部屋の屏風に貼られて使われたとか。

今も昔も、子どもはモンスターが好きだったのですね。

 

 
さて、本展では日本の“たたかう仏像”だけでなく、
それらに大きな影響を与えたとされる中国の“俑”(※)も出展されています。
(※お墓に埋葬するために、人物や動物の姿を写したやきものの像)
静嘉堂文庫美術館の俑コレクションが公開されるのは、実に17年ぶりとのことです。
 
たたかう仏像:加彩鎮墓獣と三彩神将俑

 

 

ズラリと並ぶ俑の中でとりわけ異彩を放っていたのは、唐時代の《加彩鎮墓獣》

 

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《加彩鎮墓獣》 唐時代・7世紀後半~8世紀

 

 

鎮墓獣とは、古代中国でお墓を守るもので、

基本的に、獣面と人面のペアで設置されるそうです。

人面で墓を守ると言えば、スフィンクスも。

シルクロードで伝わってきた文化なのでしょうか。

 

それから、もう一つインパクトがあったのが、《加彩武人俑》

 

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《加彩武人俑》 後漢~西晋時代・2~3世紀

 

 

実際は何かを手にしていたと考えられているそうですが、

歯を食いしばって、今にも闘魂を注入しそうにも見えます。

アゴが出ているようにも感じられますし。

古代のアントニオ猪木です。

 

ちなみに。

僕の推し俑は、《三彩神将俑》

 

加彩武人俑、たたかう仏像展

《三彩神将俑》 唐時代・8世紀

 

 

一見すると、近づきがたいオラついた俑に思えますが、

頭上に何やら可愛らしいキャラクターを宿していました。

 

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3つのうちの1つだけが、めっちゃ酸っぱい、

駄菓子屋で売ってるチューインガムを思い出しました(笑)。

 

 

なお、タイトルは”たたかう仏像”ですが、

本展では、“たたかう仏画”も数多く紹介されています。

 

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その中で個人的に印象に残っているのは、

中国・南宋時代の《妙法蓮華経変相図》です。

 

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《妙法蓮華経変相図》 宋時代・11~12世紀

 

 

法華経の教えをわかりやすく絵画化したもの。

絵のタッチが妙にほのぼのとしており、

毘沙門天も含めてどの仏様も、ゆるキャラのようでした。

 

たたかう仏像展 妙法蓮華経変相図

 

 

巻物に登場する仏(人?)の中には、

長谷川町子の漫画を彷彿とさせるものも。

 

中国の十二霊獣図巻の絵

 

 

画面の隅から隅まで飽きずに眺められるので、

時間をたっぷり確保して、鑑賞されることをオススメいたします。

 

本日最後に紹介したいのは、重要文化財の《普賢菩薩像》です。

 

普賢菩薩像と三化人
重要文化財《普賢菩薩像》 鎌倉時代・13世紀
 
 

普賢菩薩が乗る象の頭にご注目くださいませ。

 

象に乗る普賢菩薩と三化人

 

 

よく見ると、頭上にダンサブルな3人がいました。

その正体は、「三化人(さんけにん)」。

ただ、そのポージングといい、ステージ感といい、

普賢菩薩から放たれるレーザービーム(?)もあいまって、

思わずPerfumeを連想してしまいました。

これを機に、コールドスリープに入るのかもしれません。

 

 

 ┃会期:2026年1月2日(金)~3月22日(日)

 ┃※前後期入替あり

 ┃会場:静嘉堂文庫美術館

 ┃https://www.seikado.or.jp/exhibition/current_exhibition/

 

 

 

 

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