2023年、原宿の太田記念美術館にて、
広重の絵に登場する“おじさん”に注目した展覧会、
“広重おじさん図譜”が開催され、SNSを中心に話題となりました。
あれから3年―
太田記念美術館で再び、“おじさん”をフィーチャーした展覧会、
その名も、“浮世絵おじさんフェスティバル”が開催されています。
出展作は、前後期合わせて約150点。
そのすべてに“おじさん”が描かれています。
歌川広重《東海道 丗四 五十三次 二川》
歌川広重《東海道五十三次之内 鞠子》
名所絵にとって、メインはあくまで名所ゆえ、
おじさんたちは、普段は見過ごされがちです。
しかし、注目してみると、彼らは決して、
ただのモブキャラでないことに気づかされます。
重要なシーンを演じていたり、ワンポイントリリーフであったり。
実は、おじさんの(浮世絵における)働きによって、
浮世絵は何倍も魅力的なものになっていたのです。
NO おじさん, NO 浮世絵.
そんなフレーズが頭に浮かぶフェスティバル・・・もとい、展覧会でした。


さてさて、前回の“広重おじさん図譜”から、
“浮世絵おじさんフェスティバル”と名は変わりましたが、
出展作のうちの半数近くが、広重による浮世絵です。
広重のおじさんだけの前回は気づきませんでしたが、
今回、北斎や国芳の描くおじさんと見比べてみたことで・・・
葛飾北斎《雪月花 吉野》
歌川国芳《東都名所 かすみが関》
広重の描くおじさんが、いかに個性豊かで、
いかにチャーミングであるのかを実感させられました。
ただ、逆に女性を描くのは、そこまで興味が無かったのか。
とある作品に描かれた女性の顔は、適当にもほどがありました(笑)。
歌川広重《東海道五十三次之内 岡崎 矢はぎのはし》
ちなみに。
数多くの広重おじさんの中で、特に印象に残っているのは、
《東海道 四十六 五十三次 庄野》に登場する3人組のおじさん。
歌川広重《東海道 四十六 五十三次 庄野》
佇まいが、まるでラッパーのよう。
きっと江戸のHIP-HOP界を長年牽引し続けていたのでしょう。
続いて印象的だったのが、《東海道五十三次 袋井》のおじさん。
歌川広重《東海道五十三次 袋井》
なかまになりたそうにこちらをみています。
あるいは、周囲の人はおじさんに気づいていないようなので、
もしかしたら、僕にだけ見えているおじさんなのかもしれません。
見つめると言えば、《東海道 五十四 五十三次 大津》のおじさんも。
歌川広重《東海道 五十四 五十三次 大津》
まずは画面中央の下部にご注目。
何やらおじさんがお店の人(?)と揉めているようです。
そこから目を右に向けると、その一連を、
少し離れたところから見つめるおじさんがいました。
助けに行くわけでもなく、ただ傍観しているだけ。
きっと今の時代なら、こういうおじさんが、
この揉めてる様子をスマホで撮影するのでしょうね。
で、SNSにアップしたその映像が、
「視聴者提供」という形でニュースで使われるのでしょうね。
ちなみに。
広重以外の作品で特に印象に残っているのは、
落合芳幾による《江戸砂子々供遊 日本堤》です。
落合芳幾《江戸砂子々供遊 日本堤》
駕籠かきのおじさんの転ぶ姿を見て、大爆笑する少年2人。
おじさんの足元をよく見ると、スイカの皮が落ちています。
江戸時代はもちろんバナナがないので、
この頃は、スイカの皮がその代わりだったのですね。
(スイカの皮では転ばないような気もしますが・・・)
何はともあれ、この時代からドリフのような笑いがあったことに驚きました。











